地下空洞
俺は、5メートル程の高さからに落ちたようだ。雪がクッションになって、大事に至らずに済んだ。
崩れた天井から、わずかに光が差していた。その光のおかげで、俺の周囲は明るかった。
所々に、天井から張り出す木の根が見える。おそらく、その根は天井の土を支える柱の役目を果たしているのだろう。
ここは自然の地下空洞のようだ。
少々、土の臭いが鼻に付くが、ウォームリングが無くても大丈夫なぐらいの暖かさがある。とりあえず、凍死の危険は無くなった。
今、俺のやるべき事は体の回復だ。
まだ、手が少し動かせるだけで、体は痺れて動かない。
だが、しびれ薬の効果は弱くなっているようだ。
俺は、体の動く箇所をリハビリのように動かし、回復を試みた。
リハビリの最中、手が腰の辺りに触れた。その時、俺は違和感を感じた。
ある筈の霊剣ファントムの感触が無い……ここに落ちる前はあった筈だ……。
俺は、慌てて周りを見渡した。すると、俺のいる場所から5メートル程離れた所に霊剣ファントムを見つけた。
ひとまず、武器がある事がわかった俺は安心した。
だが、今の俺ではその5メートルは限りなく遠い……早く動けるようにならねばと、俺は回復に専念することにした。
リハビリを開始してから数分後、奥の暗闇からまるで布団を広げるかのような物音がした。
その不気味な音は、どんどんこちらに近付いて来る……。




