コウ君とデート②
コウ君と手を繋いでテコテコと街にきました。
「ミィ行きたい所はあるか?」
「ミィはお腹が空いたのです!」
おいしいものが食べたいです!
「じゃあなんか食べるか。屋台と食事処どっちがいい?」
「屋台がいいのです!」
屋台のごはんはあんまり食べたことないのです。でもいつもいい匂いがするので気になってました。
「じゃあ屋台の多い通りに行くか」
「は~い。……わっ」
ミィが小さすぎて見えなかったのか、人にぶつかりそうになっちゃいました。でもコウ君が素早く抱っこしてくれたので事なきを得たのです。
「結構人が多いな。屋台まではこのまま行こう」
「ありがとうなのです。えへへ、なんか前世でコウ君に拾われた時のことを思い出したのです」
前世、みーは生まれて間もない頃に母猫に捨てられちゃったのです。そして弱っていた所をノアールに拾われました。
ノアールがミィの項を噛んでご主人さまの所まで連れて行ってくれた時のことはいまでも鮮明に思い出せるのです。
『みー?』
『この教会には人の良さそうな神父がいる。あいつなら母猫の代わりにお前を育ててくれるはずだ』
『おにいちゃんはいっしょにいかないの?』
『俺は自力で生きられるからな』
ノアールがわたしを地面に置くと、ちょうどご主人さまが教会から出てきた。
『ん? どうしたんだい? 君がごはんを貰いに来るなんて珍しい……って、子猫!? しかも弱ってるじゃないか!!』
『じゃあな、また会いに来る』
ノアールはご主人さまがわたしを抱き上げたのを確認するとどこかへ行ってしまった。その時は暫く会えないのかと思ったけど次の日には普通に会いに来てくれましたね。それで毛繕いしてくれました。
「実質拾ったのはあいつだろ」
「ノアールがご主人さまの所まで連れて行ってくれなきゃみーは死んでたのです」
「……」
あ、照れてます。
コウ君は無言のまま歩き続け、屋台がたくさん出ているゾーンまでやってきた。その大通りは街のどこよりも活気付いている。
「ふおお! いい匂いなのです!」
「だな」
ますますお腹が空いてきました。何食べよう。
「モフ丸も食べたいものがあったら遠慮なく言うのですよ。父さまがいっぱいくれましたから」
おかげで首から提げているがま口財布はパンパンなのです。
「我は肉が食べたいのう」
「了解なのです!」
お肉の屋台を探しましょう。串焼きとかおいしそうなのです。
「コウ君はなにが食べたいです?」
「う~ん、俺も肉かな」
みんな腹ペコなんですね。
近くに丁度串焼きお肉の屋台があったので串焼きを五つ買いました。モフ丸とコウ君が二本ずつ食べるのです。
屋台の傍にあったベンチに腰かけてモフ丸が食べやすいようにお肉を串から外して紙のお皿の上にのせる。
「モフ丸どうぞ」
「うむ、ありがとうなミィ」
「いえいえなのです」
モフ丸は早速お肉を食べ始める。いい食べっぷりなのです。
「飲み物買ってきたぞ」
「ありがとうなのです!」
コウ君が炭酸水にシロップが入ったジュースを買ってきてくれた。うん、チープな味が特別な日って感じです!
ミィも串焼き肉にかぶりつく。おいし~です!
もきゅもきゅとお肉を咀嚼しているとスッと紙のお皿を差し出された。
「ミィもあとは皿に移してから食べろよ。串が喉に刺さったら大変だからな」
「は~い」
なんか今日はコウ君がとっても優しいのです。いや、いつも優しいんですけど照れ隠しのツンが入るので。でも今日はあんまりツンがないのです。
どうしてなのかこっそりモフ丸に聞いてみました。するとモフ丸はお肉をもっしゃもっしゃ食べながらうんうん頷く。
「青春だのう……」
「?」
どういう意味です?




