惹かれる
ギルドを後にし、商業地区とやらに向かう。
商業地区、そこはあらゆる物が売られている地区。武器、防具は勿論、食べ物、調味料なども。
店をひやかしながら歩いて行く。
目的は塩!胡椒も有ると嬉しいな。
一件の武器屋に目が止まる。
店構えはボロボロ。
だが、何か惹かれる。
扉を開き、店に入る。
並べられた剣や槍、斧なんかも置いて有る。
どれも実用性重視の無骨な物だが、一本の剣にとても惹かれた。
こいつが呼んだのかと思うほど、俺の意識は、それに釘付け。
剣と呼ぶには、それは異様であった。
見た目は、大きな鉈。
普通の鉈の2.5倍程の長さに、厚みは五センチはあろうか。黒く怪しく、厨二病を掻き立てる。
突きには全く向かず、薙ぎ払う事に特化したようなその武器。鞘も無く、ただ立てかけられたその物は、片隅に隠れるように置いてあった。
その武器の前で見入っていると、
「その大鉈に興味お有りですか?」
店の従業員が声をかけてきた。
「これは?」
俺が尋ねると、
「先代が入手したものでね。デカくて重いけど、頑丈な上に斬れ味も良いんですが、何しろ変わった形なので、全然売れなくてね。気に入って頂けたのなら、お安くしますよ。」
ちなみに値段は、金貨1枚。
なんかカッコ良いし、買おうかな。
「鞘は無いの?」
と聞くと、
「先にいくにつれ、太く大きくなるので、鞘には収まりませんので。」
なるほど、納得だ。
毛皮で袋でも作って、入れて置こうかな。
「なるほど、これを収納する容れ物が欲しいと?」
こう言うのは、皮屋の主人。
俺は武器屋で購入した大鉈を見せている。
武器屋のオーナーから、皮屋を教えてもらい、大鉈を納める袋を作ってもらう為だ。
「ただ収納すれば良いというなら、直ぐに作れますよ。どんな皮でどんな感じとかあります?それによって費用が変わりますが。」
なるべく丈夫な皮が良いだろう。重さもあるし、刃が当たって中から破れても困るし。
そう伝えると、
「先が太いので、そこで固定できるような作りにして、柄の部分は、口が大きく開いたままにしておきましょうか。」
なるほど、それなら咄嗟に抜きやすいかも。




