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エピソード7、強すぎる!!

「キッーン!キッーン!、シュッ、シュッシュッシュツシュッシュッキーン!」

(剣と槍がぶつかったり、高速で槍を突いている音)

僕は黒いローブの人と攻防を繰り返していた。

そして、僕はその攻防の中で敵の強さを思い知らされていた。

「この人、強すぎる!!」

そう、この敵は僕が思っていたよりも数倍も強く、この世界で言うと【剣聖】のスキル持ちくらい強かった。

しかも、敵は実力がある上でその敵が所持していた武器もとてつもなかった。

僕は攻防を繰り返している中であまり余裕もなかったが、敵の武器が気になり過ぎてその攻防の中で隙を見て敵の武器を鑑定をしていた。

その上で僕は今すぐここから退散したい気持ちでいっぱいだった。

なぜなら、敵の武器を鑑定したときにとてつもないものを見てしまったからだ。

ちなみに、その時鑑定して僕が目にしたのがこれだ。

______________________________________________________

死定槍:零   武器階級:ゴッド

 攻撃力:1697 耐久力:1566

   武器固有スキル:終焉一槍

(敵に触れただけでその者の命を断ち切る槍となる)

         :終焉領域・アポカリプス

(発動すると、槍の穂先が無数に出現する領域を展開する。

 条件:敵が2人以上いないと発動できない。)

______________________________________________________

なので、逃げたい気持ちでいっぱいだったのだ。

しかし、逃げたくても相手がそれを許してくれないのは分かっていた。

なぜなら、相手が狙っているものは自分が今手元に持っているもので、相手は自分がそれを渡してくれないから自分を殺してでも奪おうとしていることは分かっていることだったからだ。

なので、僕は逃げずに戦うという選択肢しかなかったのだ。

そうじゃないと、一瞬でも逃げようと背を向けた瞬間に殺してくるのは理解出来ていたからだ。

だが、しかし今のままではこちらが不利なのは分かっていた。

「どうしたものか」

僕は勝つためにどうしたらよいか考えていたのだ。

だけど、そう考えているうちにも敵の攻撃は止まらなかった。

「くっ……!」

僕は敵の槍を剣で受け止めながら、必死に考えていた。

(このままじゃ、いつかやられる……!)

相手は僕よりも圧倒的に強い。しかも、あの槍には触れただけで命を奪うスキルがある。少しでも油断すれば、僕は一瞬で殺されてしまうだろう。

「くそっ! 何か方法はないのか!」

僕は敵の攻撃を避けながら、自分のスキルについて考えていた。

【枝使い】

今まで僕は、このスキルを使って剣などの武器を作ってきた。

だけど、武器は剣だけじゃない。

形を変えれば、戦い方だって変えられるはずだ。

(そうか……! 剣で勝てないなら、別の武器を作ればいいんだ!)

僕は敵の攻撃をなんとか受け流しながら、近くにあった木の枝に意識を集中させた。

すると、木の枝が変化し、細長くしなる武器へと姿を変えていった。

僕が作り出したのは、ゴッド級の鞭だった。

______________________________________________________

雷帝鞭:レオニアス   武器階級:ゴッド

 攻撃力:1867 耐久力:1600

   武器固有スキル:雷帝雷蛇

   (蛇の形をした、雷が敵を喰らい尽くす)

______________________________________________________

「雷の精霊ボレアスが宿った鞭。雷帝鞭:レオニアス、これなら……!」

僕は鞭を握りしめ、敵に向かって振るった。

「はあっ!」

鞭は空気を切り裂きながら、敵に向かって伸びていった。

「そんな武器で何ができる?」

敵はそう言いながら、槍を構えて鞭を受け止めようとした。

しかし、鞭は剣のようにまっすぐ攻撃する武器ではない。

敵が槍を動かして防ごうとした瞬間、鞭は大きくしなり、軌道を変えた。

「なにっ!?」

鞭は槍の横をすり抜け、敵の体へと迫った。

敵はすぐさま体をひねり、なんとか攻撃をかわした。

「まだまだ!」

僕は休むことなく鞭を振るった。

右から攻撃したと思えば、次は左から。さらに、地面すれすれを通してから、急に上へと跳ね上げる。

鞭は僕の動きに合わせてしなり、さまざまな方向から敵に襲いかかった。

敵は槍を使って攻撃を防ごうとしたが、鞭の動きを読み切れず、何度も回避を強いられた。

「くっ……!」

初めて、敵の動きに乱れが生じた。

(いける! この武器なら、あいつの動きを崩せる!)

僕はさらに力を込め、鞭を大きく振り抜いた。

すると、鞭の先端が敵のローブをかすめた。

「……ほう」

敵は一度距離を取り、僕の持つ鞭をじっと見つめた。

「変わった武器を使うじゃないか。槍では動きを読み切るのが難しいな」

敵はそう言いながらも、槍を握る手を緩めなかった。

「だったら、これでどうだ!」

僕は鞭を振るい、再び攻撃を仕掛けた。

しかし、敵もただ攻撃を受け続けるほど甘くはなかった。

敵は槍を素早く回転させ、迫ってきた鞭をはじき返した。

「うわっ!」

僕は勢いを崩され、思わず後ろへ下がった。

「武器の使い方は悪くない。だが、まだ私を倒すには足りないな」

「くそっ……!」

僕は鞭を握り直した。

確かに、さっきまでよりも戦いやすくなった。敵の攻撃を防ぐだけで精いっぱいだった状況から、こちらから攻撃を仕掛けられるようになったのだ。

だけど、それでも敵を倒すには至らなかった。

そのとき、敵は突然、槍を下ろした。

「……今日はここまでにしておこう」

「なに? どういうことだ!」

僕は警戒を解かず、敵をにらみつけた。

敵は少しだけ後ろへ下がると、落ち着いた声で話し始めた。

「お前のことが少し気になってきた。だが、今はまだ確かめたいことがある」

「確かめたいことだと?」

「ああ。お前が使っているその武器もそうだ。なぜそんな武器を作れたのかは分からないが、今は無理に戦い続ける必要もない」

「待て! まだ勝負は終わっていないぞ!」

僕は鞭を構えたまま叫んだ。

しかし、敵は再び攻撃してくることはなかった。

「勘違いするな。お前に負けたわけではない。こちらにもやるべきことがある。それに、今ここで無理に戦うよりも、お前について調べる方がよさそうだ」

「僕について……?」

敵の言葉に、僕は思わず聞き返した。

だけど、敵はそれ以上何も話そうとはしなかった。

「また会うこともあるだろう。そのときまで、せいぜい強くなっておくことだ」

そう言い残すと、黒いローブの人はゆっくりと背を向け、その場から去っていった。

僕はすぐに追いかけようとした。

だけど、足が止まった。

あの槍の恐ろしさを、僕は知っている。

もし追いかけて攻撃を仕掛けたとしても、今度こそ命を落とすかもしれない。

「くそっ……!」

僕は悔しさから、強く拳を握りしめた。

結局、僕は敵を倒すことができなかった。

鞭を使うことで、さっきまでよりも攻撃を仕掛けられるようにはなった。

それでも、敵にはまだ余裕があった。

「僕は……まだ弱いんだな」

今まで、自分の【枝使い】というスキルを使って、いろいろな武器を作ってきた。

だけど、武器を作れることと、強い敵に勝てることは別だった。

どれだけ強い武器を作れたとしても、それを使いこなせなければ意味がない。

そして、強くなるためには、もっと多くの経験を積む必要がある。

「いつか必ず、あいつを倒してみせる……!」

僕は決意した。

父を見返すという目標は変わらない。

だけど、今はそれだけではない。

あの黒いローブの人に勝つためにも、もっと強くならなければならない。

そして、あの敵が何者なのか、なぜ僕が持っているものを狙っているのかも調べる必要がある。

僕は手に持っていた鞭を見つめた。

今回の戦いで、【枝使い】にはまだ自分が知らない可能性があることに気づいた。

これからも新しい武器を作り、使い方を工夫していけば、今まで勝てなかった相手にも勝てるようになるかもしれない。

そう考えると、少しだけ前向きな気持ちになれた。

しかし、僕はまだ知らなかった。

あの黒いローブの人が、ある組織に所属していることを・・・

その組織は、精霊を宿した武器を集めていた。

そして、今回の出来事も、その組織が進めている計画の一部にすぎなかった。

もちろん、そんなことを知るはずもない僕は、ただ強くなることを考えながら、水霊剣:ルミネアを手にし、その場を後にしたのだった。

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