プロローグ
先に見せ場と落ちは決まっているので、それに向けていい感じにストーリーを作れるよう試行錯誤しながら書いてくつもりをしています。
適当なペースで続けますが、そこそこお話は長くなるつもりです。
とにかく自分の癖を詰め込んだ作品にするつもりなので、良かったら暇つぶしでもしていってくれると嬉しいです。
※真夜中に書いてるので誤字脱字はお許しを~
後ろからは仲間たちの苦しげな呻き声。
今この場に立っているのは私だけだった。
「どうして……こんなことに……!」
思考を巡らせ打開策を模索するが、今の私では状況を打開する方法はない。
「せめて……今できる最善を!」
倒れている仲間は3人。
今最優先で治療すべきは致命傷を負っているルインだ。
ただ、治療を悟られてはこの状況を変えるのは難しい。
ここですべきは、魔王を欺きながら意識を私へ向け続けること。
そして、仲間の治療を悟らせないこと。
「エリアヒールッ!!」
ヘルムの奥から、何者の穢れも寄せ付けぬ白銀の髪を流しながら、高らかに治癒の詠唱を響かせる。
広範囲へ絶え間なく癒しを与える大魔法――だが消耗は激しく、通常なら実戦投入など論外。
だが、この領域の中で、私は不落の騎士となる。
「この範囲内では、どれほど傷つこうと私は止まりません。さあ――貴方に私を殺せますか?」
槍を構える。
怖い。
死ぬのが怖い。今すぐ意識を手放してしまいたい。
このまま自分だけ逃げて楽になってしまいたい。
震える指先が、その本音を何より物語っていた。
だが――。
私が憧れた騎士は、こんな場所で膝を折らない。
救える命があるのなら。
守るべき誰かがそこにいるのなら。
たとえ、その果てに自らの命が砕けようとも、最後まで前に立ち続ける。
震える手を無理やり押さえ込み、私は全身全霊で虚勢を張る。
ヘルムの奥から覗く深紅の瞳は、奈落の底でも燃え続ける灯火のように揺らがない。
「よかろう。弱者が滅びの間際に何を見せるのか、興味が湧いた。」
背後を確認する。倒れた仲間たちの荒い呼吸が微かに続いている。
ならば、私が立っている意味はある。
魔王はゆっくりと大剣を構えた。
「面白い。貴様一人で、どこまで耐えられる?」
直後、視界が揺れる。
轟音。衝撃。
咄嗟に槍を構えた両腕が悲鳴を上げる。
重い。
まるで山そのものを叩きつけられたようだった。
だが、幾度も受け続けたことで、徐々にその動きが見え始めていた。
「っ――!」
石畳が砕け、靴が地面を滑る。
それでも退かない。
退けば後ろの仲間へ届く。
腕の骨が砕ける。
だが次の瞬間には治癒の光が無理矢理それを繋ぎ止め、私は再び槍を握る。
エリアヒール――この領域にいる限り、私は倒れない。
いや、倒れられない。
「ほう?」
魔王が愉快そうに目を細める。
「ほう……痛みを無視しているのではないな。」
返答の代わりに踏み込む。
槍先が閃き、喉元を狙う。
当然のように弾かれる。
ならばそれでいい。
時間さえ稼げれば。
一撃ごとに骨が軋む。
癒しが追いつくたび、再び身体を前へ押し出した。
何度弾き飛ばされても立ち上がる。
魔王の意識を、ただ私一人へ縫い付け続ける...。
轟音と衝撃だけが、途切れることなく戦場へ鳴り響いていた。
どれほどの時間、そうして立ち続けていたのだろう。
もはや、時間の感覚など失われていた。
全身を激痛が駆け巡る。
もはや、手の感覚はとうに失われていた。
それでも――槍を下ろすことだけは許されなかった。
「くく……何か企んでいるな? 良い、その悪足掻き――最後まで見せてみろ。」
最初からすべてを隠し通せるとは思っていない。
それでも、あと少しだけ時間が必要だった。
直後。
――ツー……。
鼻先から、赤い雫が静かに零れ落ちた。
「――ごはッ!」
次の瞬間、堪えきれず血を吐き出す。
(……もう、限界だというのですか……?)
絶え間なく治癒を続けた代償は、確実に私を蝕んでいた。
ヒールによって肉体の損傷は修復できる。
だが、酷使し続けた脳そのものまでは癒せない。
視界が揺れる。
思考が霞む。
それでも――まだ身体は動く。
砕けそうな意識を無理やり繋ぎ止める。
「みんなが私に居場所をくれたんだ!!」
自身を奮い立たせエリアヒールが切れないよう神経を注ぐ。
仲間がもう一度立ち上がれるように......。
「……ここまでか。まあ良い。この我を相手に、ここまでの時間をたった一人で戦い抜いたこと――褒めて遣わそう。」
魔王は静かに剣を構えた。
「礼だ。貴様は苦痛を味わう暇すらなく、あの世へ送ってやろう。」
次の瞬間――。
◇ ◇ ◇
ここまで読んでくださりっ感謝・感激・雨アラモード!
……はい。
プロローグのシーンは物語中盤の見せ場のヒロイン視点になります。
この作品の革新部分を見せず、ギリギリ見たいと思えるようなプロローグを
どうやって書いていくべきか悩み今回の結果となりました。
次回以降はこのシーン到達までの過去をゆっくり書いていくつもりです。
良ければまた読んでくれると嬉しいです。
普段はVRChatしながら書いてます。良かったらそっちでも遊んでね!




