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銃で戦うダンジョン探索  作者: トロロ将軍
14/14

連携

剣淵ダンジョン2階層。

俺たちがパーティーを組んでから30分ほど経過しているが――


「これ、かなり効率いいな」


正直、想像以上だ。

今までは鉄の剣が数本溜まるたびに一度帰還していた。

だが、今は違う。


「白石さん、あとどれくらい入る?」


「えっと……まだ余裕あります。あと、10本くらいは大丈夫です」


「マジか、本当にすごいな!」


思わず笑う。


「じゃあ、もう少しペース上げるか」


「は、はい……!」


白石さんの返事も、最初より少しだけしっかりしてきた気がする。

その時だった。


「……来るな」


前方の通路から複数の足音が聞こえる。


「ゴブリン……3体、です」


白石さんが小さく報告する。


「OK」


俺はHK416を構える。


距離は25m。

だが――


「盾持ち混ざってるな」


1体が盾持ち。

残り2体は鉄の剣持ち。


「どうしますか……?」


少し不安そうな声。


「問題ない」


俺はセミオートで1体目の剣ゴブリンに照準を合わせる。

引き金を引き頭部を撃ち抜く。

すぐに横へスライドし、2体目も処理。


残るは厄介な盾持ち1体。


「……来るぞ」


ゴブリンが盾を構えたまま突っ込んでくる。

距離が一気に詰まる。


「白石さん、少し下がって」


「は、はい!」


指示に従い後退する気配。


その間に盾持ちの足を撃つ。

そうして体勢を崩したゴブリンの頭部に一発喰らわせる

ヘッドショットを喰らったゴブリンは霧へと姿を変えた。


「……すごいです」


白石さんがぽつりと呟く。


「まぁ、慣れればね」


軽く流すが、内心ちょっと気分がいい。


「白石さん、回収お願い」


「あ、はい!」


白石さんが手をかざす。


「【ストレージ】」


周囲が光、地面に落ちていたドロップが消える。


「……やっぱ凄いなこれ」


思わず口に出る。


「そ、そう言っていただけると……嬉しいです」


白石さんの少し照れたような声を聞き、そのままさらに奥へと進む。


「……あ」


白石さんが声を上げる。


「どうかした?」


「前方……ゴブリン、5体です」


「5体か」


少し考える。

さっきまでとは違い、数が多い。

しかも――


「盾持ち2か」


面倒な構成だ。


「……どうしますか?」


白石さんの声に少し緊張が混じる。


「ちょっと試すか」


俺はHK416の切替レバーをフルオートに変更する。


「え……?」


「そのまま見てていい」


一歩踏み出す。


ゴブリン達がこちらに気付き、動き出す。


「行くぞ」


引き金を引く。


毎秒12発の弾幕を受け、先頭のゴブリンが一瞬で霧に変わる。

それを見た俺は銃口をそのまま横に薙ぐ。

盾持ちが防ごうとするが――


「押し切る!」


連射の圧で体勢が崩れたところに弾が当たる。

残り3体。

素早く弾倉を入れ替え、再び残りのゴブリンへフルオートで射撃する。



そうして全てのゴブリンが霧に変わったのを確認し、俺は肩の力を抜いた。

銃声で騒がしかったダンジョン静まり返るのを感じる。


「……す、すごいです……」


後ろから震えた声が聞こえる。

振り返ると、白石さんが完全に固まっていた。


「えっと……今の……」


「フルオートで殲滅してみた」


「ふ、フルオート……」


理解が追いついていない顔だ。


「まぁ、弾はめっちゃ減るけどな」


弾倉を確認する。


「……やっぱり効率は悪いよなぁ」


苦笑する。


「で、でも……あの数を一瞬で……」


「まぁ、複数戦には強いかな」


正直、さっきのはかなり楽だった。


「回収をお願い」


「あ、は、はい!」


【ストレージ】で回収。


鉄の剣が2本。

魔石5個。


「……うまいな」


今日の稼ぎに自然と口角が上がる。


「……あの」


白石さんが恐る恐る声をかけてくる。


「ん?」


「私……何か、できることありますか?」


少しだけ真剣な声。


「今のままだと……運ぶだけで……」


「それだけでも十分すぎるけど」


「でも……」


言葉を続けようとする。

確かに、戦闘せずにただ運搬するだけ、それに対して思うところもあるだろう。

その気持ちは分かる。


「……じゃあ」


少し考えてから言う。


「敵の位置、教えてくれる?」


「え?」


「さっきみたいに、“何体いるか”とか“どこにいるか”」


「あ……」


白石さんが少し目を見開く。


「それだけでもかなり助かる」


実際、かなり助かっている。

1人ではどうしても死角ができてしまう。

視野が広がるのは大歓迎だ。


「……わかりました」


白石さんは小さく頷く。


「やってみます」


その声には、さっきよりもしっかりした意志があった。

その後の探索は、さらにスムーズだった。


「前方、ゴブリン2体です」


「OK」


パンッ、パンッ


終了。


「右側の通路、足音……多分3体です」


「了解」


先制して処理。

そして回収。


「……いいなこれ」


思わず呟く。

戦闘とサポート。

役割がハッキリしている。


「パーティーってこういうことか」


今までソロだった俺にはなかった感覚だ。


「……あの」


白石さんが少しだけ前に出る。


「はい」


「その……足、気をつけてください」


「ん?」


「段差、あります」


「おっと」


言われて気付く。

確かに見落としていた。


「ありがとう白石さん」


「い、いえ……」


「……」


少しだけ静かな時間。

だが、嫌な沈黙じゃない。


「……俺たちいい感じじゃない?」


ぽつりと呟く。


「え?」


「このパーティー」


白石さんが少し驚いたようにこちらを見る。

そして――


「……はい」


小さく、でもはっきりと頷いた。


戦闘は俺。

運搬と補助は白石さん。

まだぎこちないが、それでも確実に噛み合っている。


「これなら……もっと奥も行けるな」


自然とそう思える。

剣淵ダンジョン。

その奥へ。


「行こうか」


「……はい!」


少しだけ力のこもった返事。

その声を背に、俺はさらに奥へと進む。


このパーティーなら――

もっと強くなれる。

そう確信しながら。

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