英雄トゥハチェフスキーの形見 ~女公爵、援軍を得る~
前回のあらすじ
『裁きの鉄槌』作戦、開始。
果香(10月)、19日午後9時41分
ペテログラード、ゲオルギ宮殿、第三執務室
「えっと...つまりこういう事?私が貴方達を使って良いって事...?」
「我が祖国を守護する為です。また同志トゥハチェフスキーが『危機が迫った場合、必ず動員すべし』、と命令されております」
「...まぁ...それなら、使わせて貰うけど...良いの?私なんかに指揮権渡して...」
「勿論です、同志エカチェリーナ」
「...分かったわ。その代わり、私が駄目だった場合は必ず抗命して良いから...良い?」
「分かりました」
...私の前で片膝を付いて話しているのはペルミ男爵の「ボロディン・アレクセヴィチ・ペルミ」。元ソ連軍人です。
...こうなった経緯から話さないといけませんね。
・・・・・・
10分前
「戦局はどう...?カメーネフ」
「侯爵家はどちらも陥落しました。伯爵家も2家陥落しました」
「...あと一つ、ね」
「はい。...ただ最後のガチナ伯爵家が」
「...確か砲が爆発したのよね?」
「はい...」
「多分発射時の砲内圧力に耐えきれなかったのね...もうちょっと製鉄技術があれば...」
「申し訳ありません...」
「だ、大丈夫よ?実際あの砲の威力は高いんだから...」
ソ連軍の砲だから1920年代の砲でしょ...?
今が1400年代だから500年も技術の差があるもの...ある意味急造だったから壊れるのは当たり前、と思って戦場に出したけど...
「それより砲を運用していた兵士はどうなったの?」
「...運用していた兵士は全員、亡くなりました」
「...私の給料を減俸して。彼らの家族に与えて頂戴。これは至上命令よ」
「分かりました、陸軍参議長に伝えておきます」
「お願い。...で、今最後の伯爵家の攻略戦はどうなってるの?」
「現状は76mm砲で城門を何とか破壊したのですが既に遅いので恐らく夜襲を掛けて落とすかと思います」
「それが良いわね...でも、時間が掛かっているのは確かね。人数調整をするw
コンコン!
「入って」
「お嬢様、ロージナ様が...」
こんな時間にどうしたのかしら...
「お父様と会って貰いたい、と...」
...お父様って...確かソ連...はっ!
「直ぐ会うわ。ここに通して頂戴」
「え、良いのですか...?」
「ええ。今すぐ通して」
「わ、分かりました...」
・・・・・・
...やっぱり軍服に袖を通すとシャキッとするわね。この感じ、好きよ。
ガチャ!
「エカチェリーナ様...!」
「うわぁっ...?!」
私は飛び込んできたロジーナを抱き止めた。
「いきなり飛んでこないで頂戴。...で、お父様は?」
「もう来ます」
ガチャ...
「...あぁ...こら、ロジーナ!畏れ多いぞ!...申し訳ありません、公爵閣下」
「大丈夫ですよ、Товарищ(同志)」
「そう、ですか...分かりました」
「...それで、用とは何ですか?」
「我々をお使いください、同志」
「...えぇ?!ど、どういう事...?」
・・・・・・
で、今ここよ。
「...ところで数はどのくらいなの?」
「数は私の部下を合わせますと4万程です」
「...それは...」
行ける...この戦い最低でも積極的防御は可能ね。
「...やはり少ないですか?同志。ソ連軍は元々何十万も...」
「あぁ...逆よ、逆。...これで戦線が楽になるわ」
「それは良かったです」
「...そういえば武器はどんな感じかしら?」
「武器の手入れは完璧です。...ですが弾薬が欠乏していまして...」
「その点は大丈夫よ。私が魔法で作り出せるわ」
「おお...!では楽になりますね」
「ええ。...弾薬の受領後、全体から中隊を抽出して第五軍団を支援して。全体は...」
「第12、13、21、22師団です」
「第12、13師団はカンニナ地方に。第21、22師団はポルシュカ方面に布陣して頂戴」
「分かりました」
...私は少し考えたあと、言った。
「...因みに、ポルシュカ方面はゲルマン帝国とオーレリア帝国が参戦するまでは積極的防御でお願い」
「つまり参戦してきたら...?」
「ポルシュカ王国を、3分割しなさい?」
「はっ。分かりました、同志」
「...じゃあ弾薬の生産を始めるわ。受領の用意を」
「はい」
私は聖句を唱え始めた...
・・・・・・
「...まぁ、こんなところかしら?」
目の前には沢山の弾薬が置かれていた。
「...これ、良いんですか?」
「ええ、受領して頂戴。その代わり、全力でこの国を護って貰うからね?」
「ふっ...分かりました、何があろうとも敵を通したりはしません。それをここに誓います」
「...行ってらっしゃい」
パタン...
彼は無言のまま部屋から出ていった...
「...とはいえ、相当力を消費した感じね」
一応連絡はしておかないと...
...El We Connect.
「...帝国軍第五軍団に連絡。新しい援軍を送るわ。少し待ってから攻城戦を始めて頂戴。
...そして、全軍に通達します。
これより各方面に援軍が到着します。援軍が到達次第、積極的防衛を行ってください。
方法は私が今まで教えてきたものの中から探しだして、柔軟に行いなさい」
...私は一息置いて、言った。
「...私達の正義を彼らに示しなさい。以上。
...皇帝、万歳!神に愛された我らの帝国に栄光あれ...!」
...その瞬間、体から力が抜けて、意識が落ちるのが分かった...
...後書きって無い方が読みやすいのかしら。
とりあえず前書きに前回のあらすじを入れていく事に決めたわ。
全部変えるのは夏休みに入ってからにさせて頂戴。
それじゃあ。




