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新馬戦

競馬場についてしばらくのんびりしているとレンがやってきた。手に持っていた無口をつけられて馬房から出る。


「いよいよデビューかぁ、こっち来て2週前ちょっとでデビューとか早いよな。まあ装鞍所まで大人しくしてくれよ」


そう言われながら体重を測る。486kgみたいだ。


「よし、大体想定通りだな」


おそらくここが装鞍所なのだろうと思しき場所へと着く。


手には鞍と4番の下にリアンエテルネルと書かれたゼッケンを持っている。それをレンは手際よく付けていく。


「いやぁ元担当馬とは全く違ってイレこまないし装鞍楽すぎるわ」


装鞍所には他にも同じレースに出るであろう馬が16頭いる。


素人目でも9番のインペリアルロードって馬はデカいし筋肉ムキムキだなと思う。これはいい馬だわ


「9番いいよね。あれ3億円だよ。リアンの30倍の値段だね」


3億円!?何だこの世界凄いな。


そうして他の馬よりもすぐ鞍を着け終わりゆっくりと曳き馬をする。


「ふう、緊張するなー、何度来ても慣れないよ」


俺も若干緊張してきたよ。


そうして、いよいよテレビで見たことのあるパドックへと場所を移す。


そこにはかなりの数の観客と綺麗なスタンドがあった。


お、ミスト涼しいなぁと考えながら電光掲示板なども面白く色々見渡す。


えーっと4番だから8.9倍か。他の馬よりオッズ低いな。


9番は1.3倍で俺より人気してるのはこいつだけなのか。


そうやって珍しそうに色々見ていると人の話し声も聞こえる。


「いや、9番は堅いな」

「俺9と15のワイドにしよ」

「ボールド産駒とか存在したんだな」


そんな声が聞こえてくる。


関係者であろう人の席を見ると、写真をいつも撮りに来ているうちのクラブの人や、1歳の時に会ったことのある1口出資者もチラホラと見えた。


その中に小さく手を振るあかねちゃんの姿が見えた。口の形は「がんばれ」と言っている。


これは頑張るしかないな。


「あれ、保科先生居ないな。トイレでもしてるんかな」


げ、あいついるのかよ。めんどくさいなぁ。


そうして時間になるとジョッキーが出てきた。


挨拶をパドックにして騎乗しに来る。


「よろしくお願いします」


「山根くんこいつなんも悪さしないから頼んだよ」


「はい!頑張ります」


そんな会話をしてさらに周回を重ねていく。


そうして時間になると芝コースへと続く道を誘導馬を前にして歩く。


芝コースは綺麗でとても走りやすそうだった。


ゆっくりとキャンターに移行していく。


うん、素晴らしいコースだな。走りやすいし全力出したらもっと出そうだ。


「いやーお前すごいな。背中こんな柔らかい馬いるんだなぁ」


なんか褒められているが背中柔らかいってどういうことかよく分からんな。


キャンターでコースの奥へと行くと日陰がありそこで先に出た馬達は歩いて休んでいた。


近くに9番の馬に乗った外国人ジョッキーが話しかけてきた。


「その馬イイネ」


「ありがとうございます。新人からしたらちょっと荷が重いですけど…てかその馬デカすぎません?」


「中身は子供ダネ」


「こっちはどっしりしすぎてて怖いくらいですよ」


「HAHAHA、デモ負けないヨ」


「こっちもです」


いいねこのバチバチ感俺は好きだよ。自分でやるのは好きじゃないけどね。


そうしてゲート前へと移動する。


ゲートの前で周回を重ねると段々とテンションが上がってくる馬が増えてきた。


ファンファーレが鳴ると歓声が聞こえてくる。


そうして奇数から順にゲートへと収められていく。9番は少し嫌がるが何とか入った。


俺は偶数なのでそれが終わるのを待つ。


奇数番号が入り、俺の順番になる。係員の人に曳かれると練習通りすんなりと入る。


そうして最後に16番の馬が入り全馬がゲートに入った。


一瞬の静寂の後ゲートが開く。俺はしっかりとスタートをした。


しかし次の瞬間。俺より好スタートを切った隣の3番と5番が俺の方に向かってヨレてくる。


流石に進路が無くなり俺は下がらざるを得ない。


集団から5馬身ほどスタートで遅れてしまった。


ヤバい。そう思った俺とやまね。鞭を入れられて加速をしようとするもここで今日は完全に運が無いことがわかった。


そう、前の馬が走った芝の塊が俺の顔にヒットした。


めちゃくちゃ痛いので怯むとその掘られた芝の小さな窪みに脚を取られて転けそうになった。


もういいや。なんのやる気もなくなった。


やまね君は精一杯追っているがもうやる気は完全にゼロだ。


いつもの調教以下のスピードのキャンターでゴールまで帰る。


頑張っていたやまね君も諦めたようだ。俺の走りたいように走らせてくれる。


もう集団は点となってコーナーを曲がっていた。


やる気が起きないまま俺もようやくコーナーを曲がる。


最後くらい走るかと思い最後だけ一気に走る。


「うおっ、ちょっ」


そんな声が俺の上からしたが気にせずに走る。


全速力を出して走るとみるみる差が詰まっていく。


そうしてようやく1頭交わして走るのをやめた。あんだけあった差も案外届くな。


ただそれは既にゴールした後。コーナーを曲がるところだった。

馬に急加速されたらめちゃくちゃビビるし怖いです。1F18秒切ったら風の音でなんも聞こえなくなります。そんな馬のキックバックはゴーグルしてないとやってらんないですよ。

とりあえず何とか新馬戦まで書けましたー!

来年は今年より更新頑張ろうと思います。

皆さん良いお年を。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公は勝てないと馬肉にされちゃうことはいまいち把握出来てないのかな?まあ新馬負けるぐらいなら大丈夫でしょうけどw
[良い点] 読みやすくて面白いです! 中の人のやる気がないのと保科調教師が不安要素ですが、パパのモデルがディープボンドとのことですし、応援しますw まだまだこれからですし次は賞金を咥えてこれると良い…
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