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失恋

 人の入って来た気配に気づいた隼人は顔を上げ、バッチリ私と目が合った。私が隼人を直視できるはずもなく、慌てて視線を逸らして、

「ごめんなさい!」

 と、一言。

 そのまま二人を振り返ることもなく、私は走った。今見てしまったものを振り払うように必死で走った。全力で走っているはずなのに、さっきの光景が目に焼き付いて消えてくれない。

 見えたのは一瞬だけだった。

 なのに、映画に出てくる呪いのビデオのように、目を瞑れば何度も何度もしつこいくらいに再生される。すずらんちゃんがめいっぱい背伸びして隼人と……。

 そこまで思い出して、私は足を止めた。もう学校からもかなり離れたし、わざわざ走ることもないだろう。

 ようやく――何年も一緒に居てようやく気付いたのに。気付いたらすぐに失恋だなんてあんまりだ。

 走ったせいなのか、気持ちの問題なのか、息苦しくてたまらない。

 込み上げてくるあまたの感情を抑えつつ、深呼吸を一つ。

 すずらんちゃんに隼人を取られて悔しいという気持ちもなかったわけじゃない。でもそんな感情は悲しみに比べたらはるかにちっぽけなものだった。

「隼人……」

 薄暗い住宅街で、小さく呼んだ。

 もちろん返事は返ってこない。

 当たり前のことなのに、何故かそれがショックで、目頭に熱が集中した。

短くてすみません!

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