第一話:不満
この作品にはAIが修正した点、AIが生成した文があります。あまりにも違和感のあるところや世界観に合わないところは私が修正しましたがAIの作ったそのままの分が入っている部分がありますので注意してください
西暦22611年――
現実を遥かに凌駕する星間技術を手にし、高度なコンピューターが戦場を支配しても、
猛威を振るう電子戦と、人間の狂気的な行動が、結局は人の手を必要とさせている世界――
チッと、父親Aが不機嫌そうに舌打ちをした。
食卓に並ぶ配給食を見つめながら、父親Aは吐き捨てるように言った。
「――なんでこんなに税が上がっていくんだ? 食卓がどんどん惨めになる」
母親はテレビに映るニュースを見つめながら、なだめるように言った。
「仕方ないわよ、国が軍事力を増強させるための財源なんだから……」
「軍事を増強させてなんになる!?」
父親Aの怒声が室内に響いた。
「この星雲共和国はもう十分豊かだろう!? 倒すべき敵国だっていないし、今やこの宇宙の覇権国家だ! だのになぜ税が上がる!? なぜ上の息子が徴兵されなきゃならなかったんだ!? こっちはお偉いさんが遊ぶために納税してるのと違うんだぞ!」
「……そんなに怒鳴らないでちょうだい。子供が怖がるでしょう?」
母親に嗜められ、父親Aはきまり悪そうに黙り込み、拳を握りしめた。
その傍らで、小さな子供はテレビに映っていたテロのニュースをぼんやりと見つめながら、ただ考えていた。
(なぜ、最近はどこにも遊びに連れてってもらえないんだろう……)
カチャ、カチャ……。
金属が擦れる冷たい音が、静かな部屋に響いていた。
父親Bが、自身の左腕の動きを調整する音だ。
かつて戦場で失った彼の左腕には、むき出しの、古い規格の機械義手が取り付けられていた。
今からおよそ90年前。星雲共和国が、のちに『63年戦争』と呼ばれる大戦の真っ只中だった頃の話だ。
当時、実年齢で30代だった父親は、歩兵として最前線の惑星の、この世の終わり地獄のような環境に放り込まれていた。
いつかの、無謀な突撃命令。
父親Bは仲間たちと共に、支給された『軽ヘリオスブラスターアサルトライフル RHAR-21』を握りしめ、泥を蹴って飛び出した。
いつも通りに命令を遂行すれば、今回も無事に生き残れる――誰もがそう信じていた。
だが、次の瞬間。
敵陣地から、『重ヘリオスブラスター機関銃』が放つ、光弾の豪雨が降り注いだ。
それは、本当に一瞬の出来事だった。
隣を走っていた仲間たちはその場で消し飛び、父親Bもまた、凄まじい衝撃と共に左腕を根元から吹き飛ばされた。
120歳になった今でも、あの瞬間の光景、肉が焦げる臭い、飛び散った血の赤を、父親Bは鮮明に覚えている。
人口進化によって身体的成長が25歳付近で止まるこの世界では、父親Bの見た目はまだ、あの地獄を走っていた頃の若々しい姿のままだ。だからこそ、その瞳の奥にある濁った暗さが、余計に際立って見える。
父親Bは義手のネジを締めながら、静かに言った。
「――戦場ではな、あんまり夢を見すぎるな。現実を見るんだ。仲間が死なないように、そして何より、自分が死なないように」
息子は、父親Bの機械の指が動く様をじっと見つめている。父親Bは言葉を続けた。
「いいか。お偉いさんどもはな、兵士のことなんて使い捨ての『道具』としか思っちゃいない。奴らは、自分たちと同じ重みのある命を、ただのチェスの駒みたいに平然と使い潰す。人を殺すことにも、死なせることにも、何のみっともない躊躇もありはしない」
義手の調整を終え、父親Bは息子の目を真っ直ぐに見据えた。
「戦場に出て、もし、どうやっても必ず死ぬような場面が訪れたら――その時は、上官の背中を撃ち殺してでも生き残りなさい」
過激すぎる父親Bの言葉に、息子は息を呑んだ。
「お父さんは……国のために戦ったこと、後悔してる?」
「国のため?」
父親Bは手を止め、鼻で小さく笑った。その笑みには、深い自嘲が混ざっていた。
「笑わせるな。俺たちはお偉いさんがより贅沢で、より裕福な暮らしを送るための、いわば体裁のいい奴隷みたいなもんだ。お前もこれから徴兵されるんだ。くれぐれも『国のため』なんて、美しい思想は脳みそから捨てておけ」
都市惑星ゾナ。その地表の遙か上空、全27層(28層目建造中)の特権階級だけのエリア『最上層』。
下層の民が貧困と無法地帯に喘ぐ中、ここはきれいな青空と、本物の植物が咲き誇る豪華な庭園が広がっていた。
その一角にある最高級のラウンジで、星雲共和国の政府高官は、グラスに注がれた本物のワインを揺らしていた。
対面に座るのは、最新鋭の戦艦用装甲を独占受注している巨大軍需企業の重役だ。
「――ふふ、今回の『治安維持と防衛力の抜本的強化による増税』のおかげで、我が社の新型装甲の予算が付きました。高官、例の口座へのキックバックは、明日には完了いたしますよ」
「話が早くて助かる。もはや拡張する必要もない軍事力だが、民から合法的に金を絞り取る口実としては、これ以上のものはないからな」
二人が下劣な笑みを交わしたその時、テーブルの政府高官の端末が明滅した。端末の形自体は現実とそう変わらない。
映し出されたのは、本国に搾取され続けている地方惑星のトップ(行政長官)の顔だった。
「お忙しいところ恐れ入ります、高官! 本国から届いた通達は本当ですか!? 本日からさらに一五%の増税が適用されるなどと……!」
画面越しの地方トップは、必死の形相で訴えかけてくる。
「流石にもう無理です! 我が惑星の民は配給を半分に減らされ、子供たちまで強制徴兵されて、暴動寸前なんです! これ以上の増税を受け入れれば、星の経済が完全に崩壊します!」
政府高官はワインを一口すすり、ひどく退屈そうに鼻で笑った。
そして、冷酷そのものの目で画面の地方トップを睨み据える。
「無理、だと? 誰に向かって言っている」
「し、しかし……!」
「……逆らったらどうなるか、あなたなら『分かっとりますよね』?」
低く冷たい脅迫に、地方トップの顔が恐怖で強張った。
「もしこれ以上の納税を拒むというなら、本国はそちらの惑星を『テロ支援国家』と見なさざるを得ない。治安維持と称して、我が共和国の最新鋭の第42大艦隊をそちらに送り込み、惑星の民を蹂躙することになるが……構わないかね?」
「っ……!」
「文句があるなら、戦艦の的にして消してやるだけだ。分かったら、さっさと増税の手続きを済ませたまえ」
高官が一方的に通信を切ると、端末の光は無慈悲に消滅した。
ラウンジには、再び何事もなかったかのように静かで贅沢な時間が流れる。
「ハハハ、家畜どもめ。絞ればいくらでも金が出るというのに、分を弁えない」
高官は上機嫌でグラスを掲げ、企業の重役と再び笑い合った。
人類が星間技術を発見して拡張を続けた領域の覇権を握った星雲共和国。
だが、その支配の底で、何百億という民衆の、そして彼らを守る地方の軍人たちの『不満』は、すでに限界という名の発火点に達していた。
第二話掲載は早くても7月20日あたりになりそうです




