強さ
「あんた、もうこんな事はやめようよ。元のキンナムにもどっておくれよ」
アルミスは、アポロスに語りかけた。
「アルミス……」
「あんたが妬む気持ちはあたいが良くわかるさ。でもね、妬んでも、何も得られないの」
「でも、私は強くなっている」
「あんたは何も強くなっていない。財力だって、元はあなたのものじゃない。そして、その強さは怪しい儀式の力。本当の強さじゃない……」
「私は……」
アポロスは、両手で頭を抱え、考え込んでいた。
二人のやり取りを見ていた俺は、無性に腹が立った。これではまるで、俺が悪役じゃないか!
だが、アポロスの罪が消えたわけじゃない。
「アポロス、どうする!」
俺は、刀の切っ先をアポロスに向けた。
その時だ! アポロスとアルミスは、急に苦しそうな声を上げて倒れ込み、膝をついた。
「俺はまだ何もしてないぞ!?」俺は刀を下げ、周囲を見回した。
すると、アポロスパーティーの兵達も、同じようにバタバタと倒れ始めていた。
ファリスが俺の所へ駆け寄ってくる。
「大将、様子が変っス」
ファリスは無事なようだ。
「何が起こってる……メイデンは?」
「ソエルを呼びに行ったっス」
「そうか……」俺は、視線をアポロスに向ける。すると、アポロスに近付いてくるスライムのような白い物体が視界に入った。「何だあれは?」
その物体は、ゆっくりと人の姿を形成する。




