表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
渡し愛  作者: 稲穂ぴす
13/16

09_ツタ-後編-

読んでくださり、ありがとうございます。

後編なのに短めですみません・・・

 店長を無事に家に送り届けていつもの通りに出た時、バイクが私の前を通りぬけて、少し走った先で急停車した。


「ソラティ?」

「あれ、ジーク。どうしたの?」


 バイクに乗っているジークの許に駆け寄ると、これから私の家に行こうと思っていたらしい。後ろに乗せてもらって一緒に家に向かう。

今日は会えないと思っていたのに、来てくれたジークの背中に頬を寄せてそのぬくもりを感じていた。

 少しして私の住んでいるアパートに到着し、部屋に入ってジークがソファでゆったりとくつろいでいる間に私は部屋着に着替えに寝室に移動する。

ジークが私の部屋に来るのは今日で2回目。でもその時は買い物した荷物を運んでくれただけですぐに帰ってしまったので、こんな風に部屋でくつろいでいるというのは初めてだ。


「ごめんね。お待たせ。」

「いや、大丈夫だ。」


 部屋着に着替えてジークのいるリビングに戻ってキッチンに向かうと紅茶を入れる準備をしていると、ジークがキッチンへ寄って来る。


「ソラティ、話をしてもいいか?」

「え、あ、うん。紅茶でも飲みながら話を聞いてもいい?」

「ああ。ソラティはコーヒーは飲まないのか?」

「来客用にはストックしてあるけど、コーヒー飲みたい?」

「ああ。ありがとう。淹れるのはオレがやる。」


 そう言ってコーヒーの粉の入った容器を渡すと手慣れた手つきでコーヒーを淹れていくジークの手際の良さに、本当はコーヒーの方が好きなんだなと知って何だか嬉しくなっていた。

 一緒に各々の飲み物を淹れてソファに座ると、ジークはコーヒーを一口飲むと、マグカップをテーブルに置いてゆっくりと話し出した。


「その、何から話したらいいか。」

「何かあったの?」

「いや、そうじゃないんだが。どうやって話したらいいのか考えていたんだが、いざ話そうと思ったら頭が真っ白になってしまった。」


 いつになく言葉に詰まっているジークに私は、次第に不安な気持ちが膨らんできていた。

別れ話だったらどうしよう、いまだにキスとかもしてない清い交際を続けているのが嫌になったかな、なんて考えていると、ジークはゆっくりと話を続ける。


「半年間一緒に過ごしてきてすごく幸せで、ソラティの事をもっと知りたいと思うようになっていったんだ。

それに、特殊な生まれの事を気にしていたオレの不安な気持ちをソラティが全部癒してくれた。本当にありがとう。」

「ジーク・・・・・・。」

「ソラティの恋を知っていく度に好きになっていって、オレの中でソラティと一緒にいたいという思いが強くなってきたんだ。」

「私もジークと一緒にいて楽しいし、知らないことを一杯教えてもらったわ。」

「ソラティ、オレと一緒に生きてくれないか。」


 ジークはその言葉とともにツタと青いバラで作られた花冠を私の前に差し出した。

その花言葉を理解して私は涙があふれてきて、その花冠に触れる。


「私、私もジークと一緒に生きていきたい。そして、ジークの恋を最後まで知っていきたい。」

「オレもまだまだソラティの恋を知りたい。最期の時までともに生きていこう。」


 そう言ってジークは私の頭の上に花冠をのせてくれて、そのあとダイアモンドがはめ込まれた指輪を私の左手の薬指にはめて小さな声で愛してるとささやいてそっと口付けられた。


「ん・・・っ。」


 触れるだけの口付けをして、ジークの顔が離れるとその頬は赤くなっていて。

私はうれし泣きを止められずそのままジークに抱きついて、泣き続けた。左手の指輪の輝きと花冠の花言葉に胸がいっぱいになった。



ツタの花言葉は永遠の愛。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ