第32話 戦連-2
「"こちら第12師団第12施設大隊。今現在、崩落した橋を91式戦車橋と入れ替えている最中である。第4戦車連隊に対して護衛を頼みたい。”」
「こちら第4戦車連隊、了解。」
「それにしても敵はゲリラ戦みたいなことをやってくるな。橋を壊すなんて。戦車橋も数が限られているんだから、できるだけ壊さないで欲しい」
「こちらシキツウ(82式通信指揮車)から各部隊へ、これから第12施設大隊の護衛を行う。第1中隊から第3中隊は付近の護衛、第5中隊から第6中隊は待機。通信終わり。」
「了解。」
「こちら第12偵察隊。敵大部隊が接近中。戦車23両からなる部隊。注意されたし。」
「こちら第4戦車連隊。了解した。」
「こちら第1中隊、敵部隊視認。偵察隊の情報どうりに来ました。撃ちますか?。」
「いや、まずは後方に待機している第12対舟艇対戦車隊の96式MPMSを使う。」
「舟艇部隊に座標を。」
「了解。96式MPMS、セット完了との事。」
「96式MPMS撃て。」
陸上自衛隊の配備している96式多目的誘導弾は発射地点の見通し線外目標に対して攻撃が可能な多目的誘導弾。射程は非公開ながら10km以上とされる。光ファイバーTVM赤外線画像誘導方式を採用し、ミサイル先端部のNEC製赤外線シーカーが捜索探知した目標の画像信号を光ファイバー経由で地上誘導装置に送る。射手はミサイルから送られてくる画像をテレビ画像として確認し、追尾の指示を行う。発射機を敵の視線に晒す必要が無いため、敵の反撃を防ぎ、部隊の生存性を高めることができる。今回は攻撃に使用した。
発射された96式多目的誘導弾は、敵の戦車の後方に着弾、戦車は後部の弾薬庫に誘爆し、爆発四散した。
「第1中隊前。敵トラックなどの物資を攻撃する。主砲ではなく、機関銃を使用せよ。」
「了解。」
陸上自衛隊10式戦車に搭載されている12.7mm重機関銃M2(砲塔上面)74式車載7.62mm機関銃(主砲同軸)がトラックを穴だらけにした。射撃は12.7mm重機関銃M2(砲塔上面)がRWS(軍用装甲車などの装甲戦闘車両や軍艦に装備されている遠隔操作式の無人銃架・砲塔)になっている車両もあったため、比較的に命中速度は早くなった。
「敵部隊撤退していきます。」
その無線が入る中、車外からヘリコプターのような音が聞こえた。
「?。今度は攻撃ヘリか。」
一佐が見上げると、AH-1に酷似した攻撃ヘリが9機飛来してきた。
「近くの第12高射特科連隊に連絡。敵攻撃ヘリの撃墜求むと。」
「了解。」
第12施設大隊作業場から200mほど離れた林の中
「こちら第12高射特科連隊、81式短距離地対空誘導弾による攻撃を開始。」
「了解。目標は敵ヘリ部隊から外れた攻撃ヘリ2機。81式ショートアロー発射!。」
81式短距離地対空誘導弾は、ジャッキとステップを取り付けた73式大型トラックの後部に、レーダーと射撃管制装置を搭載した車両一台と、ランチャー方式の発射装置を搭載した車両二台で構成される。射撃管制装置にはフェーズドアレイレーダー(Xバンド)を採用し、発射後に空中におけるロックオン機能や、赤外線パッシブ・ホーミング方式を採用して、二つの目標に対する同時追跡と連続攻撃能力を有している対空装備。現実では北部方面隊などが配備している。
「目標命中。」
その瞬間、対空レーダーから機影が2つ消えた。」




