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三夜城の家 夢の中の人 1話
▶神託
日照りが続き、雨がなかなか降らなかった。
まだはっきり言葉のない、産まれて2年もたっていない
幼い子の口から突然神託が出た。
”山が重なるその場所に、コンコンと水は沸く。”
小さな指で、水の沸く場所を差し示す。
それから、その子は、
大きな屋敷の奥に閉じ込められた。
物心着いた頃には、誰も居ない部屋の
誰も入っては来ない、御簾の中に居た。
両親とも離されていた。
たまに面会に来る両親は、
少しずつ、身にまとうものが綺麗になっていった。
着物が綺麗になり、手も足も薄く白く。
顔色は、塗物をしてもっと、もっと白く。
化け物のようになっていった。
朝起きると、知らない大人が食べ物やら、着物やら、玩具やらなにかしら持っては、
入替り、立替り、広い部屋の隅に押しかけて来る。
同じ顔をしているのか?面でもかぶっているのか?
顔を隠していてよくわからない。
ただ、ただ、毎日その様子を座って御簾の中で座って見ている。
いつもふっと、誰かに呼ばれる。
眠くて目が開けていられない。
夢の中で、いつも、誰かと話している。




