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呉藍の薔薇  作者: 散花 実桜
二章  王宮編
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没話? 陛下の恋愛事情 独白

待って下さっている方も居ないと思いますが。

2ヶ月以上の間ご無沙汰しておりました。天上の呉藍がぎり先月更新されているので、微妙ですが……実は4月から放置状態だったんです!!!

やばいので、没話?でも。

発覚の後に独白が来る感じで書いていたので、前話とは繋がっていません。そして、発覚の後半部分を書き直しているので、何処ともリンクしてませんが。ああ、ここに来たんだろうなあ~と分かる方は凄い!!!




今朝の風は少し冷やっとする。

こんな朝はあの日を想い出させるから好きではない。

何処から始まりだったのかすら定かではないが、背負う恐怖だけでなく、追い落とされる危険を初めて痛感した瞬間だった。


「ラビお前の意志は固いか?」

「愚問です」

真剣にカバジートの目を見据えて返す。

後方で控えていたオルジュには、王位を問う言葉に聞こえていたが、実際は違った。

7年前城の重鎮が一堂に会する試練を前にして、カバジートは指を二つ立てた。

それは暗に選択肢が2つしか許されないと指し示すモノだった。

「我がスターニスは王に即位する際、伴侶が必要なのは知っているな?」

「はい。故に先の……ボーネ・ダティルは公爵令嬢を娶ったと聞いております」

「我々がより子孫を残す為には、公爵令嬢もしくは王族でなければなら無い理由が分かるか?」

「はい」

「なら今一度問う。お前が10の砌に見つけた娘を娶るか否か」

珍しく低い抑揚での問いかけは、聖霊への誓いよりも重く心を捉える。

ラヴァニーユは大きく息を吸い込むと、紅蓮の悲鳴以来めっきり見せなくなった笑みを浮かべた。

「それこそ、愚問ですね」

しかし、カバジートはまだ追求を緩めない。

3歩後ろに控えるオルジュは、この人に尋問されたらやばいとあるか分からない未来を恐れてしまうくらいに恐ろしかった。

「それは、先祖返りしたお前の子を為せるのが、その娘しかいないからか?」

「カバジート様、席を外しましょうか?」

話の方向性に焦って口を挟むが、カバジートはラヴァニーユから視線を外すことなく、手を軽く縦に振って却下した。

「いや、オルジュも聞いていた方が良い。十分に関係者だからね」

「いいえ。としか、今は答えられません」

場の雰囲気は、更に凍り付いた。

居たたまれなさに、オルジュは自然と俯く。

だが、ラヴァニーユは一切視線をそらさずに凛とした態度で答えた。

カバジートはラヴァニーユの心に揺らぎがないことを見極めると、胸に手を当てて大きく一呼吸したのち、決意したように口を開いた。


「1度しか言わないから忘れるなよ。我々は呪われているのだ。正確には聖霊の血が濃いばかりに起こる悲劇と言っても過言ではない。公爵家には何代も間を置かずして王子が下る。端から見れば異能の力を守るために近親婚を繰り返すように見えるが……」

オルジュは固唾を呑んだ。

「実際は少し違うのさ。貴族の双子だけが特殊な取り決めが成されているのと関係或る話だ。そして、ラビの母親が巫女称されてはいるが実際は魔術師だった事にも関係している」

「……」

ラヴァニーユは衝撃の告白に、ポカンとしていた。

しかし、ルリ命なシスコンオルジュは、話に食いついた。

「男女の双子は出逢ってはいけない。互いに惹かれ逢い禁忌の子を産むから、双子交換にも掛けずに出生の秘密を隠してばらばらに育てなければならないとかですか」

「ああ、だからルリ嬢とファン君はルリ嬢が他の男の子供を身ごもる迄逢ってはならない―――ここら辺りまでは知っているだろう?」

「ええ」

正確には男子を産むと惹かれ逢うことが無くなる。それについては諸説有り、他の男の匂いが付くからだとか、絆が塗り替えられるからだからだとか様々だった。

故にランネ領にいる時期伯爵にはルリを逢わせてはならない。それは、子供の頃より口を酸っぱく言われてきた。

当事者のエスピガ家とランネ家。隣家のルークの家であるギュルレーク家。そして、当時の王は、つまりラヴァニーユの父だけの秘密であった。

が、一連の事象から推測するにカバジートとラヴァニーユは理解していた。

ルリとファンの生家には行き先は知らされることがない。

「ルリ達は、当たり年生まれでしたから、双子交換を裏で利用して我が家へ来たと聞いています」

「その仲介したのがギュルレーク家だ。ルリ嬢はあのカロート・ウォル・テゥルの実の妹だよ」

「はぁ!!!ルリは魔術師の家系の出身なのですか?」

その事実に、オルジュだけが大げさに驚く。

何を今更と言わんばかりに、兄弟は仲良く溜息を吐いた。

「同じ流れがなければあの暴走男を、小娘に過ぎなかったルリ嬢が止められるわけ無いだろう」

「まぁ、カロートは何処か世捨て人みたいなところがあるから、気付いてないみたいだがな」

カバジートは先の大戦のことを思い浮かべ、ラヴァニーユはその後の身の振り方を回想しながら言葉を足す。

オルジュは突然知らされた重大な事実に、考えれば考えるほどパニックを起こしてしまった。

額に手を当てて、もう片手を前に突き出し、暫しの時を求める。

自分の世界へと落ちたオルジュは必死で、カロートに勝っている自分を探していた。






改めまして、ご無沙汰して申し訳御座いません。

言い訳をするなら、別に忘れ去っていたわけではなく、水面下ではそれなりに・頑張ってはいたんですよ。

そのうち形にはなるとは思います。何時かは。

そう、サイトの改装……。

「紅蓮の悲鳴」「運命は“花一華”」「砂上の楼閣」「この状況を一言で例えるなら”水の花”」「1話.カフェテラスでお茶をどうぞ」2話.金いろのひつじ 」「1話.月曜の朝」「2話.風が吹く日」ってな具合に、加筆してます。

そして、どんどん陛下が出て来ない……。

その代わりプロローグには出てたりする不思議。



此処を辛うじて、更新するにあたって候補は4つだったんですよ。

1番目は、現在サイトで掲載しているバジの加筆修正版。

2番目は、「運命は“花一華”」でカットしたノワとミユの女の戦い。

3番目は、3章のプロローグのカロートの話。

そして、4番目がこの話です。実はカロートとルリちゃんが兄妹なルリちゃんの秘密の話です。

2~4の中で一番無難なのは、3番目なのですが、今度こそ次回更新までの期間限定のつもりで、ネタバレの話にしました。

と、言うのも暫く更新が無理だと思うのです。

友のお陰で今までになく虹な世界を堪能させられています。恐ろしい!!!アニメ化。←興味が無いからやっかいだ!


ってな訳で。涼しくなった頃にどちらかで生存報告できればと思います。                    実桜              


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