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回復
アイツが退院した。師が大会を制した2日後の事だった。
「信龍」
「翔太」
名前を呼び合うだけでいい。至福のひとときだな。
帰りの道中、車内で翔太がカフェに行きたいと言ってきた。コイツがリクエストするとは珍しい。
そのまま車で寄っても良いが。私はコイツとの時間を長く過ごしたい。
1度家に帰り、改めて2人、徒歩でカフェに向かおう。
徒歩で改めてカフェに来た私たちは、カルボナーラと、私はアールグレイ。翔太はミルクを頼んだ。
特にこれといった雑談もなく、時が流れた。
気がつけば時計の針は16時。店員から声をかけられて、そのまま会計に行き、そして帰宅する。
嗚呼、なんて素晴らしいひとときだろうか。今度寿司屋に連れて行ってマグロでも食べようか。
この胸の中の躍動は収まらない。決して止むことのない嵐のような躍動が”愛“なのかもしれない。