表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でちっちゃな双子の勇者の保護者になりました  作者: ななくさ ゆう
第9章 勇者と保護者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/94

1.アレルくん9歳

 何匹もの強力な魔物が、俺達に襲いかかる。

 レッドドラゴン、ブルードラゴン、スカイドラゴンといったドラゴン種たち、ファリケラトプス、エブリングザウルス、トリケプラゴズといった恐竜種たち。

 そして、その手足のごとく無限に溢れてくるセルアレニ、ゲルケロス、バルクモンキといったモンスター達。


「なめるなぁぁぁぁ!」


 ライトが叫び、セルアレニの一体を一刀両断。


「悪いけど、吹き飛ばさせてもらうわよ!」


 フロルが『超流星』の魔法で恐竜種達を吹き飛ばす。


「ごめんね、ここで負けるわけにはいかないんだ」


 アレルが言って、空高く跳び上がり、スカイドラゴンを斬り捨てた。


 ---------------


「ったく、一体いつまでわきでてくるんだよ、こいつらはっ!」


 ライトが憎々しげに言う。

 気持ちは分かる。

 すでに1000体はモンスターを倒している。

 さすがのアレルやライトも息が上がっている様子だ。

 フロルの魔力も足らず、何度も魔石で回復している。魔石は十分あるが、だとしてもキリがない。


 ここは勇者の試練の1つ、『勇気の試練』である。

 ギルド総本山にやってきてから2年余り。9歳になった双子や、ライト、ソフィネと共に俺達は1つめの勇者の試練に挑んでいた。


 ひたすらだだっ広い洞窟型のダンジョンで、次から次にこの世界最強クラスのモンスターが現れる。

 次の階層に進むためのオーブは見当たらない。

 その時点でどうしたらいいのやらといったかんじだが、実は俺はシルシルにこのダンジョンのクリアー方法を聞いている。

 すなわち、一定数のモンスターを倒せばオーブが現れるらしい。


 問題は。


 シルシルもどのくらいのモンスターを倒せばいいのかわからないとか宣っていたことだ。全く頼りにならない神様である。


 実際のところ、今のアレルやフロルにとって、この世界最強のモンスター達ですら相手ではない。

 レッドドラゴンですらアレルの『閃光の太刀』で一撃である。


 俺とソフィネが足手まといなのを差し引いても、ライトを含めた3人の実力はかなりのものだ。


 だが、それにしても数が多すぎる。というか、終わりが見えなさすぎる。

 ゴールが見えていれば42.195キロ走れるマラソン選手でも、ゴールがどこにあるのかわからず何十キロも走り続けるのは辛い。


 戦い初めてどのくらい時間が経ったか。

 時計もないのでわからないが、すでに1日以上モンスターを倒し続けていると思う。

 その間、気を抜くこともできず、もちろん睡眠も食事もできない。トイレ休憩すらむりだ。一応、すきをみて水を飲むくらいはしているが。


「くそ、いいかげんにっ!」


 ライトが叫んだときだった。


「あそこっ! オーブが出たわ」


 ソフィネが部屋の隅を指し示し言う。

 どうやら、ようやくオーブ出現に必要な数のモンスターを倒したらしい。


「わかった! 道を開く!」


 アレルが叫び、剣を振るう。竜巻のような風が荒れ狂い、モンスターを薙ぎ倒す。『暴風の太刀』だ。

 オーブまでの道ができあがり、俺達はひたすら駆けた。


 そして、次の階層に俺達は立ち入ったのだった。


 ---------------


 その階層には、モンスターはいなかった。罠も宝箱もなく、仕掛けもない。オーブも見当たらない。

 ただ、大きな石像があった。


「これ……」


 俺はその石像がかたどる人型に見覚えがあった。


「ショート、どうしたんだ?」

「たぶん、これ勇者だ」


 そう。その石像は。

 かつて俺とミリスの前に現れ、セルアレニを倒した光の戦士。双子が合体したと思われる勇者の姿にうり二つだった。


「どういうこと?」


 たずねるソフィネに……というか、4人にあらためてセルアレニを倒した光の戦士のことを説明する。

 ライトがアレルとフロルに視線を送る。


「その戦士って、やっぱりアレルとフロルなんだよな?」


 ライトの問いに、アレルとフロルは困惑顔。


「うーん、アレルはよく覚えていないんだけど……」

「私も、あの時のことは記憶がなくて」


 困惑気味の2人。

 これまで何度か尋ねてみたのだが、やはりあの時のことは2人ともよくわからないらしい。

 一方、ソフィネが俺に尋ねる。


「4年前のことよりさぁ、これからどうしたらいいの? ショートは神様から何か聞いていない?」


 俺が神様――シルシルとやりとりをしていることは、すでに4人とも知っている。

 だが、シルシルもこの先のことは何も言っていなかった。


「さあなぁ……オーブもないみたいだし、どうしたものか……」


 俺が考え込んでいると、アレルが「うーん」と悩みつつ、勇者の石像に近づいた。

 おそらく、深い考えが合っての行動ではないだろう。

 アレルはなんとなく、石像に近づき触ってみただけだ。

 だが。


 次の瞬間だった。


 石像が金色(こんじき)に光る。


「アレル!?」


 叫び、フロルがアレルの手を握る。

 次の瞬間。


 目を開けていることすら辛い閃光。

 そして、俺達の前から双子が姿を消したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ