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巡る季節は、美しく。 春の花へ

 野原を彩っていた色の数々が、銀世界の先に待っていてくれた。

 雪が溶けてなくなってしまうと寂しいけれど、こうして下で多くの息吹が眠っていて、それが目を覚ましたのだと思うと寂しさなんてなくなる。

 どちらかというと、出会いに満ちた素晴らしい季節だと思う。

 この美しい色と香りを齎すのは、花というものらしい。

 是非、他の季節にもずっと咲き続けていて欲しいと思うのだが、花は咲くとすぐに散ってしまうのだという。

 今しか見られない光景だと聞いては、見ないわけにもいかないだろう。


 こんにちは。あなた、冬の間はずっと眠っていたのね。寝癖がひどいわ。ふふっ、でも冬だってきれいだから、眠って過ごすのはもったいないわよ。雪って知っている? 見たことないでしょう? 白くて冷たくて、ここも真っ白に染めて、……とっても素敵なのよ。


 寝惚け眼の動物たちに、わたしは冬の美しさを語る。

 春の芳しさに捕らわれて包まれながら、必死に冬の美しさを語る。

 ただやっぱり、春を生きていると、春がきれいだ。少し前までは冬がもっとも美しいと信じて疑わなかったのに、不思議なものである。

 春の美しさは、わたしの全てを満たしてくれる。

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