表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/58

第55話

「セシル。僕は、もう、限界だ。」

帰り道、ジストの背中の上で。

ルイスは魔法でドームを作り、セシルと向き合っていた。

透明なドームは、夜空を映している。


森から帰り、二人は役割を終えて、モルベール領を後にした。

セイラとジャンニの距離が、少し縮まっていたように思う。

アランが「守り人」だったことを聞かされ、驚いたが、おそらく同じように人知れず守り人契約を結び、精霊と共に生きている者は他にもいるのだろう。

(ジルダおばあちゃんとも会えた。)

自分のルーツを知り、セシルは、今は迷いなく前に進もうとしている。

目の前の、少々厄介な男と共に。


「・・限界、とは?」

やや身構えたセシルの手をとるルイス。

「魔王、ロベルト、次期精霊王、ジャンニ・・次から次へと君を奪いに来る。」

(いや、ロベルトはルイスに歪んだ愛情をもっていたからだし、他の面々も思惑ありありでしたけど?)

そう思うセシルだが、ルイスにはそんなことは関係ない。


「このままじゃ、僕はおかしくなってしまう。本当は、君を捕まえて、僕しか見れない場所に閉じ込めたい。」

ルイスの真剣な顔に、セシルはさらに身構えてしまう。

「・・それは、困ります。」

うん、と頷くルイス。

「それはしない。僕は、セシルの自由を奪いたい訳じゃないから。でも、セシルを奪おうとするやつに、せめて正々堂々と撃退する権利がほしいんだ。」


(権利ってなんだろう?)

一生懸命考えるセシルに、ルイスは言葉を重ねた。

「ねえ、セシル。君を僕の妻にしたい。」

「!」

「結婚してほしい。今まで通りの毎日でいいから、僕に、セシルの夫の称号を与えてほしい。そしたら、君に近づくやつ全員を、思う存分撃退できるもの。」


セシルはルイスを見つめる。

(私だって、ロマンスを想像したことはあったけど・・思ってたのと大分違う気がするわ・・。)

もちろんルイスが特殊なのだが、プロポーズというより、これは、洗礼式に近い。

(でも・・)

「いいですよ。」

今度はルイスが目を見開く番だ。

「いいの?」

「ダメなんですか?」

「あ、いや、ただ玉砕覚悟だったというかっ!」

セシルは優しく微笑む。

「ちゃんと言うタイミングがなかったですけど・・。」


「私、もう、ルイスのことが好きになっちゃってます。」


ルイス、フリーズ。


きゅいーん!


主の心の代弁は、竜のジストの鳴き声だった。


一方その頃。

「・・できたわ。」

バートン家では念には念を入れて、ルイスがつれてくる予定のセシルの誕生日を祝う準備が、完了していた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
他にもいくつか書いています。よろしければ、ご一読ください! ヒロインは誰も攻略したくない。~シナリオに逆らい続けているのに、逆に攻略されそうになっています~ https://ncode.syosetu.com/n2812gp/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ