定番
「毛皮?」
「はい、この街に来る時に、何匹か狩りましてね。毛皮を剥いできました。」
「わかりました、買取カウンターはあちらですので、そこに持って行けば買取致します。」
酒場とは逆の方向を指差して、お姉さんが教えてくれた。
ありがとうとお礼を言い、ロバに積んで置いた毛皮を持って、再びギルドに入り、買取カウンターに向かおうとすると、
「おい!ガキ!どこからそんなに毛皮をクスねてきやがった!」
ああ、出たよ定番が。
声の方を向き顔を見ると、筋肉の塊に、豚の顔を着けたような、いかにも脳筋のバカっぽい男と、その後ろに、根性曲がりまくった顔をした、ハゲジジイがいた。
「クスねてきたとは、失礼だな。これはこの街に来る前に、俺が倒したものだ。」
一応、こう答えたが、多分無駄なんだろうな〜
「嘘つけ!お前みたいなヒョロいガキに、グレイウルフや、マッドベアが倒せるもんかっ!マッドベアなんざ、ベテラン冒険者が10人がかりで討伐するような魔物だろうがっ!俺様が、その毛皮を貰ってやる代わりに、クスねたことは黙っててやるから、さっさと毛皮置いて帰れ!」
ニヤニヤ笑うバカ。
後ろで儲かったとほくそ笑むジジイ。
これ、殴っていいのかな?いいよね?
「バカにやるつもりも、置いて帰るつもりもない。寝言は、寝てから言え!このボンクラ!」
見た目は若い俺に、こう言われた脳筋は、顔を真っ赤にして、いきなり殴り掛かってきた。
ヒョイと避けて足を引っ掛けてやると、見事なくらいに地面とキスをしたバカ。
後ろのジジイは、こちらを睨んでる。
「このガキっ!殺してやる!」
腰の剣をバカが抜いた。
「殺してやると言って、剣を抜く。それは、自分が殺されても文句は無いという事でいいか?」
俺はいかにもなセリフを言ってみる。
「死ぬのは手前だっ!」
バカが、剣を振り上げ俺に向かって降ろしてくる。
筋肉に力を入れ過ぎて、スピードが全くない。動かない木を切るのとは、訳が違うと教えてやろう。
剣を避け、相手の懐に入り、ショートソードの柄の部分で、バカの顎を殴る。
軽く殴ったので、顎は砕けはしないが、脳が揺さぶられ、身体の自由が効かなくなる。尻餅をついたようにバカが倒れ、ジジイが焦ったのか、俺に向けて魔法を唱えだす。
今から唱えても遅いだろ。
ジジイの前に一瞬で移動し、同じようにジジイを殴った。
ジジイは失禁して倒れる。
「臭えぞジジイ、後で掃除しとけよ。あと、そこの筋肉!殺されたくなければ、土下座して謝れ。」ショートソードを筋肉バカの目の前に出し、睨みつけると、ガタガタ震えだし、失禁した。
「俺は謝れと言ったんだよ。」
また、身体がいうこと効かないかな?
まあいいか、さっさと毛皮売って、塩買いに行こう。




