第10話
660:
サセルモノカ
663:
サセルモノカサセルモノカサセルモノカ
664:
ココマデキテ、ヨウヤクミツケタサイコウノイケニエダ
カワイイボウヤ
ボウヤハタイセツナオウジサマ
665:
ニガサナイ
666:
ニガサナイ、ニガサナイニガサナイニガサナイ
ニガスモノカ
667:小説にあった怖い名無し
何だこりゃ!
668:小説にあった怖い名無し
何が起きた⁉︎
669:小説にあった怖い名無し
何これ荒らし!?
670:小説にあった怖い名無し
おい
671:670
悪いことは言わない。霊の影響を受けやすかったり憑かれやすかったりする自覚がある奴は、すぐにスレを閉じろ
672:小説にあった怖い名無し
>>670-671 ええ⁉︎急に何?てか誰?
673:670=279
おれは>>279を書き込んだ者だ
あのあと気分が悪くなって、塩入りの風呂に入ったり、布団で休んだりしてたけど……嫌な予感がして、つい先程スレに戻ってきた
あの時は余裕がなくて、何の警告もせずに去ったことは悪かったと思ってる
674:小説にあった怖い名無し
こいつか
279:小説にあった怖い名無し
あれ? 部屋の写真が見れない
さっきURLクリックしたけど、一面真っ黒な画像しか出てこn
280:小説にあった怖い名無し
>>279何があった‼︎
281:小説にあった怖い名無し
>>279大丈夫か!?
282:279
>>281-282
あーうん。大丈夫だった
でもしばらく落ちるわー
288:小説にあった怖い名無し
>>282 お、おう…
289:小説にあった怖い名無し
なんか、>>279に何があったのかが気になるな…
675:279
そうそれ
676:小説にあった怖い名無し
気分が悪くなったって……あのとき何があったの??
677:279
>>676
あの時は、真っ暗になったPCの画面から白い腕が出てきて、中に引きずり込まれそうになった
咄嗟に、近くにあった塩クッキーを投げつけて撃退したけど
678:小説にあった怖い名無し
679:小説にあった怖い名無し
680:小説にあった怖い名無し
681:小説にあった怖い名無し
682:小説にあった怖い名無し
683:小説にあった怖い名無し
684:小説にあった怖い名無し
…………おい1ぃぃぃぃ!!!
さっさと「ここは無言が多いインターネッツですね」って言えよおおおぉぉぉ!!!?
685:小説にあった怖い名無し
だめだ!!
イッチ今スレから離れてるんだった!幼馴染も!
686:279
まあ、直接攻撃されたのはおれだけだったみたいだけど(おれは多分、たまたま波長があったんだろーな)
でも、>>60や>>278も、“視線”は感じたんだろう?
要するに、怪異はこの掲示板の存在に気が付いていて、かつ、ある程度なら干渉することができるんだ
687:小説にあった怖い名無し
60:小説にあった怖い名無し
くびつってるひとがこっちみてるにらんでるきもちわるいはきそう
278:小説にあった怖い名無し
ひいいいい串刺し死体がこっち見てるうううう!!!
……本当だ。この二人に至っては、“こちら”から画像を見てたんじゃなくて、むしろ、“あちら”の方が目を向けてきてたんだ!
688:小説にあった怖い名無し
>>怪異はこの掲示板の存在に気が付いていて、かつ、あるていど干渉することができる
そ、それじゃあ。さっき、>>660から>>666まで続いた書き込みは…
689:解読してみた
>>688
「させるものか」
「ここまで来て、ようやく見つけた最高の生贄だ」 「可愛い坊や」 「坊やは大切な王子様」
「逃がさない」
「逃がすものか」
690:小説にあった怖い名無し
>>689
691:小説にあった怖い名無し
>>689
692:小説にあった怖い名無し
>>689
693:小説にあった怖い名無し
>>689
694:小説にあった怖い名無し
>>689
695:小説にあった怖い名無し
……まずいぞ。
あちら側(奥様)がここの存在に気付いたなら、これまでの1たちの書き込みから、その動向を知ることになる。
つまり、幼馴染たちがこれからすると言っていた行動も、もう筒抜けに……
696:小説にあった怖い名無し
イチたちは、『奥様の部屋』に行くと言ってたよな…
697:小説にあった怖い名無し
やばい
やばいやばいやばいやばいやばいやばい!!!
698:小説にあった怖い名無し
あばばばばばばばばばばばば
699:小説にあった怖い名無し
いちー!!幼馴染やメイちゃんも!!
今すぐ逃げてーーーーーーっ!!!!
700:
サアイラッシャイ、トンデヒニイルナツノムシ
オデムカエハ、シッカリトヤラセテイタダクワ
◆
「……なんか、俺がスレにいないうちに700のレスが取られた気がする。これまでキリ番は全部俺が取ってたけど、今回は取られちゃった気配がする。……ちょっと悔しい」
「あんたは何くだらないことを言っているの」
『今回、きりばん? を取ったのは誰だったんだろうねー?』
そんな会話を繰り広げながら、少年たちは廊下を歩いていた。既に化け物と遭遇することはないので、これまでと比べれば随分と気楽な道のりである。
『着いたよーここが奥様のお部屋!』
「霊の気配……は、やっぱりしないわね。誰もいないみたい」
「そんで、これがさっき俺たちが見過ごしていた“三面鏡”か」
三面鏡とは、正面の鏡の左右に、角度を変えられる鏡を一面ずつ取り付けた鏡台のことだ。屋敷が実在していた当時は高級品だったろうが、この三面鏡台は、鏡台の部分に丁寧な細工が施されている。美しい。これは現代においても非常に価値が高いと思われた。
三面鏡は、鏡を使用しない時は折り畳んでおくことができるので、今、鏡面は露出していない。
少年は、鏡面を見てみようと、三面鏡を開いた。
その時だった。
「「「ーーーーっ⁉︎」」」
部屋の中の空気が、“変容”したのは。
開いた三面鏡からあふれ出す、おぞましい気配。身体の芯から悪寒が走る。悪寒は指先まで伝わり、手足が震え、動かせなくなった。
目をそらすことも叶わぬまま、あらわになった鏡面を見つめる。自分の顔がいくつも映り込んでいる。心のどこかで、これは鏡合わせだ、と他人事のように呟く声があった。
合わせ鏡。
オカルト的な解釈では、異界の入り口とも、霊の通り道とも言われる現象。
それが今、目の前で起こっているーー紛れも無い“怪奇”を伴って。
いくつも連なる光景。その中の一つに、存在するべきでないモノが、映り込んでいた。
ーー銃を持った大男が、少年のすぐそばに立っていたのだ。
(狩人……⁉︎)
幼馴染が少年の名を叫んだ。しかし、その直後、男は引き金を引いていた。
少年の胸を、衝撃が貫く。
「うぁ……ッ!」
息が出来ない。あらゆる神経が激痛のみを伝達し、一気に許容量を超え、ーー意識か遠ざかる。
気を失う直前、最後に視界に映ったのは、己を鏡の中に引きずり込む“白い腕”であった。
続く
「さあいらっしゃい、飛んで火に入る夏の虫
お出迎えは、しっかりとやらせて頂くわ」