表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界魔瞳探索記「あなたの世界は何色ですか?」~極彩色の光が見える魔眼を手に入れて、薬草採取から魔物討伐まで縦横無尽の大活躍~  作者: 一文字 心
白銀の聖剣と漆黒の聖鞘

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2508/2553

魔王の力Ⅶ

 聖剣は誤魔化す気が無くなったのか、ウッドの問いに気を悪くした様子もなく答え始める。



『魔王の力は無生物より生物に宿りやすい。ダンジョンの中では魔物になるな。力を宿したそいつらが一定以上存在すると、ダンジョン自体に力が蓄積を初めて――』


「蛇となる、か。じゃあ、ダンジョンの中の魔物を討伐していれば問題は無さそうだな」



 マックスが安堵の表情を浮かべるが、それをすぐに打ち消すように聖剣は言葉を続けた。



『そう簡単な話じゃない。魔王の力は聖剣以外だと一部の強力な武器を除いて、なかなか消えないんだ。俺様が一体倒して無力化する量に達するには、百や二百じゃ足りないだろうな』


「……ってことは、人の出入りが少ないダンジョンは、力が残りやすくて危険ってことか。もし、氾濫を起こしそうなダンジョンだったら――最悪の場合、蛇へと変化する可能性があるな」



 勇輝の呟きを聖剣は肯定する。


 だから、勇者は各地域を回りつつ、ダンジョンを攻略する必要があるのだと。経験を積みつつ、氾濫を防ぎ、魔王の力を宿した大蛇の出現を食い止める。それは本来、魔王を倒す過程において、存在しなくても良いものであったことを考えると、結果的に効率の良い勇者育成兼魔王討伐チャートになってしまっていた。


 もちろん、勇者は全てのダンジョンに向かうことはできない。その為、少なからず被害が出てしまう可能性がある。それだけが唯一にして、最大の欠点だろう。



「でも、他の冒険者の人がずっと入り続けられるような工夫をすれば、その脅威もなくなる。何か良い方法が――」


「その為の黒騎士隊と神殿騎士たちです。実際に聖女護衛について行かない黒騎士隊や神殿騎士は、勇者の旅を邪魔する可能性のある組織や魔物の存在を探りつつ、各地のダンジョンの魔物討伐に赴く予定になっています。人海戦術、というにはなかなか難しいですが、それでもやらないよりはマシというものでしょう」



 サケルラクリマの魔王対策は、決戦に備えて魔王の戦力を確実に削ること。その一点に尽きる。


 それはマックスたちにも告げられていなかったことから分かるように、各時代の枢機卿たちが苦し紛れに魔王へと抵抗した証だ。そして、奇しくもそれは今まで功を奏し、魔王を撃退することに寄与している。


 カバーストーリーの裏で進められていた魔王討伐の事後処理――或いは、もう一つの魔王討伐戦と称する方が正しいか。どちらにしても、魔王を相手取るのであれば避けては通れない。



「……我々の作戦。理解していただけたでしょうか?」


「えぇ、頼もしいことこの上ない」



 マックスが頷く中、桜が勇輝の耳に口を近付ける。温かい吐息が耳をくすぐり、何とも言えない感覚に襲われるが、勇輝は表情を変えずに体をわずかに沈ませた。



「一件落着っぽいけど、この後どうなるのかな?」


「わからないな。一応、協力体制は維持するつもりなんだろうけど、どうせバレてしまったなら、何か今までにできなかった作戦とかも考えられそうなんだけど」


「例えば?」



 桜に言われて、勇輝はわずかに視線を上げる。天に瞬く星々を見ながら小さく唸った。


 あくまで作戦があるだろうと考えただけで具体的な意見は思い浮かんでいなかった。ただ、こういう何の気なしに出た考えというものも、あながち侮れないものだ。よく考えて意見を出すのは、いくらでもできるが、一瞬の閃きでしか得られないものも多い。


 勇輝は体を捨てて逃げるという点に着目した結果、ローレンス領で見た地下を走る魔力――地脈――の中に混ざった魔物が生まれる赤い点を思い出した。



「結界とかで、その魔王の力を集めて、さっさと消滅させることができれば楽だよな。何なら魔王を討伐する時に周囲を覆っちゃうとかさ。日ノ本国の巫女さんを始めとする術士の人たちなら、得意なんじゃないかな?」


「それ、意外とありかも? ほら、封印塚の鬼の対処でいろいろな人が結界を張ってたから、倒す寸前の魔王なら――」



 勇輝と桜が声を弾ませて頷き合っていると、淡々と、しかし、熱のこもったリブラ枢機卿の声が響いた。



「――お二人とも、その話を詳しく教えていただけませんか?」

【読者の皆様へのお願い】

・この作品が少しでも面白いと思った。

・続きが気になる!

・気に入った

 以上のような感想をもっていただけたら、

 後書きの下側にある〔☆☆☆☆☆〕を押して、評価をしていただけると作者が喜びます。

 また、ブックマークの登録をしていただけると、次回からは既読部分に自動的に栞が挿入されて読み進めやすくなります。

 今後とも、本作品をよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ