魔法と剣の下界2
前回同様です。
僕らは森の中を歩いていた。
「あの……天使さん?」
「ん?どうしたの。」
「僕らはどこに向かっているんですか?」
「えっと……どっかだよ。」
「えぇ……」
「ぶっちゃけね、私も天界で事務仕事みたいなのをしてただけだから、下界のことは全然知らないんだ。」
「そうなんですか………」
「まあ安心しなよ、落ちたとは言えど天使の私がついてる。しかも君の故郷の下界でたくさんの異世界モノを読んだり、ゲームをしたりしてたから。」
根拠が全然信用できない上に、天使さんは細い手足、童顔、少年のような容姿だし、頼りになりそうと言う感想より、かわいいと言う感想の方が先に来てしまう。
「天使さんは名前はないんですか?」
「あったよ。さっき取られちゃったけど。天使は変わった生態を持っててね、同じ名前の天使は一人しか存在できないんだ。名前を奪われると、私みたいに堕天するんだよ。」
「……天使さん。なんて呼べばいいですか?」
「そうだな……私はもう“天使”ではないしね。ルシア…とでも呼んでくれ。」
「わかりました。ルシアさん。」
「呼び捨て、タメ口で結構。』
そう言うと、頭の上の光輪と翼が霧散した。
「これで、人に怪しまれることもない。」
「その、人にすら出会えてないけど。」
「それなりに人口はいるはずだから、いつか会えるよ。」
●●●
更に森に進むも、景色は一向に変わる意向を見せなかった。
「おい!金を出せ!」
背後から威勢よく大声が聞こえる。
「あーれれ、最初に出会う人が、追い剥ぎだなんてついてないね。」
追い剥ぎは、5人組で、全員が皮の鎧のような物を着て、臨戦体制をとっているようだ。
「兄貴ぃ、こいつらまともな装備してないですよ、片方は裸足だし。」
「うるせぇ、さあ、さっさと金目のものを出せ。」
「そう言う君らこそ、痛い目見たくなかったら、金目のものと新しめの靴を置いていけ。」
ルシアの挑発にのり、先頭の追い剥ぎが雄叫びを上げながら短剣でルシアに切り掛かる。
「よっと。」
ルシアはそれを軽くかわして、
「ほい。」
そう言って、追い剥ぎの脇腹を回し蹴りして、木に叩きつけた。なんでその細い足でその蹴りができるの?
「うおおおおおお!!」
他の追い剥ぎが一斉に飛びかかる。ルシアは前方にいた追い剥ぎの首元を掴み、引きつけ、腹元にパンチを入れた。怯む追い剥ぎの首元を掴んだまま、飛びかかってくる他の追い剥ぎにぶつけた。更に、ナタで切りつけようと近づいてきた奴のナタを蹴り上げ、ナタをこちらに飛ばしてきた。
「うわっ」
ものすごい勢いで僕の真横の壁に刺さった。
「なんも持ってないんだから使いな。」
そう言う時にはもう、ナタを持っていた追い剥ぎをのしていた。
「すごい。無双状態だった。」
「ありがとう。言ったでしょ?安心しなって。さて、戦利品を漁ろうか。」
元天使あるまじき発言だ。
「1……2……3……4……あれ?もう一人いなかったけ?」
あたりを見渡すが、それらしい影は見えない。
「あぁ、いいカモだったのに……」
…………えぇ天使ってこう言うもんなの?少なくとも、僕はこの天使の言葉に感動して涙したはずなんだけど。
「ほい。つけといて。……あとこれも。」
そう言って、ルシアは僕に金属の肩当てと、皮の小手を渡した。
「あっそうだ。君の名前を教えて。」
「田代道次です。」
「違う違う。君の名前だよ。それは君の父の名前でしょ?」
………僕は徐にあたりを見つめる。
「……ヒルヴィス・ラギルト。」
「却下。ヒイラギじゃん。君のこれからの名前だぜ?もっとこう、しっかり考えていいから。」
「わかりました。」
「じゃ、いい名前考えときなよ。ヒイラギくん。」
ルシアは不敵に笑った。
感想バンバンお願いします。ぶっちゃけ、自分の文章力と設定の浅さは理解してるつもりなので。温かい目で見守ってくれたら幸いです。




