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思考が落ち込みはじめたあたりで曲は終わり、身体を離し互いに手を取って観衆に礼。
拍手が止めば華やかでアップテンポな演奏が流れはじめる。ペアになった上流貴族たちが中央へと集まり、慣れた様子でゆるゆると踊りだす。
初めまして。あんスタ大型ユニット併せにて真白友也で参加させていただきます、百瀬と申します(´ ˘ `∗)もし差し支えありませんでしたら、フォローさせて頂きたいのですが、宜しいでしょうか?ご検討よろしくお願い致しま
ターンのたびにドレスの裾がふわりと踊る。シャンデリアの明かりを受けて麗しい婦人や清純な令嬢たちの装飾品たちがキラキラと輝く。
映画のワンシーのようで、とても美しい光景だ。
見とれていたわたしはレジナルドに手を引かれて、踊る人々の間をするすると抜け、ダンスの輪から脱出する。テラス近くの壁際までくると、いつのまにか手にしていた飲み物を渡してくれる。
「疲れたか?」
ベリーの果実水がするりと喉を滑る。次第にダンスの興奮と、動揺する鼓動も落ち着きを見せた。
「少しだけ。でも楽しかったです」
ダンスは苦手だったけれど、強引にリードしてくれたおかげで、安心して踊ることができた。社交辞令など一切ない素直な気持ちを、自然と浮かぶ笑顔にのせて返す。
「そうか、よかった。俺も初めてだったからな、緊張したよ」
安堵したようにレジナルドが笑って、照れくさそうに、ボソリと漏らす。
「とてもそんなふうには」
言ってから「あ、」と気が付く。王族に言うには馴れ馴れしすぎた。
しっかり聞こえていたようで、苦笑を浮かべていた。
「俺はそういう教育を受けているからな」
「ご、ごめんなさい」
「いや、いい。俺は狭量な男ではないし、ファーストダンスをもらったからな。余るくらいだ」
はじめてきく言葉に首をかしげると、嫌そうでも自慢するようでもなく教えてくれる。
「はじめての社交なんだろ?公爵令嬢ならば、家主催で披露パーティを盛大に行う。会場の中心で1ペアだけがダンスを招待客に披露する。それがファーストダンスだ。その家の次世代の紹介になるからな、どの家もチカラをいれるらしい。本人達にとっても今後を左右する一大事だしな」
「はぁ、なるほど」
どうせ魔法をある程度覚えたら、平民の生活に戻る。今日は社会科見学のようなものだ。案外面倒見がいいのか丁寧に説明してくれたレジナルド殿下には、申し訳ないが、これから平民として暮らしていく私には関係のない話だった。
「お前、俺の婚約者になるつもりはないのか?」
「まあ、ファーストダンスの相手が俺だなんてこれ以上名誉なことはないから。それで満足する気持ちもわからんでもないがな」
「え?いや、ルイに魔法を習ったら、故郷で平民として暮らすので関係ないかなって」
「は?」
「え?」
「貴族にはならないのか?」
「はい、両親が待っておりますので」
「すまないことをした。貴族たちの前でお前が貴族であると公表し、懇意であると、先ほどのダンスは意味しているんだ。そのために選択の余地を与えたのだが……、その、すまない」
「えっ、だ、大丈夫ですよね?」
「ルイに自衛のための魔法も習うといい。ほとぼりが冷めるまでは護衛や草をつけてもいい」
「……はい」
ルイ、ユーリ登場
「レジナルド。そろそろ挨拶を」と別れることに。
「とにかく、楽しい思い出ができました。ありがとうございました、殿下」
「まぁ、俺はリードが上手いからな。気が向いたらいつでも王城に来るといい。お前ならいつでも相手してやる」
悪戯っ子のように、こっそりと笑うレジナルドに、胸が跳ねる。
レジナルド殿下、ユーリの姿が人波に消えのを見届ける。無意識のうちに気を張っていたのだろう、ふぅとため息が漏れる。
すると気遣ってくれたのか、ルイがテラスにいこうと提案してくれる。実際とても疲れたし、人目の少ない場所で休みたいので、2人でテラスへと向かった。
「……帰るつもりはないのか」
遠くに見える城下の灯りを眺めながら、ルイが真剣な声音でたずねてくる。
先ほどレジナルド殿下も言っていたファーストダンスのことだろう。
「ううん、治癒術を1人で扱えるようになったら帰るつもり。できたら治癒術の教本をできるだけ持っていきたいと思ってるの。故郷に戻っても、魔法の勉強は続けるよ。それで沢山の人の怪我を治したい」
「そうか。それは……いい志だな」
しばしの沈黙ののち、ルイに「なぁ、」と声をかけられる。その目は城下ではないどこか遠くを焦がれるように見つめている。
昔でも、思い出しているのだろうか。
「お前の故郷はどんなところなんだ?親御さんはどんな人なんだ?」
深刻そうな顔つきをしたくせに普通の質問だったのを驚きながらも、故郷のことをきかれるのは嬉しくて、つい沢山話してしまった。
けれど、ルイは嫌な顔をすることはなく、珍しく穏やかな表情でただ頷いてきいてくれていた。
「お前は愛されているんだな、たくさんの人に。だからこそ魔素がそれほどまでに透き通っているのかもな。ーーそうだ、俺も聞いた話なんだが、お前の母親が社交界にいた頃の通り名を知ってるか?」
「もしかして、サントラムの宝石?」
「何だ、知ってたのか」
「サントラム家の令嬢をそう喩えただけでしょ?」
「そんなわけあるか。サントラムの宝石っていうは、社交界ひいては我が国の貴族が大切に守っていくべき存在を指しているんだ。サントラム家の令嬢がみんなそうだったわけじゃない」
「それはどうして?」
→なぜか馴れ初めや、出会う前の父と母の話をきいたことがないのに気がつく。
「それはーー」(理由は、教会で語られる。上品で容姿端麗、文武両道、人柄、血筋全てが最高。王家に嫁ぎ優秀な次代王を産み、なんやかんや国を救う令嬢である。数代前では、大国の第二王子に嫁いだことも。ルーシアの母もそうなる予定であったがー近衛騎士の父と出会い〜以下略)
「全く感心しませんね、あなたたたち。公爵家としてのご自覚がたりないのでは?」ユーリ登場。
チッもっとききたかったのに。帰ったら父さんと母さんにも話をきいてみよう。ここまで知れば教えてくれるだろう。
しばらく話したところで、ユーリが注意に来る。→どうして言い返せなかったんだろう?→前世のいじめ経
リルが慌ててやってきて、突然の両親の訃報をきく。
ユーリの手配で一時帰宅し、翌日3人で故郷へとむかう。
町の教会で、両親の亡骸と一晩過ごしたのち、葬式。
土葬文化だが火葬にし、両親の指の骨だけひろい、墓を立てる。
→一番多く触れてくれた場所だから。
前世・今世での両親との突然の死別。
ユーリの提示
このまま平民として生きるか、サントラム家令嬢として生きるか