消失
俺は急いで、バーニングインフェルノの射程から遠ざかる。
魔女の体は炎の球体に飲み込まれ、炎の渦で燃え盛った。
「私を殺せば支配の効果はなくなるのよ! どう、取引しない?」
それが魔女の最後の言葉だった。だが、その言葉は俺の心には届かなかった。
「悪いな、それはもう必要ないんだ……消えてくれ……」
「イィィヤアアアアアア!」
魔女は悲鳴を上げて炎上し、消し炭になった。
俺に戦闘経験があったなら、もっと早く勝負をつけることができただろう……。こんな状況を招いたのは、俺の失策のせいだ。
突然、俺の持っていた霊剣ファントムが重くなる。俺は、その重さで倒れそうになり、片膝をついた。
仲間銃の効果の消失……それは武器への効果も例外なく消失した、ということだ。
俺は、霊剣ファントムに『お疲れさま』と、心の中でつぶやいた。
腕の冒険者リングが虹色に輝く……任務は達成したようだ。
メイデンとファリスは、正気を取り戻す。
「あれ……私、なぜ師匠と戦って……」
「正気ニ戻ッタデスネ! メイデン!」
ソエルは、メイデンに抱きつき、喜んでいた。
「あ……魔女はもしかして、あっしの攻撃でくたばったっスか? タカシっち」
「ファリスさん、お手柄です。それに、タカシさんも……」
ファリスとメイデンが俺に話しかけてくる。
その瞬間……俺は、仲間銃の効果の消失を把握した。




