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死に戻りする少年は、弱すぎる身体でダンジョンを攻略する  作者: タ・ケル


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第13話「そして再び」

第13話

ご愛読いただきありがとうございます。

俺は大陸の地図を見ながら、報告を受けていた。

俺の領地は、この大陸の北側に広がる広大な大森林地帯。


その大森林に、冒険者パーティーが侵入してきてだいぶ経つ。


最初は、ただの侵入者だと思っていた。

だが、その冒険者パーティーは、俺の大切な部下たちを次々と蹂躙していった。

迎え撃つ軍団長たちも、すでに九名が死亡している。


残る軍団長は―― デス・リッチキング「ネクロス」ただ一人。


ネクロスは俺に逃げるように言い残し、冒険者パーティーのもとへ向かった。

だが、俺は逃げる気はなかった。

玉座に座り、静かに冒険者パーティーを待つ。


やがて、彼らは現れた。


その姿を見た瞬間、息子と遊んだ某RPGの記憶がよみがえった。

勇者(人間)

戦士(獣人)

魔法使い(エルフ)

僧侶 (ドワーフ)

――ああ、そういうことか。

うすうす気づいていたが、俺は魔王なのだろう。

ふふふ。面白い。

そういう構造なのか、この世界は。


勇者らしき男がこちらに向かって何か言っている。

魔王がどうのこうのと言っているようだ。

きっと「魔王、覚悟しろ」などと言っているのだろう。


俺は特にこれまで悪いことをしたつもりはない。

だが、魔王やモンスターは、別種族からすれば“悪”であり“脅威”なのだろう。

これは、短時間でどうこうできる問題ではない。

すでに双方に被害が出ている。

お互いに、大切な仲間を失っているのだから。


勇者は攻撃力上昇の魔法を勇者と戦士にかけた。

二人の身体が光る。

魔法使いは防御力上昇の魔法をパーティー全体にかける。

四人が淡い光に包まれる。

僧侶が俺に向けて何か魔法を放つ。

俺は自分の防御力が下がるのを感じた。

勇者は剣に雷を纏わせる。

戦士は巨大な斧を構える。

魔法使いは爆発系の極大攻撃魔法の詠唱を始める。

僧侶は後方に下がり、回復魔法を両手に溜めている。


この戦い方は知っている。

俺は苦戦する、と直感した。


相手は四人。

俺は一人。

人数的に不利なだけではない。

四人がそれぞれの得意分野に特化し、連携してくるなら、俺はもっと不利だ。


何か対策はないかと考えるが―― 勝ち筋は見つからなかった。


勇者と戦士が迫り、途中で攻撃魔法が飛んでくる。

俺は勇者と戦士を吹き飛ばすが、僧侶がすぐに回復する。


どれだけ時間が経っただろうか。

四人は粘り強く俺に挑んでくる。

誰もが満身創痍だ。

あの洞窟での試練を思い出し、懐かしくなる。


さらに、どれだけ時間が経っただろうか。

戦士、魔法使い、僧侶が膝をつき、勇者にすべてを託す。

ついに、俺と勇者の一騎打ちだ。

お互いにMPは使い果たしている。

あとは剣技のぶつかり合い。

剣と剣が交わる。

そのたびに、勇者の太刀筋が“わかる”のだ。

初めて戦うのに、なぜなのか。

逆に、勇者も俺の剣を受け止め、躱す。

勝負がつかない。

じれったいほど、互角だった。

そして―― ふと、俺は理解した。

この勇者の剣筋は・・・俺と同じ。


その瞬間、わずかに隙ができてしまった。


勇者はそれを見逃さなかった。

視界が地面に落ちる。

どうやら、俺の首は勇者に飛ばされたらしい。


勇者の横に、首のない俺の身体が倒れている。

それを、地面すれすれの視点から眺めている。


勇者に戦士・魔法使い・僧侶が駆け寄り、勝利を分かち合っている。

俺は静かに目を閉じた。


・・・・・・・・・・


――静寂。

その男は、淡く光る洞窟の中央に立っていた。

広さは中学校の武道館ほど。

壁も天井も床も、すべてが薄い光を帯びている。

眩しくはない。

薄暗い。

しかし、目が慣れるにつれ、洞窟の輪郭がゆっくりと浮かび上がってくる。


男は、自分の手のひらをじっと見つめる。

手は二つ。

指は五本ずつ。


手を返し、甲側を見る。

爪がある。

皮膚は若い。


次に、その手で顔を触る。

慎重に、そして確かめるように。

目が二つ。

鼻が一つ。

鼻の穴が二つ。

口が一つ。

耳が二つ。

口の中には歯が並んでいる。


両手で体をゆっくりと触り、確認する。

毛深くはない。

筋肉はたいしたことはない。

華奢な体つきだ。


そして、男はためらいなく下腹部に触れた。

そこにある形状と感触が、決定的な事実を告げる。


――人間だ。  

――そして、男だ。


「いや……人間じゃなかったな。ふふふ」

少しだけ考えるように視線を落とし、静かに言葉を続けた。

「別の結末を、見つけることはできるのかな」

洞窟の光が、ゆっくりと揺れた。

まるで、その問いに応えるように。

最後までお読みいただきありがとうございました。


以下、ネタバレ版の紹介文です----------------

転生した男は、異世界の王の息子として生まれ変わる。

前世で極めた“剣術”を頼りに、青年は王位継承のためのダンジョン試練へ挑む。

弱い身体を鍛え、戦術と経験を積み重ね、ついには試練を突破して王となった。


しかし数年後――人間の勇者が魔王討伐に現れたことで、青年は真実を知る。

自分が転生したのは「ただの王」ではなく、世界から恐れられる“魔王”だったのだ。


さらに、勇者の剣術は自分と同じ流派。

勇者パーティの連携は、前世で息子と遊んだRPGの戦術そのまま。

戦いの最中、魔王となった青年は気づく。


勇者は、前世の自分の息子だった。


父と息子が異世界で敵として再会する、

転生 × ダンジョン試練 × どんでん返しミステリーの物語。

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