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異世界魔瞳探索記「あなたの世界は何色ですか?」~極彩色の光が見える魔眼を手に入れて、薬草採取から魔物討伐まで縦横無尽の大活躍~  作者: 一文字 心
第14巻 紅より来たる龍

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双龍Ⅲ

「魔王の居場所ですが、蓮華帝国の東から南東にかけて、未開大森林と呼ばれる場所が広がっているのはご存じですか?」

「確か、桜が前に話してくれていた地名だったよな?」


 勇輝が桜へと振り返ると、桜は戸惑いながらも頷く。


 ――――飛竜飛び交う『緑の峡谷』、水龍の眠る『|嵐の大洋』、未知の命(バケモノ)育む『未開大森林』。


 確かそのような名称であったことを勇輝は覚えている。

 緑の峡谷と言う場所ではないが、明らかに規格外なドラゴンはファンメル王国の近くの山の地下で発見できた。水龍はこの国に来る途中でそれらしきものを魔眼で捉えたことがある気がする――――というよりも、それはそもそも日ノ本国で奉られている神様である可能性が高い。

 では、残りの未開大森林に潜む未知の命(バケモノ)も存在するのではないだろうか。そして、その特殊な個体こそが魔王と呼ばれる存在なのかも知れない。


「もちろん、このことは皇帝も承知しています。だから、先日のローレンスで起きた争いには、できるだけ早く決着をつけようともしています」

「そうでないと、ファンメル王国と魔王に挟まれる形になってしまうから、ですか?」

「はい。なので、講和には今回の行動を起こした主犯格の一族郎党の首と全財産が真っ先に提示されています」


 小龍のさらりと言った内容に、一瞬、勇輝は理解が追い付かなかった。

 まだ講和の条件が決まっていない段階で、それを用意したという皇帝の決断の早さには驚かざるを得ない。しかも、一族郎党皆殺しともなれば、犯人が一人だとしてもパッと考えるだけで二桁くらいは軽く人が死んでいる。


「(いや、あの戦いではそれ以上の人が犠牲になった。それなのに、一部の人を心配するのは、少しおかしい、のか?)」


 自分の中で命の価値が揺らいでいるのが改めてわかった。

 善悪で、人数の多い少ないで、自分の知り合いか否かで、自分がその場にいるかいないかで――――様々な基準があるだろうが――――勇輝には線引きが、どこにあるべきかわからないでいた。

 大龍に対してすら剣を振ることを躊躇ったかと思えば、蓮華帝国の兵ならば狙撃しても構わないと思っていたこともあるくらいだ。


「さて、こちらの情報は確かに話しました。それでは兄の身柄を引き渡していただいても構いませんか?」

「……ほら、さっさとこいつを家に持って帰ってくれ」


 隆三と勇輝が道を開けると、小龍は臆することなく二人の間を抜けて、大龍の体を掴んで抱き起こした。縄は解かず、そのまま肩へと背負って距離を取る。

 背骨が下に来るように担いで、大龍が苦しそうな悲鳴と共に抗議の声を挙げた。


「おい、さっさと縄を解け。このまま、運ぶ気じゃねえだろうな!?」

「兄さんは黙っててください。これ以上、面倒ごとを引き起こすようなら、このまま海に捨てて行きます」

「うっ……」


 流石に縛られたままで海に捨てられれば、何もできずに死ぬしかない。大龍は大人しく弟の要求に従って口を閉じた。


「青龍。悪いけど、燃えている木々の炎を消してやってくれないか。流石に可哀そうだ」

『承知した。その代わり、主のことを頼むぞ』


 青龍が勇輝たちの頭上に来るように飛びあがると、その周りを風が唸りを挙げて回転し始める。いつの間にか、その中には水が混ざり始め、台風の目の中にいる様な状態になった。

 猛烈過ぎる風は吹き上がる炎を押さえ、豪雨のように降り注ぐ水滴は瞬く間に火を掻き消していく。


「……こんなのと本気でやり合わなくて良かったですね」

「馬鹿を言うな。俺だってこんな状態の奴とは戦いにすらならないことくらいわかる。やるなら命が幾つあっても足りないっての」


 正司の苦笑い交じりの呟きに、隆三は魔弓を握ったまま腕を組んで成り行きを見守る。

 そんな隆三たちの目の前で、天に手を伸ばすように燃えていた木々は、ほんの十数秒で鎮火した。

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