白く光り輝く救世主
ーーーシュゥゥゥゥ・・・
大翔は【守護の使い手】から【守護神の使い手】へと進化した。
「貴様が【守護神の使い手】だと・・・」
シリウスは驚きを隠せなかった。
以前より格段に強くなった大翔だが悲しさからこう呟いた。
「シリウス・・・もうこんな悲しい戦い終わりにしよう・・・」
しょうじがシリウスに殺され大翔は意気消沈していた。
「いいや。貴様は【ただの使い手】から【神の使い手】となった。これは許されないことだ。神は生まれたときから神でなければならない。常人が神になってはいけないのだ。よって【魔神の使い手】であるこの私が貴様を殺す!」
シリウスは戦いを終わりにはしないようだ。
「そうか・・・なら・・・俺は手加減はしない・・・」
大翔はしょうじが殺されたが、取り乱すことはなく静かな怒りに燃えていた。
その瞬間。
ーーーダッ!
「私が背後を取られるだと・・・?」
大翔はシリウスの背後に立っていた。格段に上がったスピードにシリウスは驚いていた。
大翔は拳を振り下ろした。
ーーードカッ!
大翔の一撃をシリウスはまともにくらいシリウスは吹き飛んだ。
ーードゴッ!
ーードシュッ!
ーードシャッ!
大翔は吹き飛んだシリウスを追い、休む暇もなく怒りのラッシュをくらわした。
「しょうじさんの仇だ・・・お前はもう絶対に許さない・・・!」
大翔の力は【守護の使い手】から【守護神の使い手】になったことで大幅にアップしていた。
「くっ・・・!このまま私がやられ続けて言い訳がない・・・!」
シリウスはラッシュをくらいながらも反撃の手立てを考えた。
ーーーザンッ!
シリウスは【魔神の使い手】の黒い刃を大翔に向けて出現させた。
「どんなものでも貫く刃だ!切り裂け!」
シリウスは打撃をくらいながらも放った。
ーーーシュゥゥ・・・
しかし、シリウスの黒い刃は大翔の【守護神の使い手】のガードにより防がれ溶けていった。
「なん・・・だと・・・!」
シリウスはいままで防がれたことのなかった刃を防がれたことに絶望していた。
「お前のこの黒い刃で俺の仲間達は傷つけられた!シロノも刹那もシュニもフラワもオウルも!そして!しょうじさんを殺した!だが・・・その黒い刃は俺には効かない・・・今度はお前が傷つけられる番だ・・・」
大翔はいつもなら考えない復讐について語った。それほどまでに怒っていた。
シリウスはその言葉には怯まなかった。
「私の刃が貴様には効かないか・・・本当はこの技を使いたくはなかったんだがな・・・」
シリウスは意味深な言葉を呟いた。
その瞬間。
ーーーギギ!ギーギギー!キキー!!
不快な音が周りに響き渡った。
シリウスの体から魔神のエネルギーが溢れ、10メートルを超す巨大な人型の“何か”となった。
その“何か”が大翔に語りかけた。
「大翔よ・・・貴様【アポカリプティック・サウンド】は知っているか・・・?不気味な音で世界中でも様々な人間が聞いたことがあるという証言が存在し、実際にその音を記録した録音も存在する・・・その名はヨハネの黙示録に描かれている世界の終焉を告げる天使のラッパになぞらえてつけられた・・・この音が発生する原因は地球の大きな地下空洞から発生しているなど様々な考察がされているが原因は特定出来ずにいる・・・それもそうさこの音は私が起こしているのだから・・・この姿になるためにはこの音が必ず発生してしまうのは難儀だがな・・・」
「なんだこの巨体は・・・?」
大翔はアポカリプティックサウンドが何かはわからなかったが巨体に驚いている。
「この力を使い貴様を“地獄”に引きづり込むことが出来るがその必要は無いようだな・・・貴様はこの姿になった私に勝てるわけがないのだから・・・」
“何か”は余裕の口調で言った。
大翔は巨体に驚きはしたが怯まなかった。
ーーードゴーーーーン!!!
「【守護神】矢・印」
大翔は“何か”に匹敵するほどの巨大な矢を放った。
ーーージュゥゥゥゥ・・・
“何か”に矢は直撃したが先程とは逆に大翔の矢が溶け、“何か”は無傷だった。
「俺の渾身の一撃が効かないだと・・・?」
大翔は先ほどまでシリウスに通用していた【守護神の使い手】が効かないことに驚いた。
「もう貴様ではどうやっても太刀打ちできないぞ・・・もう貴様は用無しだ・・・」
その巨体の腕からは長さ20メートルは超えるその体と同じ色の黒い刃が出現し、それを天に掲げた。
「神を愚弄する者は・・・死あるのみ・・・」
巨体は巨大な刃を持った腕を大翔めがけて振り下ろした。
「速すぎて避けれない!ありったけの力を込めてガードするしかない!」
大翔は防御の構えを見せた。
「【守護神】リフレクト・シールド!!」
大翔は全ての力を込めた守護を出現させた。
ーーーガンッッ!!!
その巨体の一撃を大翔は守護の盾で受けた。
「負けて・・・たまるかーーーー!!!!」
大翔は貫かれないように力を振り絞った。
「絶体絶命になると人は火事場の馬鹿力を起こす・・・今の貴様の力は神に匹敵するかもしれないな・・・しかし常時その力を出せないのが・・・悲しいかな人間なんだ・・・」
その巨体は大翔のとっさに出た力を認めたが、哀れんでいた。
「これで終わりだ・・・」
巨体は呟いた。
その瞬間。
ーーーザクッッッ!!!!
巨体の黒い刃は大翔の守護の盾を貫き、大翔自身を切り裂いた。
「まだ息があるな・・・とどめだ・・・」
巨体は切り裂かれた大翔の体にとどめを刺すようだ。
ーーーシャンッッ!!
巨体の刃は再び大翔を切り裂いた・・・
否、切り裂かれるところだった。
突如として現れた巨体の黒とは対称的な“白い刃”が大翔を守った。
大翔は薄れゆく意識の中だったがこの白い刃の正体に気付いていた。
「チルさん・・・ありがとう・・・」
この言葉を発した直後大翔は意識を失った。
白い刃で大翔を守った者の正体は依然大翔と旅の途中で出会った“チルカン”だ。
その風貌は白髪で長髪でポニーテールにしており、無精ひげを蓄えている。冴えない姿だ。しかし、強い。
「久しぶりだなシリウス!アポカリプティックサウンドは世界中のどこにいても聞こえるから見つけやすかったぜ!」
チルカンはシリウスを探し求めていてやっと見つけたらしい。
「チルカンめ・・・厄介な奴が現れやがった・・・だからアポカリプティックサウンドは使いたくなかったんだ・・・」
魔神の力に覆われ巨体となったシリウスが呟いた。
「シリウス!あの時と変わらず沢山の人を傷つけてるらしいな!それって楽しいか?」
チルカンは笑顔でシリウスの聞いた。
「貴様には関係ない・・・失せろ・・・」
シリウスは迫力ある声で答えた。
「失せろと言われてもなぁ。お前は俺の大事な大翔達を傷つけたしなぁ。実は腸が煮えくりかえってるのを知ってほしいね」
チルカンは静かに怒りをあらわにした。
「じゃあ・・・どうするんだ・・・?」
シリウスは覚悟を決めたような声と構えを見せた。
その瞬間。
ーーーゴォォォォォ!!
チルカンの体から光り輝く白いオーラが溢れ出した。
チルカンは答えた。
「決まってるだろう・・・俺の【“天神”の使い手】でお前を改心させる・・・!」
チルカンは16話の「光の剣」で登場しています。16話だけでいいのでぜひご覧ください。
拝見いただきありがとうございました。




