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国防会議 ~女公爵、意見を具申する~

果香(10月)、18日午後3時17分

首都ぺテログラード、ゲオルギー宮殿、赤の間


「というようになっています」

「...成程な」

「...やっぱり鎮圧を重視するしか」


...やらないといけないわね。


「...陛下」

「何だ?」

「...私に第一軍団を貸して戴きませんか?」

「...何をするのだ?」

「第一軍団とエカチェリーナ騎士団を使えば、必ず食い止めて見せます」

「...その間に残った第二軍団から第五軍団を貴族の鎮圧、逮捕し、終わったら駆け付ける、と...」

「その通りです、参謀総長。...しかし出来れば機動力のある近衛軍団も共に鎮圧をお願いしたいのですが...」

「ならん!」


っ!今のは...近衛軍団長...?


「...何故良くないのですか?近衛軍団長」

「平民と共に戦ったらうちの士気が落ちる!」


...はい?この人は何を...


「我々は末端とはいえ貴族の出でもあるのだ。それを平民とt」

「ふざけないで!これは国家存亡に関わる事よ!それを貴族と平民で分けて考えないで頂戴!」

「し、しかし...」

「これはとある国での戦いの記録です...!」


ガタッ!


...あ、流石帝国軍の各軍団長...私の言うことを聞こうとしているわ...


「...その国は大陸の中央部に位置し、西にも東にも大国が居ました。


東の方の国は領土が広いので動員が終わるのも一ヶ月以上掛かるだろうと計算し、西の国の方を重視し、東の国の方には少数の部隊しか置きませんでした」

「それで?」

「...その東の国は西側の国の支援要請を受け、宣戦布告から僅か16日で参戦してきたのです。

しかも、彼らの2倍もの兵力で。


...彼らは運を味方にもしながら耐えきりました。

が、彼らは西側での逆攻勢の為に陽動支援要請で攻勢に出なければなくなったのです。


此方側の兵力は1個軍。しかし相手は国境付近の守りで、6個軍。


彼らは困りましたが、参謀が、『奇襲をしよう。一個大隊を敵の後ろに忍び込ませ、挟み撃ちにして国境の敵を潰せばいい』と提案し、実行しました。なんと挟み撃ちは成功したのです。


...しかし、彼は忘れていたのです。その一個大隊が行く場所は敵の領土内であることを...」

「......」

「敵は奇襲された部隊の支援要請を受け、3個軍を彼らの回りに動員し、包囲しました。

あぁ、なんという事でしょう。良い作戦と思ったものが逆効果になってしまいました。もう、終わりです...何故なら一度包囲されたら組織的な抵抗はほぼ不可能であるから...

...しかし、参謀は諦めませんでした」

「?!」

「彼は包囲された部隊にこう言ったそうです。

『...玉砕も降伏も認めない。...断固として、脱出するように』と。

...この時殿を務めたのが近衛部隊でした。

...そして、その三日後。彼らは犠牲を出しながらも、1万6000人の捕虜を連れて、脱出する事に成功します。

...全ては、近衛部隊が居たから...」

「......」

「...お考え直しください、近衛軍団長。

...貴方の仕事は何ですか?」

「...陛下を守る事だ」

「その通りです。玉体を守る事です。

...そして同時に、兵士を守る事も、玉体を守る事に繋がるのです。何故なら、兵士は一人でも多く居た方が陛下を守れるのだから...」

「......」

「...団長、彼女の言う通りです」

「...分かった。そうしよう」

「...あ、貴殿方には教えていませんでしたね」

「...何を?」

「帝国軍の精神の支柱となっているものを...」

「...言ってみろ」

「...貴方の職業は何ですか?」

「...騎士だ」

「ええ、騎士です。抽象的に言うと軍人ですね。では、貴殿方の仕事は何かしら?」

「...陛下、そしてこの国を守る事だ」

「正解。...でも、もう1つあるわ。分かるかしら?」

「......いや、分からん」

「...正解は文明よ」

「...文明?」

「ええ。...この暗い時代、我が帝国を守る為に私達軍人は必要とされているの。


私達は殺す為に必要なわけでも、死ぬ為に必要なわけでも無いわ。


...私達の仕事は維持する事、守る事。

来る日も来る日も、汚く感謝される事の少ない仕事を力の限り遂行する事」

「...あぁ」

「...何故なら、誰かがやらなきゃ我が民族の文明が滅びると解っているから。


...という訳で、貴方はそれを引き受けてるの。

...貴方の生涯に渡り、貴方に、貴方の部下に、貴方の家族に、貴方の全ての業に神、英霊の御加護がありますように...」

「...っ...うぅ...」

「え、えぇ...?わ、私悪い事言ったかしら...?」

「違う...違うんだ...

ただ俺達の、今までやって来た事を...認めてくれる...そんな人が居る...そう思うと、涙が、止まらないんだ...」

「ああ。...だからこそ、この人なら上司で良いと思える。そうだろう?団長」

「ああ、参謀総長...この方なら...我々の上司に相応しい...いや、この方以外、居ない...!」

「...決まったようだな」

「申し訳ありません、陛下。どんな謝罪をすれば良いか...

これからは帝国軍と共に、ジョージア様と共に、帝国を守っていく事を誓います...」

「ああ、そうしてくれ」

「...では、話に戻りますね。

私が第一軍団とエカチェリーナ騎士団を連れて、国境に向かいます。そこで食い止めておきますので、近衛軍団と第二軍団から第五軍団は貴族の鎮圧に向かってください」

「待った」

「えっと...何ですか?参謀総長」

「...私はエカチェリーナ様には中央に居て貰いたいのだが...」

「...確かに。帝国軍の全権限及び、近衛軍の全権限を持っているのだから中央に居た方が良いだろう...」


...確かにそうだけど...って、何か重要な事言わなかったかしら?えっと...あ、そうそう...


「...近衛軍団長?近衛軍団の全権限というのは...」

「...本当は陛下から全権限譲渡するように言われていたのだが、私が信じ切れなくてな。副軍団長は貴女を信じ、譲渡したがね...

...この時をもって、近衛軍の全権限をジョージア・ヨセフ・エカチェリーナに譲渡する事を宣言する、隷下部隊に通達せよ」

「はっ!分かりました」


近衛軍の副軍団長が、部屋を出ていった。


「よろしく頼む...」

「...分かりました。

...では、私は中央に居る事にします。

...ところで軍の連絡員に魔法が使える人居るかしら?」

「...近衛軍は一応貴族の出なのでその位なら充分居ます」

「帝国軍も一応各軍団の中に数人は...」

「...分かりました。では、私は中央で作戦を作り上げ、それを送ります。出来れば、今時間が欲しいのですが...」

「...が?」

「難しそうです...」


バタン!


「報告します!侯爵、伯爵貴族が反乱の準備を始めたとの事です!」

「?!」


やっぱり来たわね...


「...陛下。ここまで来たら無理です。...ご決断を」

「...動員を掛ける。同時にゲルマン帝国にポルシュカ王国への威圧行動の応援要請を頼んでくれ」

「御英断です、陛下...そして、分かりました。

...各部隊は今すぐ動員を掛けるように。また非常勤の部隊は最悪今すぐにでも出れるようにしておく事。

作戦は連絡員経由で後送します。

...では、行動を開始してください!」

「はい!」


...さ、頑張るわよ。

...私が他の小説でネタにされた。


...仕方無いじゃない!突貫工事に職人の不在...設計変更に工期の短縮...

防水隔壁の歪みによる浸水...伝令の伝え間違いで応急修理要員も甲板に上がるし...まぁその分死者は少なかったらしいけど...


でも、私だって...私だって働きたかったわ...


...いきなり暗い話をしてごめんなさい。

それに何の話か分かる人居ないわよね...


...知りたい人は信濃 空母で調べたら良いわ。


...で、次回は...一応一話貯蓄があるわ。だけど兵站の計算が...まだ出来てないの。もう少し待って頂戴?


それじゃあ次回も、よろしく!

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