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「役立たず鍛冶師と言われた俺、武器改良したら戦死率が激減した」 〜仲間を死なせない戦場工房〜  作者: 街角のコータロー


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第51話 双剣完成

魔王軍城――工房。


炉の炎が激しく燃えていた。


ゴォォォ……と空気を吸い込みながら、赤い炎が揺れる。


その前で。


タクミは槌を握っていた。


作業台の上には、二本の刃。


ミスリルの刀身。


その根元には、赤い宝石。


炎竜核。


タクミはゆっくり息を吐いた。


「……ここだな」


隣でリゼが魔力を流している。


小さな手を炉へ向けていた。


「温度」


「安定してる」


タクミ


「いい火だ」


作業台の横では、リアナがソワソワしていた。


落ち着かない。


腕を組んだり、解いたり。


「まだッスか!?」


タクミ


「静かにしろ」


リアナ


「気になるッス!」


リゼ


「集中」


リアナ


「はいッス……」


しょんぼり座る。


タクミは二本の剣を見る。


炎竜核を半分ずつ使って作った双剣。


魔力の流れは――


整っている。


タクミは槌を持ち上げた。


「仕上げだ」


カン――!!


鋭い音が工房に響く。


火花が散る。


もう一撃。


カン!!


そして最後の一撃。


カン――!!


沈黙。


リアナが立ち上がる。


「……」


ゴクリ。


「できたッス?」


タクミは槌を置いた。


そして双剣を持ち上げる。


ミスリルの刃が光る。


炎竜核が静かに輝いている。


タクミ


「完成だ」


リアナ


「おおおお!!」


走ってくる。


目がキラキラしている。


「自分の武器ッス!!」


タクミ


「まだ試すな」


リアナ


「え」


タクミは一本渡した。


「まず握れ」


リアナは恐る恐る持つ。


軽い。


驚くほど軽い。


「軽いッス!!」


もう一本渡される。


両手に剣。


リアナの顔が一気に明るくなる。


「これめちゃくちゃ動かしやすいッス!」


軽く振る。


ヒュン。


ヒュン。


二本の刃が風を切る。


リアナ


「すごいッス!」


タクミ


「魔力流してみろ」


リアナ


「はいッス!」


集中する。


魔力を流す。


その瞬間。


ボッ……


刀身に赤い光が走る。


リアナ


「おお!」


タクミ


「どうだ」


リアナは少し驚いた顔をした。


「……平気ッス」


タクミ


「暴走は?」


リアナ


「ないッス!」


リゼも頷く。


「成功」


リアナは嬉しそうだ。


「最高ッス!」


その時。


タクミが言った。


「もう一つある」


リアナ


「?」


タクミは腕を組む。


「試してみろ」


リアナ


「何をッス?」


タクミ


「クロス」


リアナの目が輝いた。


「必殺技ッス!!」


すぐ構える。


双剣を持ち上げる。


そして。


交差させた。


カチン。


その瞬間。


ボォォォッ!!


炎が噴き上がった。


リアナ


「うわぁ!?」


炎が剣を包む。


赤い炎が揺れる。


リゼ


「共鳴」


タクミ


「やっぱりな」


リアナは興奮している。


「すごいッス!!」


剣を振る。


炎の軌跡。


ドゴン!!


訓練用の岩が粉々になる。


リアナ


「強いッス!!」


そして数秒。


リアナ


「……」


タクミ


「どうした」


リアナ


「まだ動けるッス」


タクミ


「魔力残ってるか」


リアナ


「全然平気ッス!」


タクミは満足そうに頷いた。


「成功だな」


リアナは双剣を見た。


ミスリルの刃。


炎竜核の輝き。


そして笑った。


「これ自分の武器なんスよね?」


タクミ


「ああ」


リアナ


「ワンオフッス?」


タクミ


「そうなる」


リアナは少し照れた。


「……へへ」


双剣を掲げる。


「めちゃくちゃ嬉しいッス!」


リゼも小さく言った。


「似合ってる」


リアナ


「ほんとッス!?」


タクミは炉を見る。


炎が揺れている。


そして言った。


「次は」


リアナ


「?」


タクミ


「お披露目だ」


リアナ


「え」


タクミ


「魔王と四天王に見せる」


リアナは固まった。


数秒。


「ええええ!?」


慌てる。


「そんなの緊張するッス!!」


リゼ


「でも」


「リアナの武器」


リアナ


「うう……」


双剣を見る。


そして小さく言った。


「……頑張るッス」


タクミは少し笑った。


「その武器なら大丈夫だ」


炉の炎がゆらめく。


リアナ専用双剣。


それはもうただの武器ではない。


魔王軍の未来を変えるかもしれない刃だった。



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