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プロローグ

いろいろ混ざっているかと思います。そんなの気にせずあたたかい目でご覧頂けると嬉しいです。


 「ようこそおいでなさいました。」

 ここは男の欲望と女の絶望が渦巻く国家認定の夜の街“花街”。 

 「ルルアナにございます。」

 ここ、シルビア王国最大の花街で最高級遊郭“鈴宮”《すずみや》の一室にひとりの男と一人の遊女。

 ルルアナは鈴宮の中でも超人気遊女で一晩買うのに5年以上遊んで暮らせるというほどの金がかる。そのため、なかなか一般の者が手をつけることのできない遊女である。

 「久しぶりだな?ルルアナ。」

 「そうでございますね。ジーク様。」

 営業スマイルで返す。

 今日、ルルアナを買ったのはここシルビア王国の第4王子のジラーク・ルウ・キリーファ様である。

 …久しぶりって…ついこないだ来てたじゃない…

 少し溜息をつきながらジラークの隣に腰をかける。

 「…なんだか気にいらないようだな?どうした。」

 王子の美貌にメロメロの貴族のお嬢様方がみたら失神しそうな妖艶な笑みを浮かべながら聞く。

 …そんな顔はお嬢様方にすればいいのに…。

 「イエベツニ」

 「…片言だぞ」

 「空耳かと」

 そう答えるとジラークがブホッ!とむせる。

 「!?っ大丈夫ですか!」

 いきなりのことであわててジラークの背中をさすろうと手を伸ばすと

 ガシッと腕を掴まれる。

 「!?…なんですか」

 グイッと自分の方へひきつけ妖艶な笑みを浮かべる。

 「やはりお前はおもしろい!」

 そんな事を云いながら腕の中に閉じ込めてしまう。

 「…離して下さい。今日は話があるのではないのですか?」

 「まあそう焦るな。」

 そう言って腕を外す。

 腕から抜け出したルルアナはまたジラークの隣に戻り酒をつぐ。

 「実はな身請けしようと思ってるんだ」

 「へえ~…だれをですか?」

 この国は遊女の身分は低くはない。国にきちんと保障されるため人気の遊女ともなれば貴族に嫁ぐことだってできる。

 …にしても…王族に身請けされるなんて…すごい遊女がいたもんね…。

 誰かしら…?紅薔薇のルーナ…白百合のアン…?

 まあだれにしてもものすごいことだわ…幸せになってほしいなぁ。

 「…で?だれですか?」

 「ああ。お前を(・・・)。」

 「ああ。私を。」

 ……………え? 

 …え?今だれって言った?なんか空耳が聞こえたような…?

 「空耳ではないお前といったんだ。」

 「…え?はあああああああああ?私!?」

 なにいったんだこいつは!?

 「まあ。いまさらいっても遅いがな。」

 「え?…あの…どういう…」

 冷や汗を流しながら聞くと腹の真っ黒さがわかる程怖い笑みを浮かべ爆弾を投下する。

 「もうお前を身請けしたし。」

 何言ってんだああああああ!!!!こいつううう???

 

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