表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界魔瞳探索記「あなたの世界は何色ですか?」~極彩色の光が見える魔眼を手に入れて、薬草採取から魔物討伐まで縦横無尽の大活躍~  作者: 一文字 心
第12巻 陰陽の狭間を駆け抜けて

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

886/2578

侵攻Ⅵ

 チビ桜の報告を聞いていた桜と巴は、手近な櫓へと昇り、迎撃の準備を始めていた。

 巴は馬車に乗せてあった弓を手に持ち、迫りくる松明の行進を眺めながら、桜の連絡を聞いている。状況は隆三が呟いたように最悪と言っていい。ただでさえ、大鬼がいて生きるか死ぬかの瀬戸際だというのに、取り巻きの小鬼たちは大鬼が生きている限り()()()()()可能性があるのだ。


「隆三さんが言うには、大陸のダンジョンにそういう能力を持ったボスもいるとのことです。自分の魔力を使って、配下になる魔物を召喚・使役するというものらしいのですが」

「厄介ですね。大鬼は魔法を使うことなどありません。だから思う存分、有り余った魔力を小鬼の召還に使うことができる。おまけに小鬼は個々の人格を有している自立型なのにも拘わらず、種族の上下関係の性質上、必ず大鬼の指示に従う。これほど面倒な相手はありません」


 せめて、大鬼の指示に従うだけの傀儡ならば、単純な攻撃しかしてこない上に連携攻撃をすることはほとんどない。冒険者でなくとも、力自慢の村人ならば十分対抗できただろう。

 しかし、小鬼は意志をもち、数の武力と共にいやらしい連携をしてくることは目に見えていた。例え目の前の仲間が倒れても、その屍を乗り越えて襲ってくる。こちらが少しでも退けば、それをきっかけに一気に戦線崩壊を起こしかねない。


「つまり……私が考えていた小鬼を掃討すれば、他の皆さんが楽になるという方法は――――」

「残念ですが、大鬼の魔力が尽きない限り無理でしょう。隆三様の攻撃で一掃しても、即座に召喚されたということでしょうし」


 おまけに今見えている松明の位置からして、隆三たちと大鬼率いる鬼の軍勢はかなり離れた位置にいるはずだ。具体的に言えば山一つを挟んで反対側くらいまでの距離は余裕である。召喚できる範囲が広いどころか、召喚した小鬼を通して状況を把握しているとしか思えないくらいだ。


「……勇輝さんたちが自分たちの巣を襲撃したと同時に、こちらに向かい始めた。そう考えると、そんな能力を持っていても、おかしくはないかもしれませんが」


 桜は迫りくる灯りの列を見て震えた。そんな相手にどうやって勝てというのだろうか。少なくとも、現時点で桜たちが生き残るには、大鬼を討伐する以外の道が閉ざされたも同然の状態だ。


「まだ鬼たちがここに辿り着くには時間があります。今の情報を私は他の方に伝えておかなければ……。桜さんはどうしますか?」

「私も行きます。勇輝さんたちから得られる情報はまだあるかもしれませんから」

「わかりました。行きましょう」


 時間は無駄にはできないとばかりに、巴は桜を抱きかかえる。そして、梯子を使うことなく、そのまま櫓から飛び降りた。桜の身が強張ったのも一瞬、地面に苦も無く着地した後は、お姫様抱っこで武装した人々の間を駆け抜けていく。あまりの恥ずかしさで顔が赤くなっているのを感じる。

 そんな中、チビ桜経由で隆三の言葉が伝えられた。


『――――大鬼の奴は油断しない方がいい。アリスに出会った時に無理に戦闘を継続せずに撤退するような奴だ。もしかすると、アリスが巣まで尾行することも、巣に攻め込まれることも全て計算尽く、ってくらい頭が回るやつかもしれない。力押しじゃない、搦め手を使ってこられたら……そこにいる奴らは心を折られるだろうな。その時は……逃げろ。いいな』


 それから、間を置かず勇輝の言葉が送られてくる。


『桜。無理をしなくていい。自分ができることをやって、それでも無理なことなんていくらでもある。大鬼退治が無理なら俺がやる。だから、俺が辿り着くまで時間を稼いでくれ。桜は……必ず守る』

「……わかった。私もやれることはやってみる。勇輝さん、それでも駄目だった時は……お願いね」


 その言葉が勇輝に届いたかどうかはわからない。暫く待っても、チビ桜から新しい声は返って来なかった。

【読者の皆様へのお願い】

・この作品が少しでも面白いと思った。

・続きが気になる!

・気に入った

 以上のような感想をもっていただけたら、

 後書きの下側にある〔☆☆☆☆☆〕を押して、評価をしていただけると作者が喜びます。

 また、ブックマークの登録をしていただけると、次回からは既読部分に自動的に栞が挿入されて読み進めやすくなります。

 今後とも、本作品をよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ