名前はハピィ
鳥人間に、シャツを無理やり着せてみた。
シャツを着た鳥人間は、落ち着くと「ハーピ、ハーピ」と、嬉しそうに羽を羽ばたかせながら鳴いていた。どうやらシャツが気に入ったようだ。
「とりあえず、鳥人間って名前じゃ呼びづらいな……そうだ!」俺は、鳥人間を指さし「お前の名前は『ハピィ』だ!」と、名前を付けてあげた。
「ハピィ?」
「そうだ、ハピィだ!」
「ハピィハピィハピィハピィ……」ハピィは、羽を小さく羽ばたかせて喜んでいた。
この場は一段落した。だが、この地下空洞から 出なければいけない。そこで俺は、羽をもっているハピィに一つ頼みごとをしてみた。
「ハピィ、俺をここから地上に引き上げてくれるか?」
ハピィは困った表情で、考えていた。
今度は、ジェスチャーで必死に伝えてみた。
「ハーピィ……ハーピッ!」
突然ハピィは、羽で胸を叩き、任せてくれとでも言っているような態度を見せた。
「ジェスチャーで、わかったのか!?」
ハピィは突然俺の肩に飛び乗り、肩を両足で鷲掴みにして強く羽を羽ばたかせる。
俺の体は、宙に浮いた。そして、天井の穴を目指す。
爪が肩に食い込み、かなり痛い。鷲に捕獲される動物の気持ちがわかる気がした。
「痛い痛い痛い……」
俺は、痛いと連呼したが、ハピィは聞いてはくれなかった。
俺とハピィは、天井の穴を上手くすり抜け、地下空洞の外に出た。




