表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/13

第十三話 煙草


 瓦礫と化した猿組事務所の現場検証から戻った桃太郎は、警察本部庁舎の裏庭で煙草をくわえた。敷地内は禁煙だが周囲には誰もいない、そう思っていた。後頭部に銃口を突きつけられるまでは。


「……探しましたよ刑事さん、組対のフロアに居なくて困りました」


「誰だお前」


「……いけない刑事さんですね、公共機関は全面禁煙じゃなかったですか?」


「誰だと聞いている」


「……せっかくですから火をお点けしますよ、俺のライターでね」


「あいにくだが間に合っている」


「……そうそう、刑事さんにお土産があるんですよ」


 バシャ。

 ゴロン……

 レジ袋に入った人体の頭部が、桃太郎の前に投げ捨てられた。

 びたような血の臭いが鼻を突く。


「……まずは白狗しらいぬ、極左組織潜入のエス (捜査協力者、事実上のスパイ) 、つまり刑事さんの手駒いぬだったんですね」


 ドシャ。

 さらに首が投げられる。


「……さるの組長です。狸ですけどね。コイツの弁明で、刑事さんの筋書きに気付きました」


 ボロン。

 グルグルグル……

 最後に投げ入れられた首は、少し転がり袋から出た。

 額に銃創あな、恨めしそうな表情でこっちを向いている。


「……新聞記者の情報屋までお仲間でしたか。キジ(記事)は『ケーン』と鳴くんですね、知りませんでした。まあ鳴かずとも撃ちますが」


「殺すのか、俺を」


「……もちろん。刑事さんを通じコイツらに、黍団子きびだんごを流していた本部の連中もね。それでは、火をお点けします」



 バン。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
この、感情がごっそり削られた鋭利なサバサバ感、北野映画みたいな読後です(教祖誕生とかこんな感じだったと)、素敵な幕切れ! ハードボイルド小説だと思うのですが、キャトルミューティレーションで肉仕入れ…仕…
ああ、美味い。紫煙が苦味走る終劇でした。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ