↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

第5話:和邇家の動乱

霊能力(霊式)について。この世界ではいわゆる能力のことを霊式と呼びます。

霊式は誰でも習得することができますが、上位ランクの霊式になるほど習得や扱いがより難しくなりますが、自由度が増します。

生得霊式というものを持って生まれると、生得霊式として持っている霊式だけ、他の霊式を習得する時より何十倍も早く習得でき、扱いや霊力消費も他の霊式に比べて圧倒的に優れています(⚠️生得霊式は生まれ持って扱えるわけではありません!使うには習得が必要です!)

人によって霊力量があり、これは生まれつき決められていますが、地道に増やすことはできます(霊力1増やすのに50年はかかる)。

霊力量はあくまでも通常時だいたいどのくらいかというものを示しており、時と場合によって変動します

霊力量によって大まかな強さがわかります。

1〜2程度:一般人は大体がここです

3〜79程度:多めですが対して何にも使えません。一部の人は霊式や霊力がうっすら見えるでしょう

80〜179程度:この辺りは霊力者と呼ばれるようになります。霊式、霊力がはっきり見えるようになり、多少は霊力を動かせます。霊式発動機を保持していれば霊能力者より少し劣る程度でしょう。

180〜349程度:霊能力者と呼ばれる範囲です。人によっては生得霊式を持っており、自力で霊式の発動が可能です。

350〜599程度:強い霊能力者にあたります。ほとんどが生得零式を持っており、一般的な霊能力者よりかなり強いです。

600〜899程度:相当強い霊能力者です。他の霊能力者とは一線を画します。

900〜:最強格です。イレギュラーです。

西暦22611年3月13日 午前9時チャイロス星系惑星ネメシス 惑星首都・芽義和邇家屋敷 会議室

和邇家屋敷の一角、外部に公開されることのない会議室に、家中の主だった重鎮たちが集まっていた。長机を囲むのは総勢二十名ほど。天井は高く、壁には和邇家代々の記録が収められた棚が並んでいる。窓の外には芽義の街並みが広がっていたが、誰もそちらを見る余裕はなかった。空気は張り詰めていた。誰もが、今日の議題が並大抵のものではないと分かっていたからだ。


数日前から、招集の通達だけが淡々と回っていた。議題は伏せられたまま。しかし誰もが薄々予感していた。ソソリア星系での大敗、その後に星雲中に広がった動揺。和邇家がこのまま何もしないはずがない、と。

議長席には座らず、部屋の中央に一人立った白城保水は、集まった面々をゆっくりと見渡してから、静かに口を開いた。


「――結論から言います。和邇家として、星雲共和国に対する反乱に加担すべきだと考えます」


一瞬、部屋の空気が凍りついた。それからざわめきが広がる。誰かが息を呑む音、椅子がわずかに軋む音、隣同士で交わされる小さな囁き。

「反乱……だと?」「本気で言っているのか、保水殿」

保水は動じずに続けた。

「ソソリア星系の一件は、もう星雲中に知れ渡っています。10万隻の艦隊が、たった3万隻にひねり潰された。しかもその理由が『政府の横暴に対する怒り』だという事実も、隠しようがないところまで来ています」


彼は端末を操作し、壁面のホログラムに戦況記録の一部を投影した。惨状を写した映像が流れる。デブリの海、沈んだスーパースター級戦艦の残骸。会議室の空気がさらに重くなった。

「同じですよ」と保水は続けた。「この国はもう、末端まで腐りきっています。増税、汚職、強制徴兵――我々の目の前でも同じことが起きている。いずれ和邇家の領内でも、同じ火種が生まれる」


長机の一角から、白髪交じりの初老の男が声を上げた。和邇家の外交を長年担ってきた重臣、瀬能(せのう)だった。

「しかし、星雲共和国に反旗を翻すというのは、あまりにリスクが大きい。我々が動けば、間違いなく討伐対象になる。ソソリアは小国だったからこそ勝てた。我々和邇家は小国で済まされる規模ではない。同じようにはいくまい」


「瀬能殿の懸念はもっともです」と保水は頷いた。「ですが、リスクを恐れて動かなければ、いずれ我々もソソリアの民のように――いや、それ以下の扱いを受けることになる。時間の問題です」


「時間の問題、とは大げさな」別の男が口を挟んだ。財務を管轄する若い家臣、久我(くが)だった。「我々は共和国内でも重要な位置にある。そう簡単に切り捨てられはしない」


「重要だからこそ、絞り取られる」と保水は静かに言い返した。「久我殿もご存知でしょう。先月の追加拠出金の要求。あれは氷山の一角にすぎません」


久我は口をつぐんだ。反論の材料がなかった。


「いいかもなぁ」


別の声が上がった。壮年の家臣、和邇家の艦隊運用を長く担当してきた男だった。

「正直、あの中央の連中には辟易していた。今回の反乱、下手すりゃ潮目を変えるいい機会かもしれん。ソソリアが動いたことで、他の星系にも波及するはずだ。今のうちに我々も旗色を鮮明にしておいた方が、後々の交渉で有利に働く」


「賛成寄りの意見ですな」と瀬能が眉をひそめた。


「うーん」と、また別の一人が唸った。壮年と初老の間くらいの、慎重な性格で知られる文官だった。「まだ賛成か反対か決めかねるな。乗るにしても、勝算がなければ話にならん。保水殿、具体的な戦略はあるのか」


「戦略はこれから詰めます」と保水は正直に答えた。「ですが、大枠の方針は決まっています。ネメシスを中心とした防衛線の構築、周辺勢力との連携、そして――」

「連携先はどこだ」

「まだ確定ではありませんが、太陽系、ダイモファ系、パリ系あたりとの接触を考えています。彼らも中央への不満は少なくないはずです」

「太陽系だと? あのような奴ら連中と手を組むというのか?」

議論が一気に加熱した。賛成派、反対派、様子見の者たちがそれぞれに発言を重ね、会議室は騒然とした空気に包まれた。

しかし、大多数を占めていたのは別の反応だった。


「えぇ……」と、明らかに引いた声が広がる。「だめだろう、それは……。星雲共和国相手に反乱って、正気の沙汰じゃない」


「そうだ、そうだ」と別の声が続く。「和邇家がこれまで築いてきたものを、一瞬で失うことになりかねん。何千、何百年もかけて積み上げてきた信頼と地位を、たった一度の判断で全部灰にする気か」

「家臣たちの家族はどうなる。徴兵中の者もいる。反乱に加担すれば、彼らはどうなると思っているんだ」

その声には、明確な恐怖と怒りが滲んでいた。保水はそれを一つ一つ、表情を変えずに聞いていた。

そのざわめきの中、部屋の隅で椅子に足を組んで座っていた男が、ようやく口を開いた。


和邇䔍代士だった。それまで一言も発していなかった彼に、全員の視線が自然と集まった。

「まぁいいんじゃねえの?」

軽い口調に、緊張していた空気がわずかに緩んだ――しかしそれは束の間だった。彼の言葉の内容が理解されるにつれ、再び場が張り詰めた。

「だって、このまま星雲共和国にへばりついてても、いずれ共倒れするだけだしなぁ。それに保水が言った通り、次はうちが標的になる番かもしれん。だったら、先に動いた方が旨味がある」

「䔍代士様……本気で仰っているのですか」瀬能が慎重に尋ねた。

「本気じゃなきゃ、こんな面倒な話に付き合わねえよ」


䔍代士は立ち上がり、部屋の中央へとゆっくり歩み出た。4千年以上を生きた男の足取りは、どこまでも落ち着いていた。

「なあ、みんな。私は長く生きてきた。この星雲がいくつもの国の興亡を見てきた。帝国が興り、滅び、また別の国が興る。その繰り返しだ。星雲共和国も、いずれ終わる。今がそうなだけだ」

「しかし、それが我々の代で起きるとは限らないでしょう」と久我が反論した。

「起きるさ」と䔍代士は言った。断定的な口調だった。「ソソリアの一件がその証拠だ。あれは始まりに過ぎない。私の見立てじゃ、この一年以内に星雲中で似たようなことが起きる。星雲共和国の重税と汚職は、もう限界を超えている」


沈黙が広がった。四千年生きた男の言葉には、他の誰にもない重みがあった。

「質問はまだあるか?」と䔍代士は言った。「聞きたいことがあるなら今のうちに聞いとけよ。今日決めなくてもいい。だが、遅かれ早かれ、俺たちは選択を迫られる」


質問は次々に飛んだ。

「勝算はどの程度あるとお考えですか」「他国――ドミニク同盟の動向は」「艦隊戦力の配分はどうなさるおつもりで」「反乱が失敗した場合の想定はあるのか」「民間人への影響はどう考えているのか」

䔍代士と保水は、一つ一つ丁寧に答えていった。時に軽口を交えながら、時に真剣な口調で。数字を挙げ、想定される展開を説明し、反論には正面から向き合った。

会議は数時間に及んだ。窓の外の光が、次第に傾いていった。

結論は出なかった。誰も採決を取ろうとはしなかった。䔍代士も保水も、この場で無理に押し切るつもりはないようだった。


「今日はここまでにしよう」と䔍代士は締めくくった。「各自、よく考えてくれ。俺たちの答えは変わらない。だが、お前らの答えを無理に変えさせるつもりもない」

家臣たちは三々五々、会議室を後にした。廊下に出てからも、あちこちで小さな議論が続いていた。賛成の者、反対の者、まだ決めかねている者。しかし、その日を境に、和邇家の中で確かな分裂が生まれ始めていた。


* * *


「……星雲共和国に反乱、だと? バカか?」

会議室を出たあと、和邇剣郎(わにけんろう)は一人、屋敷の廊下を歩きながら低く呟いた。

剣郎は和邇家の重鎮の一人だった。霊力600。和邇家の中でも屈指の実力者として知られている。若い頃から星雲共和国のために戦い続けてきた男でもあった。数々の辺境鎮圧に参加し、幾度となく勲章を授かってきた。彼にとって星雲共和国とは、自分の半生そのものだった。


正気とは思えなかった。星雲共和国は覇権国家だ。艦隊の規模も、資源も、和邇家など比較にならない。反乱など、勝ち目のない自殺行為だ。

しかし――。


(でも、あの二人に楯突くのか……)


剣郎の脳裏に、䔍代士と保水の顔がよぎった。

和邇䔍代士。4千年以上を生きた、霊力1300の化け物。白城保水。霊力1200を誇る、白城家唯一の生き残り。二人が本気で反乱に舵を切れば、それを止められる者などいるのか。実力だけで言えば、剣郎など足元にも及ばない。

しかし、それでも。

いや――止めるしかない。

剣郎は拳を握りしめた。

このまま反乱に突き進めば、和邇家は間違いなく星雲共和国から滅ぼされる。長年築いてきた繁栄も、家臣たちの生活も、全てが灰になる。自分がこれまで守ってきたもの、育ててきた部下たち、その全てが。


(やっぱり反乱はダメだよなあ)


その結論に辿り着いた時、剣郎の中で何かが固まった。感情ではなく、理屈でもなく、もっと根源的な確信だった。

自分と同じ考えを持つ者は、他にもいるはずだ。会議室でのあの反応を見れば明らかだった。彼らを集め、反乱計画そのものを潰す。それが和邇家のためだ。たとえ相手が四千年生きた化け物であろうと。

剣郎は踵を返し、自分に賛同する者たちの元へと向かった。


* * *


西暦22611年3月15日 午後3時惑星ネメシス 首都・芽義 下町区画

「いやー、あそこのお店いいねえ!」

涼木勝木(すずきかつもく)は上機嫌に笑いながら、部下たちを引き連れて歩いていた。霊力400。保水の直属の部下であり、若い頃からの付き合いがある――ゲームの対戦相手としても知られた仲だった。休みの日にはよく保水の部屋に押しかけては、対戦ゲームで愚痴を言い合う間柄だった。

「そうそう、こっち通ると近道なんだぜ? 行こうよ」

涼木は部下の一人が示した路地へと足を向けた。人通りの少ない裏路地だった。任務の合間、部下たち八人を連れての息抜きだった。反乱計画が持ち上がって以来、緊張の続く日々だった。少しくらいの息抜きは許されるだろう、と涼木は思っていた。


「涼木さん、今度の反乱計画、本当にうまくいくと思います?」部下の一人が聞いた。まだ若い、配属されて日の浅い新人だった。


「わかんねーけど、保水さんと䔍代士様が動くなら、俺は付いてくだけだよ」涼木は笑った。「難しいことは上が考えてくれるって。俺たちは目の前のことに集中しときゃいいの」


「その気楽さ、見習いたいっすわ」


「だろ?」


他の部下たちも笑った。緊張の続く日々の中で、この時間だけは確かに穏やかだった。夕方の斜めの日差しが、路地の壁を赤く染めていた。


その時だった。

路地の先に、人影が現れた。

涼木が振り向く間もなかった。

――バキッ、バキバキッ!

乾いた音とともに、路地の壁と床が波打つように歪んだ。コンクリートの表面が液体のように蠕動し、瞬く間に何十本もの鋭い刃へと変貌していく。形状変化と分子・原子変化を同時に発動させ、無機質な建材を鋼の剣へと組み替える。


刃は正確に、迷いなく、標的の急所を貫いた。先頭を歩いていた部下二人が、声を上げる間もなく崩れ落ちた。

「なっ――」

涼木が異変に気づいた時には、すでに三人目、四人目が斬られていた。悲鳴すら上げさせない速さだった。八人いた部下のうち、六人が瞬く間に地に伏した。血の匂いが、夕暮れの路地に広がった。

路地の先に立っていたのは、和邇剣郎だった。


「久しぶりだな、涼木」


剣郎の声は、静かだった。感情のない、業務連絡のような口調だった。


「剣郎……さん……? これは、どういう……」


涼木の声が震えた。目の前で何が起きたのか、頭が理解を拒んでいた。


「反乱計画を止める。それだけだ」


「な、なんで……あんたも和邇家の人間だろう!」


「反乱計画を止める。それだけだ」


剣郎は繰り返した。まるで会話をする気がないかのように。

残った部下二人が、震える手で霊力登録式兵装を構えた。銃口が剣郎に向けられる。しかし剣郎が足元の地面を強く踏みつけると、少し離れた地面から鋭い棘が音もなく突き上がった。二人は声を上げる間もなく貫かれ、崩れ落ちた。


涼木は、たった一人で剣郎と向き合う形になった。

路地には、静寂だけが残った。八人の部下たちの遺体と、剣郎の冷たい視線と、涼木の荒い呼吸だけがあった。

「くそ……ッ!」

涼木は両手を掲げた。掌の周囲に、揺らめく熱気が生まれる。次の瞬間、そこに炎が生まれた。彼の霊式は「酸化現象を再現する能力」だが、その本質を知る者は少ない。燃焼もまた酸化の延長線上にある――彼はその解釈を応用し、いつしか「火を操る能力」とほぼ同等なレベルに達していた。それは傍目には「火を操る能力」そのものにしか見えなかった。


「剣郎さん、あんたも和邇家の人間だろう! なんでこんなことを――」


「和邇家のためだ」と剣郎は言った。抑揚のない声で。「反乱など、家を滅ぼすだけだ。俺はそれを止める。悪く思うな」


「悪く思うなって……ッ!」


涼木は叫びながら、両手の炎を剣郎へと叩きつけた。渦を巻く火炎が、路地を焼きながら剣郎に迫る。

剣郎は動じなかった。地面に触れ、新たな剣を瞬時に生み出す。振りかぶった刃には、霊力による身体強化が重ねられていた。刃が炎を薙いだ瞬間、火炎は霧散した。単純な力比べでは決着がつかない威力の差だった。


「その程度か」

「まだだ!」


涼木は次の手を打った。地面に手をついたまま、意識を集中させる。剣郎の足元、アスファルトを無理やり鉄に変え――そこに酸化現象を叩き込んだ。

意識外な場所での攻撃だった。剣郎が気づいた時には、すでに手遅れだった。一瞬で鉄が赤茶けた錆へと変わり、内部から脆くもろく崩れていく。

「――ッ!」

剣郎の足元が、突如として抜けた。地下に隠れていた空洞へ、彼の半身が落ち込む。

好機だった。涼木は全霊力を集中させ、掌から白い光の奔流を放った。霊力ビームだ。至近距離からの一撃が、体勢を崩した剣郎へと迫る。


命中すれば、致命傷になり得る一撃だった。涼木はそう確信していた。

しかし剣郎は、落ちながらも冷静だった。慌てず、握っていた剣――先ほど生み出した鋼の刃を、盾のように構える。


ビームが命中した。轟音とともに閃光が路地を白く染めた。

――しかし、剣は溶けなかった。

「なぜ……!」

涼木の声には、明確な動揺があった。あれだけの出力を叩き込んだのだ。並の装甲であれば蒸発していてもおかしくない。

「お前の酸化は厄介だ」

剣郎は片手で身体を持ち上げながら、崩れた地面から這い上がってきた。声にはわずかな苦しさが滲んでいたが、目には冷静さが残っていた。

「だが、剣を作り変える速度がお前の酸化より速ければ、意味がない」

言葉通りだった。剣郎の剣は、絶えず形状を変え続けていた。酸化が刃の表面を浸食するそばから、分子・原子変化によって新しい構造へと絶えず作り替えられていく。錆びる端から生まれ変わる刃。涼木の得意技は、根本から無効化されていた。

「そん、な……」


涼木は後退した。距離を取ろうとする。しかし、脚が震えていた。八人の仲間を一瞬で失った衝撃。目の前の男の圧倒的な実力差。そして、何より――勝てないという確信が、涼木の中で急速に広がっていた。

それでも、涼木は諦めなかった。再び炎を練り上げる。両手に集中させた熱量が、彼の周囲の空気を揺らめかせた。これまでにない出力だった。持てる全てを、この一撃に懸けるつもりだった。

しかし剣郎はすでに、間合いを詰めていた。

音もなく、影のように。


「終わりだ」


地面から突き出た棘が、涼木の両足を正確に貫いた。

「がぁッ――!」

激痛に膝が崩れる。炎を練り上げていた両手から、力が抜けた。次の瞬間、剣郎の刃が、彼の腹を貫いた。


「が、はっ……」


涼木は膝から崩れ落ちた。視界が霞んでいく。全身から力が抜けていく感覚があった。倒れゆく身体の向こうに、彼は最後に、部下たちの倒れた姿を見た。

ゲームの話をしていた部下。近道を教えてくれた部下。「あのお店いいねえ」と笑っていた自分の声を、まだ覚えていた。今日この道を歩こうと言ったのは、自分だった。

(俺が、あの道を選ばなければ……)

いや、違う。

(保水さん……すみません……)


その謝罪が、涼木の最後の思考だった。呼吸が止まり、瞳から光が消えた。

剣郎は、静かに刃を収めた。

路地には、涼木とその部下たちの遺体だけが残された。夕暮れの赤い光が、その光景を静かに照らしていた。誰も見ていない場所で、誰も知らないうちに、一つの命が失われていた。

剣郎はしばらくその場に立ち尽くしていた。何かを言おうとして、しかし言葉は出なかった。やがて彼は静かに踵を返し、路地を後にした。

反乱を止めるための戦いは、まだ始まったばかりだった。そしてその代償は、これから先、さらに大きくなっていくことになる。

結構ガバガバ設定なのでそこは許してください


火を出したりするには燃焼させるための物体の用意がもちろん必要だよ!「火を操る能力」は本来は燃焼させるものが必要だけど生得霊式で持ってるような霊式を磨きまくった人なら自身の体から脂肪を分解して炭素を少し拝借したり、二酸化炭素を一酸化炭素と酸素に分けて燃やしたりするよ。集中力切らすと物質の制御ができなくなって普通に一酸化中毒になって死ぬし、無理やり体のの炭素を使うと当たり前だけど死ぬ。

でも大体の人は原子核反応を無理やり起こして酸素を炭素にしたり、窒素を炭素にしたりして解決する。体張る人やわざわざ二酸化炭素を分解する人は少数派。放射線を発生させないような物質から生成するのがセオリー。また、吸熱反応に関しては霊力を与え続けてなんとかするよ


ちなみに霊力を機械に組み込むことは西暦117万4601年9月20日に理論が完成し、西暦128万4881年2月8日に実用化されます。まだまだ先だね!

※霊力を機械に組み込むっていうのは機械が霊力を生産、保持できることを言っています。霊力を利用する機械自体はは63年戦争時にロクソランが開発した「霊式発動機」や、それを元にしたものがすでにいくつか存在しますが、あくまで霊力の判別や霊式を発動させるくらいしかできません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。