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第十三話 2人でお祝い!

 俺は裏イベントの報酬で貰った1万エラ分の袋に入ったすでに砕いてある黒コショウをクリスティーナに見せる。これだけの量があれば十分味を付けられるはずだ。


 「凄い……。袋いっぱいに黒コショウが入ってる、これって本当に本物?」


 クリスティーナは袋に入っている黒コショウを凝視する。……本物だぞ信じてくれ。


 「数粒、食べてみる……? 本物だってわかるわよ?」

 「あ、では遠慮なく頂きます」


 クリスティーナは袋に手を突っ込んで数粒の黒コショウを摘み取った。


 「頂きます」

 「どう? 本物の黒コショウでしょ?」

 「……辛っ! この少しピリッとした辛味にさわやかな香り……。これは間違いなく本物の黒コショウ!」


 良かった、信じてくれたぞ。


 「でも、よく怪しまれずに黒コショウをこんなにたくさん貰えたわね、どう説明を?」


 クリスティーナは首を傾げて聞いてくる。

 

 「自分の買った食事に調味料を付けて食べたいって言う理由で説得したわ」

 「確かにそれならばれなさそうね」


 クリスティーナは納得した様子を見せる。


 「まあとりあえず、この黒コショウを使って焼き鳥パーティーと行きましょう!」

 「焼き鳥! 絶対美味しいですね! 早速木に火を付けますね」

 「ありがとう」

 「木に燃え移れ、バーン!」


 木はすぐさま燃え上がった。予め大量に用意しておいた細い木の棒を1つ持ち、食べやすい形に切った鶏肉を3つほど刺していく。これをひたすら繰り返す。


 「この作業も意外と楽しいですね」

 「そうね、たぶん1人じゃなく2人でやっているからそう思えるんだと思うわ」

 「確かに、1人で同じことを繰り返す作業を行うのは退屈ですもんね」


 クリスティーナは一定のリズムで鶏肉を刺していく。俺もクリスティーナの動きを真似してやる。

 こういう時間が案外、俺は一番幸せを感じるのかもしれないな。


 数十分と経って、全部の肉を刺し終えた。……手がものすごく痺れている感覚があった。


 「やっと、焼ける……、食べられるわ」


 クリスティーナはもう限界の様子だ、刺し終えたやつから1つずつ焼いていけばよかったなと今になって後悔した。次からはそうしよう。


 「よし、どんどん焼いて食べるわよ!」

 「やっと食べられる! どんどん焼きますよ」


 クリスティーナは皿に置いてある刺し鳥を持ち、火に近い場所へ持っていき地面に刺す。

 1人でやらせるのは嫌だったので俺も参戦し、火の周りには大量の刺し鳥が円を描いた。


「これで後は待つだけね、黒コショウは焼き終えたあと皿の上で振りかけるようにしよう。地面に落ちるのは勿体ないから」

「了解です」


 雑談をしながら待つこと数十分後、いい感じに鶏肉が茶色く焼けてきた。そろそろ食べ頃だなこれ。


「クリスティーナ、そろそろ食べ頃よ、沢山食べるわよ」

「美味しそうですね……」


 クリスティーナは2本焼き鳥を持って皿に乗せ、袋から黒コショウを摘み全体に掛ける。


「頂きます」


 クリスティーナは大きく口を開け鶏肉を一気に2つ口に入れ、咀嚼する。


「美味しい……。こんなに美味しい食べ物を食べられるなんて……。生きてて良かった」


 ご飯を食べる時、クリスティーナは毎回本当に幸せそうに食べる。天使だ。


「レティシアも食べましょう、美味しいですから」


 やべ……。見惚れてしまった、俺は クリスティーナの言われるがままに焼き鳥を1つ皿に移し、黒コショウを袋から摘み振りかけてから一口。


「これは美味いわね……。黒コショウがちゃんと利いてて良かったわ」

「どんどん食べれますよ」


 クリスティーナは言葉通りどんどんと焼き鳥を口に入れていく。大食いだな。


「レティシア、黒コショウ用意してくれてありがとうございます」

「えぇ、喜んで貰えて良かったわ」

「レティシアもどんどんたべましょ、無くなりませんよ!」


 たぶんクリスティーナ1人でも食べれるなと、俺は思った。

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