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ミニポン  作者: はんすけ
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第5話 これが梅雨だよ

 雨粒で幕之内一歩の真似をしてごらん。雨粒をジャブでゲットするんだ。ほら、あなたの前方だけ視界が良くなったね。これなら見えるでしょ。そこでボーっとしているのが、ミニポンだよ。

 ミニポン、ボーちゃんよりボーっとしているね。やることがないんだね。雨ばっかりだから、しょうがないね。

 おや? おやおや? ああ! なんてことでしょう! ミニポン、胸からモヤシが生えています! 最初はギャランドゥかと思ったけれど、モヤシだね、これ! ジメジメしてるから、しょうがないね。

 ミニポン、鏡の前に立ってみます。はい、ポーズ! うん、自分の容姿が気に入らないね。人間と一緒だね。

 ミニポン、胸のモヤシを抜く決心をしたようです。脱毛時代だね。それじゃあ、抜いてみよう・・・・・・なに? モヤシを抜いたら血が噴き出すんじゃないかって? 大丈夫。無痛のコンテンツだよ。ミニポンには出血の概念が無いんだ。ほら、そんなことを言っているうちに、モヤシが抜けたね。出血どころか痛みすら無かったね。良かったね。

 う~ん、デリシャスな香り。これは良いモヤシだね。ちょっと炒めて食べてみよう。

 いただきます。

 ムシャムシャ、ムシャムシャ。たまげちゃう程、美味しいね。調味料は何も使っていないのに、カレーの味がするんだ。これは凄いモヤシだぞ。

 ミニポン、ポンっと手を叩きました。そうして、友達のミニポンたちに念を送ります。

 『すぐに来て』

 友達のミニポンたち、すぐに来ました。

 ミニポン、友達のミニポンたちにお願いします。ボーっとしていて、とお願いします。みんな優しいから、お願いをきいてあげます。

 ボー・・・・・・ボー・・・・・・。

 みんな、胸のモヤシがボーボーになりました。さっそく、全部抜いちゃいます。

 みんなのモヤシを流通します。沢山のモヤシが沢山のミニポンに届きます。

 こうして、ミニポンは億万長者になりました。

 フードロスが発生しても、構わずモヤシの流通を続けます。ミニポン、増々富を得ます。笑いが止まりません。

 おや、梅雨の晴れ間から誰かがやって来るぞ・・・・・・オレンジ色のミニポンだ! オレンジ色のミニポンが自分探しの旅から帰ってきたぞ!

 帰ってきて早々、オレンジ色のミニポン、びっくりしちゃいます。友達のミニポンたちが、ベルトコンベアに乗せられ、胸にモヤシを生やしては抜かれ、生やしては抜かれ、生やしては抜かれ、モヤシを生産する道具扱いされているからです。そうして、友達のミニポンたちはみんな、死んだ魚の目をしています。

 怒ったオレンジ色のミニポン、ミニポンのモヤシ御殿に単身で乗り込みます。

 御殿とは言ってもワンルームです。オレンジ色のミニポン、すぐにミニポンとご対面です。

 ミニポンのそばにはデカいミニポンがいます。ボディガードを雇ったようです。

 デカいミニポン、ムキムキです。ジムで作った筋肉ではありません、戦場で作った筋肉です。筋肉だけならまだしも、マシンガンまで装備しています。オレンジ色のミニポン、絶体絶命・・・・・・なんてね。大丈夫。無痛のコンテンツだよ。マシンガン、全部かりんとうで出来ているんだ。だから弾なんて出ないんだよ。

 オレンジ色のミニポンとデカいミニポン、一緒におやつタイムです。マシンガンのかりんとうを、ザクザク、ザクザク・・・・・・はい、ごちそうさま。

 オレンジ色のミニポンとデカいミニポン、すっかり仲良しです。

 後はミニポンをやっつけるだけだ、ということで、オレンジ色のミニポン、怒りのオーラを発します。友達のミニポンたちの死んだ魚の目を思い出すと、怒りのオーラが強まります。そうして、オレンジ色のミニポンの毛が黄金色に輝きました。スーパーミニポンです。

 スーパーミニポンの圧倒的な戦闘力を感じ取っているけれど、ミニポン、徹底抗戦の構えです。富が惜しいのです。手に入れるのと同じくらい難しいのが、手放すということなのですね。

 ああ! ガチンコのファイトが始まっちゃう! 無痛コンテンツなのに・・・・・・なんてね、心配ご無用! ミニポンは人間よりずっと知能が高いんだ。だから、暴力でしか解決できないようなシチュエーションでも、暴力以外の解決策を見つけるのさ。

 スーパーミニポン、ミニポンの手を優しく握ってあげます。そうして、涙を流しながら、ミニポンの目を見詰めます。

 スーパーミニポンの心が、ミニポンに伝わったよ。ミニポン、泣いているよ。

 そうして、川が出来ました。

 モヤシ御殿もベルトコンベアも、全て流されました。

 ミニポン、友達のミニポンたちに謝ります。みんな、許してくれました。

 みんな、友達です。

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