巡る季節は、美しく。 冬の雪へ
白い雪が降ってくるのは、冬という寒い季節がやってくるかららしい。
だから寒くなってきて、冬と呼ばれる季節が訪れると、わたしは雪より先に白く変身した。
雪がふる前に白くなっているわたしがいたら、雪も降ってくるときに驚くことだろう。
空が黒くなったら、きっと雪が降ってくる。今はまだ青い空が広がっているから、そのうちに白くならないといけない。
肌はそんなに黒くないから、そのままで大丈夫かな。
服も着替えない、……と。あれ? わたしが着ているのは、真っ白のワンピース。
変身なんかしなくても、わたしは白かったのね。髪の毛はどうしたら良いのかしら。わたしに雪を教えてくれたあの男性は、真っ白の髪の毛を持っていたわ。
黒い自分の髪を右手で撫でるけれど、黒いままで白くなんてならない。
どうしようかと迷っていると、空が黒く染まっていって、雨が――少しすると雪が降ってきていた。
街の色が少しずつ白く染まっていく。わたしの、負け?
雪が街を白くするより先に白くなって、雪や街をびっくりさせようと思っていたのだけれど、残念である。
来年こそは、最初の雪より早く、わたしは真っ白に染まるんだ。