第2話 嘘ツキの燃料(ガソリン)
第2話 嘘ツキの燃料
【現実:04:02】
「おいお前、何だその顔」
「……何が。僕はただの、N.E.S.のオペレーターだよ。用がないなら、早く帰れば?」
「ウソつけ。お前、そこのベッドの依頼人のこと、心配で泣きそうじゃんか」
「はぁ!? バカじゃないの? 僕はこいつのことが大嫌いだし、むしろ今すぐ死んでほしいね!」
「へへ、いい目をしる。気に入った。おいカイ、アロマ回せ! コイツも一緒に夢に連れてくぞ!」
「ハイ。……おいで、ウソツキくん。……アナタ、オヤスミ」
(ぷしゅー、と不快な同期音)
ーーー
【夢:深度5】
「ーーげほっ、何これ最悪! なんで僕まで潜入してんのさ!」
「おいウソツキ! 敵が来たぞ! カイ、前を頼む!」
「ハイ。ワタシ、ココ。……盾、なる」
(ガキィィィン!! と、トゲの群れをカイの巨体が受け止める。しかし、敵が多すぎて鉄の鎧がミシミシと割れていく)
「おいデカブツ、何突っ立ってんのさ! 早くそのままミンチになって死んじゃえ!!」
(ドカァァァン!!!! と、少年の罵倒が響いた瞬間、夢の空間が黄金に爆発する。カイのひび割れた鎧が、一瞬で超巨大な黄金の城壁へと進化する)
「……え?」
「ウソツキくん、アリガトウ。……ワタシ、いま、絶対、負けない」
「な、なんで……? 僕は『死んじゃえ』って……」
「へへ、気づいてねぇのか? お前、現実で『大嫌い』って言えば言うほど、この夢の中じゃ【世界で一番アイツを助けたい】っていう最強のエネルギー(バフ)に変換されんだよ!」
「なっ……そんなバカなシステム、あってたまるか!」
「お前の『嘘』はな、こいつらを動かす一番熱い燃料なんだよ! だからもっと叫べ! ルールなんか知るか、お前の本当の心で、俺たちの背中を押してみせろ!!」
「っ……、お前らなんか、全員大っ嫌いだ!! 今すぐ地獄に落ちろ!!!」
(ゴオォォォォォ!!! と、少年の涙の悪口が、カイの腕を街一つ消し飛ばせるほどの巨砲へと変えていく)




