9 ひとりだけの探検隊
地上に降り立った神さま
見るものすべてに興味がわきます
まずは森を観察するようですね
9話 はじまります
森の中を右に左に寄り道しながら進む神さま
それも当然です
目にするものすべてが初めて間近に見るものなのですから
小さな草花を見つけては、愛おしそうにニコニコ眺め
上空高く伸びる大木を見上げては、ポコポコ叩いたり、てっぺんまで登ってみたり
ヒラヒラ舞い踊る蝶を見つけては、その後を追いかけたりして
深い森の中で不用意に歩き回れば道に迷って大変な事になるのでしょうが、そもそも神さまには目的地がありません
自由気ままなひとり探検なので、まったく問題ありません
しかも神さま特製の身体は、食事も水も必要としません
なので食料の心配もありません
これまでの観察で、動物などの生命は他の動物や植物などをそのまま、もしくは加工して口から取り入れ生命活動している……程度の認識は持ってます
見た目だけは、笑顔が素敵なちょっと中性的な少年
実体は宇宙の過酷な場所で、損傷などを受けた都度、宇宙に存在する未知の素材で強化し続け完成した強固な身体
その身体に宿った見るもの全てに興味津々な神さま
だけど、まだちょっとコミュニケーションに不安……
それはそうですよね
とても長い時間を過ごしながら、未だ何者とも会話したことが無いのですから
今はまだ人のいない森の中で、自由気ままに行動していたいところです
ひと通り、森を楽しんだ神さまは、一度上空高くへフワリと上りました
そして森を見おろしながら、住む場所を考えました
そろそろ腰を据える場所を探さなくてはなりません
そう決めたのです
人間は家に住んで生活していることは知っているんです
「人族が生活している場所から離れている森の中で、良さそうなところはないかなぁ。」
もっとも神さまは睡眠もいらないんですけどね




