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ダンバサダーオブアビス

作者:塩味ななと
最終エピソード掲載日:2026/06/10
世界同時配信ドラマとして社会現象となった問題作『ダンバサダー・オブ・アビス』。それは後に、“現実”と酷似していたと語られる物語だった――。

地球と酷似した星で、突如として日常は崩壊した。人類から睡眠欲が消え去り、世界は未知の「ダンジョン」へと侵食されていく。
政府はダンジョンを「完全に管理された安全なもの」として偽装し、攻略者たちにマニュアル通りの探索を強要していた。しかし、幼い頃にダンジョンで死の淵を彷徨った主人公は、その虚飾に気づいていた。彼には、政府のデータベースには存在しない未知のスキル『イフストーリー』が宿っていたのだ。命の危機に瀕する選択の直前、思考の残滓として警告を発するその力は、彼に「政府に従えば死ぬ」と確信させていた。

政府の育成プログラムに組み込まれ、借金と引き換えに用意された「ピカピカの装備」と「安全なルート」。息苦しいほどの虚偽に塗れた世界の中で、彼は一人のベテラン探索者・グエンと出会う。彼と共にルートを外れた先で見たのは、煙玉の裏側に隠された異常なマナの暴走と、消滅せずに生々しい肉塊を残す本物のモンスターだった。血と鉄の匂いが立ち込める深淵こそが、ダンジョンの真実だったのだ。

「君の才能を、政府のために役立てる気はないか?」
異常なペナルティ訓練を越え、政府から都合の良い戦力として勧誘された時、ついに『イフストーリー』が完全な覚醒を果たす。
彼が選んだのは、計算された安全な未来ではなく、自らの命を懸ける自由な冒険だった。

「俺がやりたいのは、俺だけの冒険なんですよ」

これは、作られた枠組みを壊し、狂気と深淵の底で「本物の生」と「絆」を掴み取る一人の男の物語。未知の周波数に惹きつけられた者たちが、今、本当のダンジョンへと歩き出す。
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