確認事項はなんだ!?
アイドル育成編です。
のんびり書きますので悪しからず。
「さて、早速アイドル活動始めるわよ! 占いの結果、来夢が武道館に立っているのが見えるわ! 3年後だからそれ以上は分からないけど」
また始まった。占いの結果成功してるのが見えるわ〜 とか、武道館に立ってるのが〜 とか、そんなのばっかりだ。一度たりとも失敗するから辞めておいた方がいいわよって言わない。
そんなの俺でも言えるわ!!
天瀬さんも思う事があるのか終始呆れ顔だ。
逆に目をキラキラさせ喜んでる人物も居る。そう加古時来夢だ。
厄介なのが神崎占音がそこそこ知名度がある事だ。
俺と天瀬さんは神崎の化けの皮を知っているが、加古時来夢は知らない。テレビで見た、知ってる情報しか知らない。
そんな化けの皮を知らない加古時来夢だからこそ、この喜び様である。
100% 当たると言われている占い師からの言葉だ。舞い上がるのも仕方ない。
そんな様子を見てきたからこそ分かる。
神崎と加古時来夢は詐欺グループの一味ではない。
俺がその辺に歩いている女子高生に声をかけた事案が発生しただけである。
俺が2週目で加古時来夢がアイドル志望なのを知っていたから良いものの、普通なら即通報案件である。アイドル関係の名刺なんて全く持ってなかったからね。
持ってたのは『イベント企画課 皆月由太』の名刺だけだ。
道を歩いてる女子高生に声をかけるイベント企画会社とか怪しい匂いしかない。警察が来てたら一発ブーブーに乗せられただろう。
そんな事は置いといてこれからどうするかだ。
使えるのは一度だけやり直せるこの力だけ。アイドル育成のノウハウも無ければ、横の繋がりもない。
作詞作曲、振り付け、衣装、ステージ。それに来夢本人の歌唱レベルやダンスのレベルも知らない。
今どきマイク両手に横へゆらゆら揺れながら歌うだけではないだろう。
激しい、カッコイイダンスを客は望んでるはずだ。知らんけど。
何はともあれ、それら全てやるにしても金が必要だ。まず初めにこの事務所から移転したい。
何だこの事務所。神崎の事務所だからあまり文句は言いたくないが、神託の館ってお前は神か。ここに居たら俺らまで詐欺グループの一味と思われてしまう。
これからアイドルになろうとしてる人にとってあってはならないスキャンダルだ。
それで金をどうやって手にいれるかだ。また競馬でもするか? 流石に毎週毎週何千万も同じ奴が当たっていたら違和感か……さて、どうしたものか
俺の苦悩を知ってか知らずか来夢との話に一段落をいれた神崎は全員に向けて話し始めた。
「これからアイドル活動をするにあたってお金が必要になってくるわ! それをどうするか?」
そこで言葉を切り、神崎は事務所の裏に入っていった。数分経って戻ってきた神崎は机の上にメタリックで重そうなアタッシュケースを置いた。
「これを使っていいわよ。取り敢えずは50本(5000万)足りなかったらその都度言ってくれれば必要に応じて資金援助をするわ」
何言ってんだこいつ。昨日今日会った人間に5000万も普通出すか? てかその金は綺麗な金なんか? 汚い金じゃないだろうな? そもそも神崎になんのメリットがあるんだ? たかが占いがハズレてるって言われただけでそこまでムキにならんでも。俺らにこの5000万を貸し与えて、骨の髄までしゃぶり倒すつもりか?
天瀬さんも同じ事を思っていたのか、神崎さんに質問を投げかけた。
「このお金は詐欺で手に入れたお金なんですか? そんなお金使えません。被害に遭った方に返してあげてください」
おぉ、天瀬さん意外とストレートでいくな。まぁ、最もだけど。
「詐欺? 私詐欺なんてした事ないけど、このお金は占いの報酬や株、FXで儲けた綺麗なお金よ。貴方もいい加減私の占いを信じなさいよ。そこの……皆月さん? 見たら結果は明らかでしょ? いつまでも言い掛かりは止めて頂戴」
結局こうなるのか。2人が話すといつもこうだ。そして俺に飛び火する。
その事を察したのか来夢が2人を止める。
「2人とも落ち着いてください!! わかりました。わかりましたから。私がトップアイドルに成れたら神崎さんは本物の占い師。それでいいじゃないですか! 私頑張りますから!! このお金も私がトップアイドルになったら絶対に返します」
女子高生に宥められる大人二人の構図が出来上がる。
「来夢ちゃん、それはダメよ。来夢ちゃんがトップアイドルに成れたら神崎さんの占いを信じるとかは正直どうでもいいの。占いの結果がどうであれ貴方をトップアイドルしてあげるから安心して。でも来夢ちゃんがこのお金を借りるのはダメ。後から利子がとか払えないならとか難癖付けてくるかも知れないでしょ? お金のことは私の皆月さんに任せて。ね?」
そうだ、そうだ! 天瀬さんよく言った! 女子高生にお金を貸す神崎が明らかに可笑しい。
何か自分で言うのもあれだけど、そうだ、そうだ! って俺の立ち位置モブやん。ええけど。
「誰が貸すって言ってるのよ。これはあげるの。先行投資よ。後から返せとか利子とか言わないわよ。何ならその旨を契約書か何かに書いたりする?」
このままだとグダグダ何も進まないし、俺が受け取るでいいか。後からなんか言われても5000万くらいすぐに返せるだろ。競馬でもなんでも手段を選ばなければいくらでも稼げるし。それより知名度も人気もない来夢が何をするか決める方が有意義だ。
「まぁ、お金は俺が借りるよ。俺がここのトップみたいだし。何かあっても5000万くらいすぐに返せるし2人ともそれでいいか?」
「だからあげるって言ってるでしょ!!」
「プロデューサー、一生ついて行きます!!」
「皆月さんがそこまで言うなら……でも、困ったら何時でも言ってくださいね」
よし、お金の件はこれで決定!! 次は問題の活動内容を決めよう。
読んで頂きありがとうございましたm(_ _)m




