表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それでも、好きだ  作者: 茶化し隊
6/7

自動化の閃き

第6話 自動化

材料費は安くできた。しかし製造コストはむしろ高くなってしまった。

思案する事2週間、、、


久しぶりの休日がやってきた。


今回はおじさんの提案で、浅草に行く事に。

当時浅草は日本一の歓楽街。娯楽といえばここだった。東京市電に乗って、浅草停留所を目指す。

今回の目的地は、浅草寺周辺。街歩きをする事にした。


参道を歩いてお土産を見たり、紙芝居を見たりするつもりだ。

そういえば、近くに鬼もいると噂を聞く事もある。元々治安が悪い場所で、スリもかっぱらいも腐るほどいる。そのせいだろうか。


参道を歩いていると、華やかな芸者さんを見たりとか、あるいは幼い子どもや、お年をめした方も多くいることが分かる。建物も高く、発展した街だなと改めて思った。


すると、あるものを見つけた。

「江戸名物 もんじゃ焼き」

おじさんが言った 。


「よく奥さんともんじゃ焼きを食べに行ってた。あの店はもうないが、ここに入ってみようか」

店に入る。


店主が話しかけてきた。

「いらっしゃい!って、、高野!?」


ふたりとも驚いた顔をしている。

「お前、、、生きてたのか」

どうやら顔見知りのようだ。


軽く世間話をした。

「、、そうだったのか。奥さんを亡くしてつらいな。」

店主がそう言う。


「ああ、だけど前を向いて歩くしかない。どうすればいいかわからないけどな」

そうおじさんが返す。


「そういえば、そちらのお嬢さんは?」

店主に聞かれる。まずい。声を出したら男とばれる。


「覚ちゃんだよ。人見知りで、会社と家にいる時以外声を出さないんだ。筆談なら喋れるから、紙と鉛筆をくれないかい?」

おじさんに助けられた。


そうして料理を頼み、もんじゃ焼きを目の前で作ってもらっていた。

店主が言う。


「もんじゃ焼きってのは、具材を上から載せるんだ。好きなように作れる。

だから、絵を書いたり、新しい具材に挑戦したり、まるで作家になったような気分になれるんだよ」

変わらないな。とおじさんに笑われる。

店主の手捌きを見る。


タコ、キャベツ、ソース。ありとあらゆるものが、上に乗せられていく。

その風景を見てふと気がついた。


回路を先に作り、それを基盤の上に乗せれば、、、

「これだ、これだったんだ!」

思わず俺は叫んだ。低い、男の声で。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ