#9 内緒のおでかけ
第九話
そうだ!じぇいどさんに街への買い出しのこと相談しないと!
「じぇいどさん、あの私街にいってみようとおも」
「ダメです!!」
「え?」
「あっ!もうしわけありません。急に大きな声を出して。でも街は危険ですし、ここから馬を走らせても3日かかる距離です。何か必要であれば私がどうにかしますから、何が必要ですか?」
「いや、特にすぐに必要なものがあるってわけではなくて、それにこちらのお金も持っていないから、どうしたらいいかなって相談したかっただけなんです。お魚たくさん取れたし、物々交換とか、売ったりとかできたらなって考えてて、あっでもこっちではお魚もお肉もたべないですよね。えへへへ忘れてました。
食器片づけちゃいますね」
しまったなー。街に行くって軽々しく言っちゃダメだったみたい。じぇいどさんも大きい声出したりするんだな。
一生懸命説明してくれて、私が世間知らずだから心配してくれたんだな。優しい人。
翌日、じぇいどさんはお肉の解体のため水場で作業するといって出かけて行った、水場の整備もするから昼食には戻ってこれそうにありませんと悲しそうに言っていたので、今朝焼いたパンでサンドイッチのお弁当を渡したら、すごく喜んでくれた。やっぱりお腹すくと元気でないもんね。
昨日作った挽肉でハンバーグサンドと、昨日お昼ご飯を食べた後にさばいたカツオをシーチキンにしたので、きゅうりとツナのサンドイッチ。私もお昼に食べようと思ってたくさん作った。
じぇいどさんを送り出して朝食の洗い物をしていたら、なんとおじーちゃんとギャル精霊が訪ねてきた。
「おーぃ、わしが来たぞ。元気にやっとるか?」
「やっとるか?」
「おじーちゃんとギャルちゃん!4日ぶりだね?」
「かれーを食べに来てやったぞ。」
「やったぞ」
「えーカレーはもうなくなっちゃったよ」
「なんじゃと!」
「なんと!」
「5日は食べられるというとったのに!」
「そのつもりだったんだけど、じぇいどさんが食べ盛りだからさ、思いのほか早く売れちゃった」
「いやじゃいやじゃ、また作ってくれ!」
「また作ってくれ!」
「うーん、わたしもカレー好きだしまた作りたいんだけど香辛料、私の世界から持ってきたやつ全部使っちゃったから、作れないんだよね。野菜とかお肉とかは問題ないんだけど、香辛料がないとカレーにならないんだよね。街で探してみたらもしかしたら売ってるかなと思ったんだけど、じぇいどさんから危ないから言ったらだめだって言われちゃったし、3日もかかるんでしょ。」
「うーん、街まで行ければいいのか?」
「まぁ香辛料売ってるお店が見つかれば、たぶん似たようなもの売ってるんじゃないかな、においをかげば必要なものはわかるから。でも遠いから無理だよ、3日もかかるんだし、あと街は危険なんでしょ。」
「まぁ距離は何とかなるわい。危険もまあフードさえ被っていれば、女とはばれんじゃろう。」
「え?そうなの!私他にもほしいものあるから行ってみたい。おじーちゃんどこでもドアみたいなの持ってるもしかして?じぇいどさんにダメって言われちゃったし心配かけたくないから、じぇいどさんが戻ってくるまでには帰ってきたいんだけど大丈夫かな」
「おう!任せろじゃて」
あーなんかワクワクしてきた。でも万が一じぇいどさんの方が早く帰ってきたらいけないから置手紙しておこうっと。字はやはり日本語では読めないとおじーちゃんに言われたので、ギャル精霊に教えてもらいながら書いた。大丈夫かな。
まぁとりあえず初めてのおでかけ行ってきます。
つづく