巡る季節は、美しく。 夏の星に
暑い。元気で賑やかなこの季節も好きなのだけれど、やはり暑いのは苦手だ。
冬の寒さは大丈夫なのに……。
服装は白いワンピース。袖はなくて、丈は膝上くらいまで。春夏秋冬、わたしはこの服装で過ごしている。
冬の街を歩いているときには、心配そうな顔で上着を掛けられることも多々あったな。
寒いのは全然、少しも苦でない。
わたしにとっては、夏のこの暑さの方が耐え難いものであった。
肌が黒くなっているような気がする。
雪より先に白くなるには、肌はずっと白いままでいないと。間に合わなくなっちゃうよね。
夏は好きだけど、嫌いだわ。
暑さにばてつつあったところ、わたしの耳に涼やかな音。風鈴といっただろうか。
その美しい音色に目を瞑って聞き惚れていると、いつの間にか外は暗くなってしまっていた。
夏は日が長いと聞いたのだけれど、案外そんなことはないらしい。
夜ならば涼しいから、わたしにはかなりありがたい。
そう思いながら外へ出てみると、見たこともないほど美しい情景が広がっていた。
「きれいだろう? あれはホタルというのだよ」
暗くて見えないけれど、声からしてわたしにそう教えてくれたのは男性だろう。
小さな光――ホタルが、わたしの周りを飛び交っている。
その輝きに誘われるようにして空を見上げてみれば、そこにも無数の輝き。
きれい。
空も、地上も、小さな輝きが数多く瞬き、幻想的な世界へわたしを連れて行ってくれるようだった。




