回避したものと、回避できなかったもの
「乾杯!!」
貸し切りにした店内の至るところでグラスを掲げ、軽く打ち合わせる音がする。
グラスを打ち合わせ、音を鳴らすのは魔を除けるためのお呪いなんだそうだ。
ああ、いい音色。
悪運退散。
縁切り上等。
切実なる願いを込めてグラスを鳴らしたことは私だけの秘密だ。
想定以上に人数が集まったため、近所の食堂を貸し切って行われた親睦会。
こじんまりとした飲み会を想定していたのに、エレナさんの対人スキルが冴え渡った結果、私が普段触れ合う機会のない別部署の人まで参加している。
お店の半分くらいの人が参加していることになるのかな。
おそらく私が色々な人と話ができるようにエレナさんが配慮してくれたのだろう。
感謝しかないわね。
エレナさんと視線を交わし、グラスを打ち鳴らすと笑みを浮かべた。
他国に移り住むことに関して悔いがなかったというのは嘘になる。
これだけたくさんの人がいることが怖いし、一人きりの時は寂しい。
だから口では大丈夫と言いながらも、彼女の存在を頼もしく思ったのも事実。
まあ時々、暴走するけどね。
大抵ルーテさんが遊びにきている時で、エレナさんは嬉しくて興奮していたのだろうか。
そんな時は決まってルーテさんに論理的にも物理的にも止めていた。
…ルーテさん華奢なわりに力持ちだったな。
机を片手で持ち上げるなんてことができる時点ですでに人の域を越えている気がするが、気にしたら負けだ。
彼女達はずば抜けて能力の高い魔女なのだ、そう思うことにしよう。
「おつかれさま、イライザ。ここまでよく頑張ったわね!!」
「うん、ありがとう。エレナさんのおかげだよ。」
グラス越しに感謝を伝える。
だけど覚えることはたくさんあるし、まだまだ先は長い。
「そうは言っても、まだここに来て一ヶ月と少しくらいしか経ってないけどね。」
「でもちゃんと馴染めているもの、大丈夫よ。それで…彼女は?」
「あ、っとあそこ。クラウスさんの隣にいる…。」
「ああ、アレね。」
アレって。
ずいぶんな呼び方をするものだ。
エレナさんは遠目から視線を凝らす。
自然体のクラウスさんに、頬を染め寄り添う彼女。
やがてエレナさんは不自然にならない程度に皆と会話をしながら徐々に彼女のいる方へと近づいて行く。
その動きを目線で追いながら会場でも一際華やかな彼らのいる一角へと視線を向けた。
美男美女だけに目立つし、絵になる二人だ。
だけど…なんだろう?
妙な違和感を感じる。
テンションの高い彼女に対して、クラウスさんの表情がずいぶんと冷静なものに思えた。
あまりにも義務的な態度ではないか?
少なくとも互いに想い合い結ばれた婚約者に対するものではない。
そう思った途端、最後に会った日のアレクシス様を思い出して胸が痛んだ。
平民同士でも取引先の紹介とか戦略的な婚姻もあると聞くしね。
やっぱり彼らには近付かないのが正解。
心に決めて遠目に眺めていると渋い顔をしたエレナさんが戻ってくる。
「…ガードが堅くて話ができなかったわ。」
「エレナさんでも近づけないなんて、珍しいですね。」
「すでに警戒されていて取り付く島もない、というやつね。やり方を変えるしかないわ。」
なんでも話をしなくてすむように、巧妙に避けられている雰囲気を感じるそうだ。
彼女は仕方ないとばかりに苦笑いを浮かべた。
「そういえばイライザは彼女と話したの?」
「あれ以降は、全くあちらからの接触ないよ。業務上の必要がないのもあるけど。」
「わかるわ。あれは向こうの都合で貴女に非はないものね。巻き込まれたくない気持ちは理解できるし、相手からしたら接触しようにも貴女に隙がないのかもしれない…。」
次の瞬間、軽く目を見開いたエレナさんはパチンと指を鳴らす。
美人がすると、そんな仕草すら様になるのね。
彼女は他の人には聞こえないよう話し声の音量を下げる。
「貴女はそれよ、イライザ。」
「それって?何を?」
「もう!!想像力を働かせないと錆びるって言ったでしょう?貴女の血が授けた能力のことよ。」
「え?読心の魔女の能力ってこと?」
「人の心を読む能力は強力で直接的な力なの。ではその力が弱まれば、どう変化するのか。」
例えば母は、あれだけほんわか天然なのに、時折恐ろしく堪の鋭い時がある。
それがもし読心の魔女の能力の劣化版だとしたら、血を引いている私にも何か力が備わっているに違いない、そうエレナさんは言いたいらしい。
力が備わっている…例えば得意なことと置き換えて考えてみた。
今までの人生でこれのおかげで多少なりとも助かったことなんて、あったか…?!
「まさか、回避していた、とか?」
「たぶんね。能力は与えられた力を術者がどう伸ばすかで方向性が変わるの。貴女のお母様は他人を深く知ろうとした。だから勘と一括にするには鋭過ぎる感性が磨かれたわけね。そしてそれとは逆に貴女は今までのやり直し人生で不可避だった彼との出会いを"避ける"ために努力した。その結果、培われた勘が今世の血の能力の後押しを受けて"悪意"を回避する方向に伸びた可能性が高いと思うのよ。」
確かに四度目の生では三十年近く彼と出会うことはなかった。
つまり悪意ある特定の相手を避ける能力に特化したわけか。
「でも、結局は会ってしまったし、能力なんて意味はないよね。」
「そうでもないわよ?」
「なんで?だってクラウスさんには会ってしまったし、その彼女には絡まれているし。」
「クラウスさんに害意や悪意があるならば、それこそ出会わなかった可能性も高かったでしょうね。クラウスさんに付随していた悪意を持つ彼女には繋がってしまったけれど、それでも彼女からしたら接触したくても回避されて、思い通りにはいかなかったからあの台詞になったのではなくて?」
倉庫での出来事が脳裏に蘇る。
それは静かな倉庫内に響き渡った嬌声。
『ああ、イライザさん!!ここにいたのね、私貴女とお話したかったのよ!』
私からすれば単純に彼女と話す機会がなかっただけなのに、他人が聞けば、まるで私が彼女を避けているかのようにも聞こえる台詞だと思っていた。
私の仕事をする場所は決まっているのだから、そこにいればいくらでも会えるのに、その台詞はないだろうとも思っていた。
だがもし待ち伏せする彼女を、私の能力で避けていたとでもいうのなら。
同じ職場にも関わらず、それまで一度も出会わないというのが逆に不自然で、避けていると取られても仕方がないのではないか。
ただある程度は回避できていても完全ではないみたいね。
誰かと知り合ったことで別の悪意も引き寄せてしまうというのなら、能力などあってもなくても同じこととも思える。
それとも能力の劣化により、このくらいの誤差は致し方ないと言うことなのだろうか。
「でもね、イライザ。貴女がどれだけ努力しようとも、貴女に負の感情を向ける相手は現れるわ。それら全てを避けるならば、貴女は再び引き篭もり生活に逆戻りするしかないわよ?だって心を読めない貴女には誰が負の感情を向けているかなんて、わからないもの。だから能力を頼りにするだけでなく、現実に立ち向かう努力も必要だと私は思うわ。」
「確かに、そうだよね。」
甘いはずなのに、口に含むお酒がとても苦く感じた。
悪意を避け続けるということは不可能に近い。
ならば悪意を跳ね返すという手段も場合によっては必要と思えた。
逃げ続けるばかりじゃなくて、悪意に立ち向かう努力を。
母が他人を深く知ろうとした結果、恐ろしく鋭い勘を身に付けたように。
…私にも、できるのだろうか。
エレナさんは素敵な笑顔を浮べると、軽く私の肩を叩く。
「無理しない程度に頑張りなさいな。それじゃあ私はまた情報を集めてくるわね。」
彼女は再び人々の間を飛び交う。
その姿は軽やかで、まるで蝶みたいだ。
華やかさも、会場にいる女性達の中で群を抜いている。
同じ女性として羨ましい限りだ、そう思った時だった。
…なんて厚かましくて、嫌らしい女なのかしら…
どこからか女性が囁くような小さな声が聞こえる。
弾かれるようにして声の聞こえた方角を振り返った。
規則性なくバラけた人垣の向こう側。
私の視線の先には、クラウスさんの腕に寄りかかる彼女の姿がはっきりと映った。
どういう訳だろうか。
私は確かに彼女には苦手意識を持っている。
だから先ほど台詞を彼女だと疑うのは思い込みというリスクを孕んでいることは承知している。
承知しているのだが…。
私の視線の先に映る空間には、クラウスさんの腕に寄りかかる彼女しかいなかったのだ。
まるで固定されたかのように、彼女から視線が動かなくなる。
視線の先に佇む彼女はエレナさんの動きを目で追いながら、ほんのわずかに唇の端を歪めた。
…なの、…でに、は、じ…して…
キュルキュルと鳴る雑音に混じり、途切れ途切れに聞こえていた声がピタリと止んだ。
その瞬間、彼女と視線が交わる。
とっさに笑みを浮かべた彼女は背伸びをすると、甘えるようにクラウスさんの耳元に何事かを囁く。
彼女の言葉にクラウスさんは、ふわりと笑った。
まるで仲睦まじい様子を見せつけているようだと思うのはモテない女の僻みからだけではないだろう。
私と視線を合わせたままなのが、いい証拠だ。
私は視線を逸らすと、深くため息をついた。
心など読めなくても彼女に敵意があることは間違いない。
初対面のはずなのに、どうしてここまで嫌われるのだろう?
思い当たる節のない私は、なんだが嫌な予感がして、楽しそうな二人を横目に頭を悩ませていた。
やがて日付が変わる頃。
和やかな雰囲気のままに親睦会は終わった。
満足そうな皆の顔を見て安堵する。
よかった。
幹事のひとりとしては好評のうちに宴会が終わることが何よりも嬉しい。
親睦会をきっかけに仲良くなれた人もいて、『思ったより話しやすいのね』と言われたときには、どれだけ人と壁を作っていたのかと反省した。
その人達とはランチを一緒に食べにいく約束をしたところで、クラウスさんの隣に立つ彼女がトイレに行くといって席を外した。
そのタイミングを計ったように、エレナさんが声を上げる。
「ああ、そういえばクラウスさんにお礼を言いたかったのよ。彼女に親睦会のことを教えて下さったでしょう?あの方、お店にいらして日が浅いから直接私が誘う事ができなくて。」
エレナの側にいたから解ることだけど彼女は時折こういう言い方をする。
お礼という名の、確認。
今回は彼女の何が引っ掛かったのだろうか?
「あれ?そうだったのか。いつの間にか知っていたから誰かから聞いたのかなって、そこのところは特に気にしてなかったのだけど…。」
クラウスさんは振り返り、皆の顔を見回す。
だが皆、不思議そうな顔をするだけで名乗り出る人はいなかった。
やがて思いついたように、そのうちの一人が言う。
「もしかしたら、噂話で聞いたのかな?誰かが話しているのを聞いたとか。」
「まあっ!!なら悪いことをしてしまったわね。今度会ったらお詫びしないといけないわ。」
エレナさんは申し訳なさそうな表情で答えた。
もしそうなら、私も謝らないといけないな。
思うところはあるけれど、幹事として出欠確認をしなかったのは私も同じだ。
それに彼女の態度から、わざと誘わなかったと誤解している可能性も考えられる。
彼女から敵意を感じるのはそのせいかも知れない。
誤解しているなら、その誤解を解かないと。
そう思って暫く待っていたのだが彼女はなかなか帰ってこなかった。
「…うーん、戻りが遅い。飲みすぎたのかな?彼女を迎えに行ってくるよ。皆は先に帰っていて?」
痺れをきらした様子でクラウスさんが席を外した事を切っ掛けに、皆、席を立つと帰っていく。
エレナさんは談笑しつつクラウスさんの背中を見送っていたが、皆が帰ると、私にだけ聞こえるようにポツリと呟いた。
「決まりね。」
「うん?何が決まりなの?」
「彼女は誰から教えられなくとも親睦会がある事を知っていたのよ。」
それはまるで未来起こる事を彼女が知っていたかのような口振りだ。
ふと思い浮かんだのは困惑したような人事担当者の呟いた言葉だった。
『この時期の異動なんて異例よ。その理由が『彼女が売れるというから』なんて曖昧な理由で許可したってどういうこと?この店の扱う商品は何が売れるかもわからないような骨董や中古品なのによ?しかも華やかな旗艦店ばかりを望んで歩いてきた人間の適性を考えずに許可を出した上層部も正直どうかと思うわ。』
ここに来るまでは花形といわれる部署を転々として実績を上げてきた彼女。
もとよりこじんまりとした倉庫兼店舗などという目立たぬ場所を望むような人ではないのだ。
それではなぜ彼女はこの店に来たのだろう。
理由とは、やはりクラウスさんの側にいたいからなのだろうか。
ただ、それだけでは異動を希望した理由としては弱いと思うのよね。
いろいろ謎は残る、それでも。
「今回の親睦会は誰かから教えられて参加した可能性の方が高いと思うよ?参加してない人から聞いたのかも知れないし。」
「まあ、それもそうね。」
エレナさんはあっさりと引いた。
もっと調べないといけないわ。
声にならない声でそう言うとエレナさんは口をつぐんだ。
ーーーーーー
「どういうつもりか、理由を聞きたいな。」
親睦会から一週間後の昼下がり。
目の前には柔らかな物腰に親しげな笑みを浮かべた上司が立っていた。
字面だけ見れば、決して珍しくはない一場面とも思える。
だが明らかに体勢が不自然だ。
顔のすぐ横には彼の手が置かれ、触れ合う一歩手前くらいに互いの顔があって、身動きひとつ取れない。
そして反対側には一級品の置かれた棚がずらりと奥まで連なっている。
明らかに退路が塞がれていると思われるのはなぜだろうか?
「何がでしょうか?」
「君は試用期間が終わると同時に異動したいそうだね、その理由を聞きたくて。」
ああ、そのことかと安堵する。
恐らく彼女にでも聞いたのだろう。
大丈夫、万が一のために言い訳…もとい、完璧な回答案が用意してある。
「店舗によって仕事内容が違うと聞いています。できるだけたくさんの経験を積みたいからです。」
もとより経験を積みたいという気持ちに嘘はない。
二回目の生でも、生き残れたら商売に携わってみたいと願ったくらいだ。
ただクラウスさんと彼女とは距離を置きたいという気持ちがあることも事実。
一緒に仕事をする中で、かつてのようにクラウスさんを避けなくてはという追い詰められたような気持ちはなくなっていたけれど、彼女経由で彼の気持ちを知った今はやはり一括りで避けたい対象となっていた。
エレナさんの言葉を疑うわけではないけれど、クラウスさんの婚約者である彼女の登場によって取り巻く状況が変化したのだ。
ふと、逃げているのではないかと問う父の姿が浮かぶ。
…逃げているわけではないと思う。
そう、いわゆる戦略的撤退だ。
呪いが完全に解けているとは言い難い状況にとなってしまったのだから、仕方ないよね。
それ以上は突っ込まれても過去のアレコレなんて説明できないし、納得して欲しいものだわ。
そんな私の願いも虚しく、クラウスさんはわずかに目を細めると唇の端を吊り上げる。
「優等生な回答だね。」
にっこりと笑うクラウスさんの顔に恐怖を感じた。
上手く躱したつもりが、更に追い込まれたような気がするのはなぜだろう?
「なら聞くけど、君はここに務めてどのくらいだっけ?」
「…一ヶ月半です。」
「それ以前に職歴は?」
「…ありません。」
平民向けの商店の娘、某国の王女、輸入品を扱う伯爵家の令嬢、洋裁で生計を立てていた平民女性。
正確には前世四回分の記憶があるから、それを含めれば、なかなか濃い職歴だと思う。
だけどこの場でそれを言う訳にはいかない。
「では、この一ヶ月で何を学んだのか説明してくれないか?」
私はクラウスさんから教えてもらった事を指折り数える。
在庫状況の確認と管理の仕方、売上台帳の付け方と見方。
取引先に連絡を受け、在庫の有無を回答する。
改めて言葉にすると、それだけだった。
「イライザ、君が学んだのは商売の入り口なんだ。奥に広がる迷路のような殺伐とした世界を知らない。その状況で他店に異動しても使い物にはならないよ。むしろ学ぶ姿勢がないものと、逆の評価を受けることになる。」
「…貴方の許可なしには異動させてもらえない、ということですか?」
「もちろん、君がどうしても異動したいと願うならばそれを止める権利は俺にはないよ。だけど先輩として忠告しておく。中途半端な知識しか持たずに仕事をしていれば、周囲はそれなりにしか君を扱わなくなる。その状況に耐えられなくなった君は、また他の店に異動したいと思うようになるだろう。そうやって逃げ続けるうちに逃げる癖がついてしまうものなんだ。そうなってからでは、もう遅い。」
逃げる癖がつく。
その言葉が深く胸に刺さった。
四回のやり直し人生で身についていたのは知識だけでなかったのか。
理不尽な扱いに立ち向かったのは伯爵令嬢のときだけ。
その後、積み重ねた記憶には逃げ続けた自分の記憶しかなかった。
癖は魂に染み付いた記憶。
裏を返せば、記憶は魂に染み込んで癖となるのではないか。
「…もう間に合わないかも知れません。」
「大丈夫、君はまだ若い。柔軟性のある今はまだ我慢の時だと思って、もっと経験を積むんだ。やがて過去の経験は力となって、きっと未来の君を助けてくれる。」
クラウスさんは、何も知らない。
だから彼の言葉は見当違いで、私には当てはまらないのかも知れない。
それでもその言葉が私に残された唯一の希望とも思えた。
柔らかい笑みを浮かべたクラウスさんの手が、優しく私の頭を撫でる。
その手から伝わる熱が私を現実に引き戻した。
「…クラウスさんは…。」
「うん?」
「あんなに綺麗で有能な婚約者さんがいるのでしょう?私に関わるのは止めていただけませんか?」
「え、婚約者?なんで、誰のことを?」
人前であんなに親しくしておいて、今更信用できるわけないでしょう?
クラウスさんが困惑したような表情を浮かべる理由がわからない。
「俺に婚約者はいないよ?」
人とは罪のない表情で、こんなにも簡単に嘘がつけるものなのか。
気持ち悪くて吐きそうだった。
「婚約者さんから伺いました。勘違いされているようですが、こちらも迷惑です。」
ただの同僚なのだから、迷惑なら関わらなければいいのに。
親しみを恋と勘違いするなんてアレクシス様と同じだ。
近付かなければ余計な苦しみを背負わずに済む。
今更恋なんて、私には無理よ。
クラウスさんの焦ったような言葉が後ろから私を追うけれど、すり抜けて私の耳には届かない。
口の中に、涙の苦い味が広がる。
負けるものか。
記憶に残る過去の私達が泣きながら彼らを糾弾する。
やっぱり私達は、貴方を許せない。
遅くなりました。
お楽しみいただけますと幸いです。




