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生霊の話 その1
こんにちは、紫雀です。
私が短大生の頃のお話です。
学生時代に、私、演劇部と漫画研究会に所属していました。
演劇部時代のあだ名は当時はやっていた漫画の「パタリロ!」
ゆえに、部員からは「パタちゃん」と呼ばれていました。
演劇部はまじめな部で、夏休みに合宿がありました。
短大にある学生会館で自炊し、寝泊りする合宿だったのですが、
合宿当日、部員全員が集まってから、食料が足りないことが発覚。
私の大好きなK先輩(女性)と一緒に食料の買出しに
出かけることになりました。
授業がある日なら、駅まで送迎のバスが出ていますが
夏休みにそんな物はありません。
「先輩、バスがありませんよ。どうやって下の町まで行くんですか」
にっこり笑って先輩は言った。
「パタちゃん、それはもちろん、歩いてよ。」
えーっ、マジすかここは……山の上なんですよ~。
あの坂を降りて、また、上って来るの?
なんだか、想像するだけで、買い物に出る前から疲れる私であった。
続く