「【在庫処分】だったのです…」
「うん? 親父… この娘達は?」
数多い奴隷の中に… 寄り添う娘が二人。
「先日、大規模な盗賊団がお縄になりまして… その盗賊団に囚われていた娘達です。一人は見ての通り… 身体の欠損が酷く、もう一人の幼い方は… その娘の縁者なのか?離れないのですが… 可哀想ですが欠損が酷い娘は… もう時期でしょうね…」
「う~ん… 確認して見るか」
「お客様?」
二人に近付くと… 幼い娘を守る様に虚ろな目で失われた手足を広げる様に立ちはだかろうとする。
「乱暴する気は無い… 身体に異常がないか確認させてくれ」
目線を合わせる様にして、なるべく優しく話かけた。
よく見ると… 右手が手首から無く、足は… 左足は太股から右足は足首から先が無い。顔も… 拷問を受けたのか? 酷い火傷の痕がある。
「この二人と… 其処の心配そうに見てる双子の娘を買う。用意してくれ」
「お客様、その双子は獣人ですが… 力が弱く身体も貧弱ですが… よろしいので?」
「身の周りの世話役が欲しいのさぁ… 侍女としての教育済みだろ?」
「お気付きでしたか…」
その後… 俺達は秘密が多いので、裏切られたり情報が漏れない様に契約魔法で奴隷紋を印字した娘達を連れて、奴隷商を後にした。
「思ったよりも、安く済んだな」
一人頭… 銅貨1枚、4人で銅貨4枚と言われたので… 金貨1枚を払い。1番強力な契約魔法で奴隷契約をした。
「主さま… 私達は【売れ残り】ですので」
「【在庫処分】だったのです…」
猫科の獣人なのに、力が弱く成長が遅い自分達は… 奴隷商が頭を抱えて「需要が無い…」と言われたらしい。
基本的に、獣人の女性を奴隷にするさいは、女性の護衛にするらしく…
「力が弱いのと…」
「なかなか大きくならない…」
「「私たちじゃあ… 役に立たないの…」」
獣人の成長は早く、子供の期間が短い。
「私たち…」
「大人なのに…」
双子の背は低く、子供に見える。その理由は解ってる… 双子は【ハーフエルフ】だ。
きっと片親が猫科の獣人なのだろうか? 見た目だけ獣人で、身体能力や成長速度がエルフよりになったんだな…
俺は、双子の頭をなるべく優しく撫でてから… 1番幼い娘を抱き上げた。
欠損が酷い娘は、アドルフが背負子で背負っている。
「行くぞ。付いて来い」
奴隷の娘達を連れて、仲間の待つ場所に向かう間…
「さぁて… どうなるかな?」
手の中の幼い娘と虚ろな目の欠損娘… そして、エルフと猫科獣人?のハーフの双子娘。
4人の奴隷娘の扱いを頭に浮かべながら、奴隷娘達の負担にならない程度に急いで戻った。
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