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部室

 いつもと同じ朝。私は隼人の隣を歩いていた。チラリと隼人の方を見ると、私の視線には気付いていないようで、しっかりと前を見つめている。

 隼人が好き。

 自分の気持ちに気が付いたのは良いものの、私と隼人の仲に変化は見られなかった。私自身、全く同じ態度で接する事が出来ている事に驚いている。

 何気ない会話をしながら学校まで行くと、そこにはすずらんちゃんが待ち構えていた。

 またか、と思った。

 あの宣戦布告の日以来、すずらんちゃんは毎日登校してくる私達を昇降口で待ちかまえている。

「隼人君!」

 鈴の音のような可愛らしい声が隼人を呼び止めた。

 隼人は一度、すずらんちゃんに視線をやった後、すぐに私を見た。

「……先に行ってるね」

 何を言われたわけでもない、でも感じたのは確かだ。隼人はすずらんちゃんとの話を私に聞かれたくないと思ってる、と。

 放課後、今日は月に一度の委員会の日だったので、私は同じ図書委員の子と一緒に図書室へと向かった。

 委員会の予算や購入する本を会議で検討した後、購入した本に、種類を分けるためのラベルを張っていった。

 委員会活動が終わると、すっかり最終下校時刻になっていたけれど、むしろ私にとっては好都合だった。

 昇降口で靴を履き替え、向かう先はサッカー部の部室。まだ隼人が居るかもしれない。そんな淡い期待を胸に秘め、部室のドアを叩いた。

 ――あれ? 返事がない。

 けれど、窓からは明かりがもれていて、人が居る気配はする。

 もう一度ノックをするが、やはり反応はない。不躾ではあるが、人の家でもないので、私は扉を開けた。

「……ッ!」

 私は、中に居た人達を見た途端、酷い後悔に襲われた。見なければよかった。

 そこには予想通り、隼人が居た。けれど、すずらんちゃんも居た。

 そして、二人は、キス、してた。

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