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シル・ストア~来訪者(旧サブタイトル:風の通り道)  作者:
最終章 来訪者

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105/105

エピローグ 再会の日

前の話で明らかになっていると思いますが佳澄はショウの申し子、ジーンはエンヤの加護持ちです。

ジーン一人では神を顕現させることは出来ません。

二人が選ばれた理由ですが・・・丁度条件に適合したから・・・

ワイズマンシステム構築時、ダリや八柱の神々が定めた条件に適合したのがこの二人だったという理由です。

申し子は神を顕現させることが可能

トリムがジルフォードを生かしていたのは申し子を呼び寄せるため・・・

来訪者:作者 トーリ・サイデン

校了前に作者が死亡したため、未完

原稿はアモンが持っていた。

始まりの二柱の神々を始めとしてこの世界に来訪したものに関するドキュメンタリー

対象は以下の通り

・始まりの二柱の神々

・瘴気の沼

初代皇帝マーデの英雄譚の一つ

異界から来た何かよって汚染された沼の浄化を果たした。

・鳴らずの鐘

エマルドの神殿に奉納されている鐘、叩いても音がしない。材質不明

鐘かどうかも分からない・・・

・トリスタン

三大陸各地で農業の発展に努めた聖人、トリスタン教の聖典は彼の教え

・サンガ

医学の神としてアナ・ハルナで信仰を集めている。

・ダリ

ワイズマンシステムの設計者

・消えた男

名前もよくわからない。女性バージョンもある。

時々現れて意味不明の言葉を叫びながら消えていく。


少年が血に塗れた母に取り縋って泣いている。

母は「良かった」とそう呟いて微笑みを浮かべていた。

「ごめんなさい、ごめんなさい、もうわがままなんて言わないから。」

少し年を重ねた少年がベットに横たわる老人の手を取って泣いている。

「置いて行かないでください。」

老人は穏やかに微笑んで少年の頭を撫ぜようとして力尽きた。


佳澄が少年に近づこうとして闇に恨みの声に邪魔される。

「ええい、鬱陶しい!」

切れた佳澄の声を切っ掛けに光が溢れる。

光っているのは佳澄の守り刀、照という文字が強い輝きを放った。


シャン、シャン、シャン

どこかで鈴の音が錫杖を鳴らす音がする。

誰かが舞っている。

始まりの二柱の神

舞う神々からの光は闇を鎮めていく。

蠢くものは人の姿を取り戻し、消えていく。

「カール、遅いぞ、今日はお前のおごりだ。」

「ナフタ、サーシャ、おいていくよ。」

小さなキラキラとしたものが3つの影をどこかへ連れいった。

トリスタンの棺は壊れ、中の遺体もサラサラと灰になっていく。

遠くで声が聞こえた。

「トリム、さあ帰ろう。お母さんがシンシアが待っているよ。」

最後に残った少年はその声の方に駆けていった。


残されたアモンは跪き祈りを捧げている。

その横でジーンもまた祈りを捧げていた。

「彼らの魂が安らかに眠れることを。」

光が消え、崩れ落ちた天井から月の光が差し込んでくる。

振り返ると佳澄の姿が薄れている。

彼女の役割は終わったのだ。

『またね』

最後の声は念話で届き、佳澄との繋がりが切れた。

遠くから人形師のジルフォードの声は聞こえる。

「終わったのか?」

アモンが立ち上がり、佳澄の姿を探す。

「佳澄は帰ったよ。彼女のいるべき場所に」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


それから1か月程が経過したある日のこと。

「答え合わせと行こうか。」

場所はシル・ストアの拠点にジーン、ゼ・ドナのギルド本部、シル・サーレ、シル・ナレア

ゼノバーンや神聖帝国、法王国、アナ・エルダやヤーレ他を結んだビジョン会議が開かれた。

エマルドからラオ島のギルドが参加している。

各地を結ぶネットワークはアナ・ハルナの系統に統一され、政府関係者の施設では通信関係の機器が刷新された。


「まずは100年前の大災害から話そうか。」

カミラの言葉に、調査を取りまとめていたギルドの職員が結果資料を画面に映し出した。

そこには教会で開発されていたリアナを集め、土地に配分する装置について記載されている。

これについては教会からも説明されていたもので神が不在なレナ・カサルでは必要なものだっただろう。

問題は集める量と配分先。

教会から大災害時に横流しされた品は、トリムがマーデ崩壊時に使用したものの初期版。

人の致死量を超える量のリアナを集め、法王国に送るというもののを送り先にマーデ近郊を指定したもの。

それをアナ・ハルナの中心に送り込んだ。

当時のマーデの首脳陣は神の力に満ちたアナ・ハルナを嫉妬しその力を横取りしようと思ったのだろう。

結果は想定以上の力により暴走、ワイズマンシステムの停止によりレナ・カサルへのリアナの供給は激減した。

さらに暴走状態を外部に漏らさないよう結界が張られたため、ハーレンから漏れてくるリアナもほどんと無くなった。

大災害から急激に人口を減らしたレナ・カサル。

不足するリアナを避難民から補充しようとしていたことが切っ掛けとなって廃都の襲撃が起こった。

現在のレナ・カサルは教会が中心となって行う人からのリアナの抽出によって辛うじて維持されている。

エマルドの砂漠化は不足するリアナをエマルドの教会から補充していたことによって引き起こされていた。

この問題はワイズマンシステムの再起動により解消するだろうが・・・

現在は各地に居るマーデの関係者からの賠償交渉が始まっている。

マーデの関係者は平均寿命が55才でとっく故人だが被害を受けたアナ・カサルの住人は平均寿命200才以上、生き残りの大半は生存していた。

「こちらとしてはこれ以上干渉してこないというのが一番なんですけどね。」

とはアモンの弁


「次にトリスタン教側の報告をしよう。」

ジルフォードが側近に指示して資料を映し出す。

トリスタン教の教祖トリムは2つの目的で動いてた。

・1つ、レナ・カサル、特にマーデに対する復讐

・1つ、聖者であり義理の父親であるトリスタンの復活

千年前に行われていた星祭の生贄の儀式、それを元にして聖印を生み出したことが報告される。

トリスタン教によって生贄ではなく集落の人間一人一人からリアナを集めて土地に還元するようになった。

それだけなら良かったのだが一部は法王国に送られた。

それを知ったマーデは一部を搾取して自分達で使っていた・・・

そのことにトリムは非常に怒りを感じていたらしい。

「ジーンやアモン殿から最後の話を聞いて、トリムの本質は泣く子供だと思う。」

自分の大切な存在を自分のせいで死なせた。

トリムが一番憎んでいたのは自分自身、そこに蓋をしてトリスタン教を生み出した。

トリスタンの教えそのものは真っ当だからその裏にいるトリムは拗らせていったのだろう。

彼が何を思いどうしていたのかこれからの調査待ちだが、今回の一件でトリムの妄執からトリスタン教が離れることが出来たのは間違いない。

ジルフォードは今後の贖罪について話を続けていた。


「マーデ崩壊時の200万人分のリアナの行方ですが・」

「分かったのか。」

「はい、いつも通り、半分はマーデの地に流れています。」

「残りはエマルド大陸に送られました。」

えっと顔を見合わせる参加者達。

ラオ島のギルドの代表が発言する。

「最初聞いた時、冗談かと思ったのですが事実です。」

「アナ・ハルナの人達の言うリアナの循環の影響だと思っていたのですが、マーデ崩壊のタイミングで一気に砂漠の緑地化が進みました。」

「それ前後は穏やかな回復だったのにあの時だけ急激だったので間違いないかと。」

最後にジルフォードの側近が報告した。

「トリムの手記によるとエマルドに迷惑を掛けた詫びということです。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


トリスタン教は法王以下主だった枢機卿達の失い崩壊を危機を迎えていた。

それを抑え新しい指導者となったのはジルフォード。

彼は光を掲げ、教会の闇を照らしていく。

国を閉ざす城塞は破壊され、新しい一歩を踏み出した。

彼は聖典を手に始まりの二柱の神々を主神とする新しい信仰の道を歩み始める。


アモンはストレアに戻った。

親友であるトーリの亡骸を神聖帝国から引き取って改めてストレアの墓地に葬る。

トーリの遺稿となった来訪者は彼の手でまとめ直されて出版された。

トーリの残した古城の見た夢を胸にストレアの再建を始める。

そんな彼の近くをカラカラと風見鶏が回っていた。


パプロとハナは自分達の故郷の村に帰った。

ベンジーはそのままナレカサルの村で暮らしている。

その内、ディアラの村に戻るかもしれないが今はこの村と共に時を重ねる予定だ。


人形師はゼノバーンで過ごしながら時々ナレカサルに里帰りしている。


ジーンは今回の1件で3人目のSランクとなった。

新しくクランを立ち上げ、自身の拠点をハルナに置く。

忙しく何でも屋家業を営む傍らジーンはずっと何かの開発を続けていた。


「ここは?」

足元はアスファルト、視線を上げればネオンライトの看板。スマホを手に歩く人達、遠くで電車の音がする。

ジーンは人波を避け建物に寄りかかる。

置いていったマリオネットを探せば無事繋がった。

「成功だな。」

念話で佳澄の声が響いた。

『ジーン!?』

『ただいま』

これにて完結です。

お付き合い有難うございました。


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